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少しの努力で売上・利益アップになる【アップセル】を解説してみた(前半)

弊社ではPush型の営業行為を一切行わず、Pull型のマーケティングだけを実践しています。

一般的にはマーケティングだけで売上を上げていこうとすると、売上に対する広告宣伝費の割合で10~20%投下する会社も多いわけですが、弊社の広告宣伝費は売上に対して1.8%(2020年12月決算期の実績)です。

我々は、士業と呼ばれる専門家(主には税理士・会計事務所)に対して情報提供等を行うという非常にニッチで、ターゲットゾーンが狭いビジネス形態であることから、広告宣伝費を多額に投下するよりも、優良顧客に対していかに多くの商品・サービスを提供できるかが勝負となります。

前回は、追加的な費用をかけずに実践できるマーケティング手法として「クロスセル」を解説しましたが、今回は【アップセル】を解説します。

参考:「簡単に売上・利益アップになる【クロスセル】を解説してみた(前半)」
参考:「簡単に売上・利益アップになる【クロスセル】を解説してみた(後半)」

クロスセルと同じくアップセルも、少しの工夫と努力で売上・利益をアップさせることができる点では同じです。

弊社が実施しているアップセルの具体的なやり方を公開しますが、どの業種・業態でも実施できるよう、できる限り汎用性がある考え方や具体例も紹介することにします。


■「アップセル」とは?


顧客が商品・サービスを購入する際、ランクが上の商品やサービス・プランを勧める行為全般を「アップセル」といいます。

月額課金サービスなどサブスクモデルにおいては、既存顧客に対して上位プランへと誘導することも、この「アップセル」に含まれます。

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典型的なアップセルは、保険の更新時に実践されます。
私の車両保険はネット損保で加入していますが、毎年の更新時期には、補償内容を拡大した場合の保険料シミュレーションがいくつかのパターンで届きます。
スマホで更新手続きが簡単にできるにもかかわらず、シミュレーションだけは郵送で届く念の入れようです。

車を買いに行けば、希望している車種の上位車を勧められたり、また同じ車種でもエンジンが大きい・シートが革張りを・・・
これら全てがアップセルということですね。


■上位商品・プランをいかに作るか


アップセルを実践することで、平均単価が上がることによって売上・利益が増加することはご理解いただけるでしょう。
しかし、実際のところアップセルするだけの商品・プランを揃えていない会社も多いですよね。

価格差のあるプランや、提供価値に差がある商品・サービスがないのであれば、あえて3つの商品・プランを作るということが重要です。
日本人的にいえば「松・竹・梅」です。

「日本人は最も無難な中位プラン(松竹梅の竹)を選びやすい」とよく言われますよね。

顧客の心情からすれば、「一番高いモノでなくても・・・」「だからといって、安物買いの銭失いにはなりたくない」ということですから、あえて3つのプランを作ることで、中位商品を主力商品・サービスとしながら、上位商品へのアップセルも可能という状況を作ることができます。


■価値・内容の違いを明確にする


単純に3つのプラン・商品を作れば、アップセルが簡単にできるというわけではなく、プラン・商品ごとになぜ価格が違うのか、その価値・内容の違いを明示することが大事になります。

保険でいえば「補償範囲」「補償金額」の違いが、支払う「保険料の違い」になりますよね、という明示です。

弊社では、税理士・会計事務所向けの月額サービスとして、下記の3プランを提供しています。

●下位プラン@ 5,000円/月:セミナーをWeb受講できる

●中位プラン@15,000円/月:セミナーを現地orWeb受講できる
              +DVDなどを割引購入できる

●上位プラン@30,000円/月:セミナーを現地orWeb受講できる
              +発売したDVDを全てもらえる

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このように、価格と価値・内容がなぜ違うのかを明示できるようにしておかないと、顧客はアップセルに応じにくくになります。


また、居酒屋の宴会プランなどでよくあるのですが、プランが多すぎて何を選んでいいのかわからない!?ということもよくあります。
プラン・商品の選択肢を作り過ぎないことも大事になります。

プランが多すぎると、プランごとの違いがわかりにくく、違いがわからないと、顧客は買わないという選択をするか、「とりあえず」として安いプランしか選ばなくなります。


■導入商品・プランを大々的に打ち出す


先日、弊社ではマーケティングオートメーションのシステム導入を検討しました。
多数のサイト・媒体・顧客がいることから、マーケティングを人力で改善するには限界があって、システムを導入してある程度自動でできるようにするためです。

このようなシステムは多数提供されているので、なかなか比較しづらいのですが、こういう場合はとりあえず最も安いプランでコストを見積もろうとしますよね。

しかし実際のところ、最も安いプランで使える機能はかなり制限されており、弊社が求める機能を使えるようにするには、かなり上位のプラン=高い価格を支払わなければならないことがわかりました。

こういった「見せ方」は非常に重要で、安いプランを大々的に打ち出し見込み顧客を集め、実際には高くなるプランが適用になる、という手法ですね。

弊社の顧客である税理士・会計事務所でも、マーケティングがうまい方々は、「月額顧問料9,800円!」などと打ち出しておいて、実際にはかなり小規模事業者でなければこの価格にはならない、売上などの規模を料金表に当てはめると、月額3~4万円というわりと普通の報酬額になる、という「見せ方」を実践している事務所も多いです。

これは何も悪いマーケティング手法ではなく、最終的に顧客が納得したうえで契約に至ればいいわけです。これも、多くの見込み顧客を集めてから、適正な価格にするという、実質的なアップセルの手法でしょう。


さて、ここまではアップセルを行うための商品・サービス設計について詳しく解説してきました。後半では「アップセルを実践するための手法」を取り上げていきます。



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