就活における「必死さ」という最強の武器

こんにちは。ある会社の人事採用担当の戯言です。

21年卒学生にとって、就活もそろそろ本番といった時期になってきた。この時期になると如実に学生が2つのグループに分かれる。その2つは「必死なやつ」と「そうじゃないやつ」である。

就活界隈にはいろんなハウツー記事やテクニック本がある。余程リテラシーのない学生でなければ、大体が眉唾モノであることは今の時代の学生であればよくご存じのことと思う。だから全てをシャットアウトするという方もいるだろう。ということでこの記事も眉唾かもしれないという前提で読んでほしい。

…とめちゃくちゃ保険をかけたところで始めていきます。今日の話は「結局必死に頑張ってるやつが一番よく見える」というものだ。

ここ近年採用のフィールドにはマーケティングの手法や機械学習が取り入れられつつある。これは逃れがたいトレンドであり、今後もますます伸びていくだろう。が、一方でデータやAIのような定量情報で学生を決めきるという企業はほとんどない。最後は人の目で見て決めるという企業がほとんどである。定量情報で絞り、定性情報で決めるというのが一般的だ。僕もおおよそはそんな感じの考え方だ。最後は人対人で決めたい。その決めるというフェーズで僕がどう学生を見ているかという視点が、冒頭に述べた「結局必死なやつ」というものだ。

これは「御社に入れてください!御社しかないんです!第一希望です!お願いしまぁぁす!」みたいなことでは決してない。これは引いちゃう。

そうではなくて、「本気で取り組んでいるやつ」ということである。

僕は学生時代、なんとなーく就活をしていた。みんなと同じタイミングで説明会に出かけていき、みんなと同じように選考を受けた。その中で企業からはたくさん社員に会わせてもらったり、面接の練習をしてもらったりした。誰もが名前を知る会社からもアプローチをしてもらった。いわゆるリク面というやつである。リク面では負けなしだった。選考まで進めない企業はなかった。でも、そのような企業からはことごとくお祈りをされた。今でも客観的に見ればまあ能力的にも人物的にもそこまで問題はなかったのではないかと思う。ただ足りないものがあった。それが「必死さ」である。会社からアプローチされていることに慣れ、慢心を抱いていた。早く内定を出してくれた会社もあり、このやり方でいいんだと安心していた。これが全てであり、学生時代の僕の「底」であった。僕は「必死じゃないやつ」だったのである。

一方で、最後の最後まで必死に駆け抜けられるやつがいる。就活の意味を見失わず、走り続けられるやつだ。彼らに共通して持っている素質がある。それは「就活を通して成長しよう」という心構えだ。彼らは良い会社に入ることをゴールにしていない。スタートだと捉えている。だから内定に一喜一憂しない。ずっと進化し続ける。

就活中、僕に「面接のダメ出しをしてください!」と言ってくる学生がいた。一次面接の後、二次面接までの間である。勇気を出して電話をかけてきた。とんでもない成長意欲だと思った。僕は面接官ではなかったが横で面接を見ていたので、会社の後輩にするレベルのフィードバックを行った。つまり忖度0のガチダメ出しである。二次面接で、彼はその全てを修正してきた。一週間で成長してきたのである。これが「必死なやつ」だ。人と違う学生時代のエピソードやリーダーの経験、留学経験なんて目じゃない。この「成長する」という一点においてブレないやつが会社に入ってから活躍してくれるんだと信じている。彼はこの4月当社に入社してくる。活躍がとても楽しみだ。

ここまで読んでいただいた方は分かると思うが、これは眉唾のハウツー記事ではない。ただのゴリゴリの根性論である(笑)

でも、人はゴリゴリの根性論がまだまだ好きなのだ。きっとAIが最後に辿り着く領域なんじゃないかな?

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