【読書】逢坂冬馬著『同志少女よ、敵を撃て』
20年以上生きているが、人が死ぬ瞬間を一度も見たことがない。葬儀に参列したのも人生で一度きりだ。それを幸運と捉えるか、人生経験がないと捉えるか判断に迷うところだが、とにかく「死」というものをリアルに想像できない。
『同志少女よ、敵を撃て』の独ソ戦における少女の物語だ。
作中とにかく、人が死ぬ。当然だ。戦争の話なのだから。ただ、それがフェイクションゆえの苛烈さなのか、あるいは戦争のリアルな描写なのか、日本で暮らし戦争の経験もなく、誰かの「死」に直面したこともない私にはわから