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⑤新卒と中途採用

新規学卒者が学校を卒業するのと、多くの日本の会社の決算年度変わりの時期にあわせて、採用活動を行なっています。一般的に年一度、4月1日付けの入社となります。
そこには、もう1つ理由があります。日本の教育制度ののなかでは、多くの新規学卒者は学校時代に社会人となって、すぐに使える知識・技能をほとんど身に付けておりません。学校教育では、そのような教育訓練はほとんど受けておりませんので、会社で1から教えていかなければなりません。会社側からすると、ある特定の会社特有の変なクセも付いていないので、ほぼ真っ白な生地に、自社の価値観を染めていくことができます。
 
 
第2新卒
第2新卒とは、新規学卒者が、入社して数年後に、最初に入社した会社を辞めて、他社に転職をする人のことをいいます。社会人になって、まだ日も浅いので、職業人として、さしたる実績はなく、専門能力もさほど高くはありません。ただ、別の会社で新人研修を受けており、曲がりなりにも、多少の実務経験がありますので、新卒者のように、ビジネスマナーや執務の基礎を一から教える必要はありません。
 
一方、新規学卒者は育成に時間がかかるので、その時々の企業の人財ニーズを補えません。新たな経営課題がでてきた、基幹要員から退職の申し出、プロジェクトに欠員が出た、その他、特定の業務に必要となる人財を探さなければならないが、社内にその適任者がいない、といった時には、どうしても外部から人財を招聘する必要があります。
 
企業が人員補充をしなければならないのは、
1. 欠員補充
2. 事業拡大のための増員
これが、中途採用を行なう理由です。
 
中途入社者は、一定の就業経験、スキルを有した、ミドルキャリアとして、入社早々、力を発揮してほしい即戦力人財と扱われます。
 
 
自分は即戦力か?
転職先の会社が求めている人財は、極言すれば入社したその日からバリバリと仕事をしてくれる人です。これまでに社会人経験のない、新規学校卒の新入社員ならば、3カ月あるいは1年くらいの教育期間をとる会社もあります。しかし、ほとんどの会社では、中途入社の人が入社してきた時に、長期間の教育をしている余裕はありません。
それこそ、その日から業務に当たってほしい、という勢いです。
そこで、転職者に問われることは、あなたは即戦力の人財なのかどうかです。
 
「即戦力」とは、今いる会社を離れて、別の会社に行っても、短期間で、新たな会社の人と同等以上の実績を上げられるだけの力を発揮できることを指します。「即戦力」にもっとも近いのは、同一業界、同一職種の経験があることですが、異なる業界であっても、業務遂行スタイル、販路や顧客層などに、一定の共通点があれば、可能な転職先はあります。普段より、自分自身の経験、スキルを応用できる業種や企業がどこか、といった点にも、気を配っておくと良いでしょう。
 
なお、管理職になって、何年か現場から離れるとは、実務担当者としての腕前はさび付くことがあります。管理職は、一般的には、その分野のマネジメントがどのようにできるのかが問われますが、ある程度の実務能力の裏付けも求められます。
 
年代別転職のイメージ
ビジネス人財の年代別の成長段階を、あえて区切ってみる際に、4捨5入をして、何十歳かと考えるのが、もっともしっくりします。
まず、年代ごとのイメージを上げてみると、次のようになりなす。

〇20歳期(15歳~24歳) 基礎養成期
   さまざまなことを貪欲に吸収し、基礎固めを行なう時期
〇30歳期(25歳~34歳) 基盤確立期
   プロフェッショナルとしての基盤を形成する時期
〇40歳期(35歳~44歳) 活動発展期
   社会的に大きく貢献する、働き盛りの時期
〇50歳期(45歳~54歳) 影響期
   その分野のリーダーとして、他の後進に影響を及ぼす時期
 
採用する企業側では、どのような思いで転職者を受け入れるのでしょうか。