喘息小児:ICS使用と肺炎による入院リスクの関連は認められなかった

ステロイド恐怖をすこし緩和させられる情報

Karl-Hermann Sielinou Kamgang, Samuel Arthur Rhedin, Catarina AlmqvistとViktor Wintzell. 「Use of inhaled corticosteroids and the risk of hospitalisation for pneumonia in children with asthma: a nationwide cohort study」. Thorax, 2024年1月5日, thorax-2023-220742. https://doi.org/10.1136/thorax-2023-220742 .

背景:吸入ステロイド(ICS)の使用と成人における肺炎リスクの関連性については意見が分かれており、小児特有の証拠は乏しい。

目的:喘息を持つ子供(2~17歳)において、ICSの使用と肺炎による入院リスクの潜在的な関連を評価する。

方法:このコホート研究は、スウェーデンの全国データ(2007年1月から2021年11月)に基づいて行われた。確認された喘息を持つ425,965人の子供から、処方された薬の記録を使用して、新たなICS使用と非使用のエピソードが特定された。傾向スコアの重複加重により潜在的な交絡因子を調整し、肺炎を主診断とする入院のリスクが推定された。また、複数のサブグループ分析と感度分析も行われた。

結果:ICS使用の249,351エピソード(平均追跡期間0.9年)と非使用の214,840エピソード(平均追跡期間0.7年)が特定された。追跡期間中、ICS使用エピソードで369件、非使用エピソードで181件の肺炎による入院が観察された。
肺炎による入院の加重発生率は、ICS使用エピソードで10,000人年あたり14.5件、非使用エピソードで14.6件であった。ICS使用に関連する肺炎による入院の加重HRは1.06(95% CI 0.88~1.28)であり、絶対率差は−0.06(95% CI −2.83~2.72)件/10,000人年で、非使用と比較していた。

結論:この全国コホート研究では、喘息を持つ子供におけるICS使用と肺炎による入院リスクの関連は認められなかった。

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