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おじさん・ザ・エッセイスト 第16回 〜"アイドル"を考える〜

"真の悪人は善人のふりをして、親しげに近付いて来る"



こんにちは。
おじさんです。


梅雨も明けて、本格的に夏が始まりました。
連日とても暑いですね。

家族が増えたからかもわかりませんが、今年は例年に比べてエアコンの効きが悪い気がします。
型番のところを見てみたら2005年製とあったので、我が家のエアコンくんはどうやら今年で成人を迎えるようです。
人間に換算したら、いったい何歳ぐらいなんでしょうかね。
歳は取りたくないものです。

今日のテーマは「アイドル」です。


アイドルとは何なのか。
「偶像」と言ったりもしますね。

定義を調べてみると、以下の文節が出てきました。

一般的にアイドルというとジャニーズやAKB、坂道系列、KPOPなどといった職業アイドルを自称している人達を思い浮かべがちですが、著名人やインフルエンサーなども広義では全てアイドルに分類されるのです。

実際、職業アイドルではない人物に熱狂的なファンがついていることはままあります。
最近ネットを騒然とさせた某お天気お姉さんのように、ファンによって勝手に担ぎ上げられてしまうケースもあるので、結局のところ見る側の熱量によるのかなと思います。
…余談ですがあの騒動、ネットで騒がれてた割にテレビでは全然取り上げられていなくて、いかにネットのごく一部の人達の間だけで話が盛り上がっていたかがわかって面白いですね。


さて、そんなアイドルの方々はどういったお仕事をしているのでしょうか。
解説していきたいと思います。

アイドルの仕事は、端的に言えば支持しているファンに対する人気商売です。
メディアやSNS等に露出し、愛想を振り撒くことで客引きからグッズの販促までを担い、顧客を獲得していきます。
そしてライブのチケットやグッズの販売、動画配信による収益などを売り上げとして、所属する芸能事務所に納めます。
ここでポイントなのが、アイドル自身の活動以外にも、ファンとなった人達が各自「推し活」という名の布教活動によってねずみ算式にコミュニティの勢力を拡大すべく行動を起こしているという点です。
また、ファン達のコミュニティ内では、より多くの金額を捧げた者がより強い発言権を持つ傾向にあります。
つぎ込んだ額の大きさがアイドルに対する愛の大きさであり、それを表現する手段に直結しているためです。
皆が競うように金を落としていく理由はここにあるのだと思われます。

まとめると、「一つのコミュニティの頂点にアイドルが君臨し」、「それ以下の信者はアイドルへの信仰をお布施の量で示す」。
このような構図になっています。


…この構図、何かに似ていると思いませんか?

そうです。
カルト教団の手口とそっくりなのです。


偶像崇拝という言葉がありますが、アイドルというものの存在はまさにこれを指しています。
アイドルの持つ役割は、目を引かれた者に対して「憧れの存在」というイメージを売り付け、ファンの中で自分の存在を神格化させることです。
そうして正常な思考を失った信者に仕立て上げ、グッズ等をあたかも意味あるもの、素晴らしいものであるかのように錯覚させてあの手この手で売り付けようとします。
中には色恋営業のような形でファンを強力に惹き付けて多額の金を吸い上げるものもあり、ほとんどロマンス詐欺と言っても過言ではありません。
例えるなら、そこらに転がっている石ころで太陽光発電をする…そんな突拍子もない話です。




男性アイドルを例に挙げましょう。
以前、女の本能は最も優秀なオスを選ぶことであるという話をしました。
女の頭の中では、「誰の子どもを産むか?」といういくつかの選択肢が存在しています。(相手がそれに応じるかはともかくとして)

そこにアイドルという本来なら選択肢にないハイレベルな男が頭の中にチラつくと、女の価値観はバグり、男に求める水準は一気に引き上げられます。
元々あった他の選択肢は相対的に価値が低くなり、女はそれらに対して拒絶感を示すようになります。
やがて無駄に目が肥えていき、理想だけが高い女が爆誕。
最終的には「私の◯◯くんどこ?」と、ありもしない幻想を掴もうと一生もがき続ける醜いモンスターに成り果てます。
さしずめ、酸っぱい葡萄ならぬバーチャル葡萄といったところでしょうか。

この一連の流れはファンが勝手に舞い上がって歯止めが効かなくなっているだけで、アイドル自体に罪は無いのでしょうか?

否。断じてそのようなことはありません。
アイドルは皆一様に何も知らない善人のふりをしていますが、阿漕な金儲けに加担している悪人です。
会ったことも、きちんと話をしたこともないアイドル相手の擬似恋愛など、虚業に過ぎません。

対象の表面的な部分だけを見て、見えない部分は都合の良いように妄想で脚色する。
これをハリボテに騙されていると言わずして何というでしょう。
所詮、画面の向こうのアイドルなど、文字通り自分とは別の次元を生きる存在なのです。
どれだけ必死に手を伸ばそうと、こちらには見向きもしないし、まして手に入ることなどありません。
いつか夢から目が覚めた時、手元に残るのはひたすら金と時間を奪われ続けたという、無意味で無価値、空虚な徒労感のみです。



このように、ファンの心を奪い、生き遅れにして誰も責任を取らないという地獄のような構図を作り出すのがアイドルです。
まるでマンガやアニメのようなキラキラした世界を、あるいは色恋を仄めかし、幻想を植え付けて、際限なく搾取する。
ほとんどキャバクラやホスト、風俗のキャストに貢いでいるのと変わりません。
娯楽の皮を被った、人間の汚い部分を抽出したような搾取ビジネスの枢軸。それがアイドルの正体なのです。


こうした搾取の罠に対して消費者側が講じることができる策としては、財布の紐を固く締めることと、非現実的な存在に無闇に肯定的な感情を抱かないことなどでしょうか。
「推し活」という言葉が定着して以降、アイドルのような売り出し方をする者はかなり増えたように思います。
中にはSNSを巧みに使い、ファンに自らの存在を身近に感じさせることで懐柔しようとする狡猾な者もいます。
蟻地獄に囚われてからでは手遅れなのです。


アイドルに対して一生懸命に金を落としている人達は、目先のキラキラと輝いて見える実体のない幻に目が眩んで、将来自分や我が子のために使えるお金を少しずつ掠め取られていることに気付いていません。
大切な我が子を差し置いて、会ったこともない他所の家の子どもに飯を食わせてやる義理がどこにあるというのでしょう。
そもそも、相手は何千、何万単位のカモから搾取して桁違いの収入を得ているアイドルです。
端金をつぎ込んでパトロン気取りをしているオタク達の何と滑稽な事か。

親の持つくだらない信仰の為に、自分に使われるはずの金を奪われてしまう宗教2世の身にもなってみたらどうでしょう。



日毎に情報技術が高度になってゆく現代。
目で見たものや耳で聞いたものも、ひょっとしたら精巧に作られたまやかしかもしれません。

己の肌で感じ、手で掴んだものだけがリアルです。

感覚を研ぎ澄ませて生きていきたいですね。



それでは、今回はこのへんで。



author,  P
2023/8/3

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