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人をやる気にさせる

あなたは、あるお店の店長をしています。

そんな時、少しずつ仕事ができるようになってきたスタッフが、壁にぶつかってしまいました。

そんな時、どのような言葉をかけますか?


田岡監督は理想の上司像


「お前にはまだ、無理だ。今まで通りの仕事をしろ」

「もっと、頑張ってみろ。とにかくやれ」


スタッフ含め、お店の状況によってどんな声かけをするかが変わってきます。

今後活躍が期待される若手に対して、どんな声かけをすればいいか?

陵南高校バスケ部の田岡監督の言葉には、人のやる気を引き出す言葉が無数にあると私は考えています。

今日はその一つを挙げます。


田岡:福田 

     どうだ赤木のブロックは?

     赤木のゴール下のディフェンスは高校トップレベルだ

     まだまだ お前のかなう相手じゃない

           魚住

魚住:はい

田岡:赤木を引きつけて福田を助けるんだ

魚住:はい

福田:!?

福田君は謹慎明け2試合目で、まだまだ自信も経験も無い選手です。

得意なシュートを相手チームの主将赤木君に止められて、かなり落ち込んでいます。

そんな時監督から声をかけられて、「交代させられるのでは?」と不安になってしまいました。

おそらく田岡監督はそんな福田君の気持ちに気づいていたのでしょう。

田岡:湘北がマンツーマンでくる限り福田中心で点をとっていく

   ブロックされたからって ひるむなよ福田

福田:はい

この時の福田君は自分に期待された嬉しさで、いっぱいだったでしょう。

プライドの高く繊細な心を持つ福田君は、この一言でやる気になりました。

(SLAM DUNK新装再編版11巻P214~P216)


ネットでは、田岡監督は「理想の上司像」という声も聞くことがあります。

それはこういった人をやる気にさせる声かけをされているからだと、私は考えています。


個人でなく、チームで


田岡監督が指示した内容は、交代でもなく、「もっと頑張れ!気合いでいけ!!」という根性論でもありませんでした。

魚住君という自分のチームの主将はもちろん、チームのスタメン全員に裏方に回るように指示したことです。

福田君からすれば「主将やエースの仙道すらも自分のために裏方に徹してくれるのか」という気持ちだっとと推測できます。

「ここまで自分のことを信用してくれる。絶対やってやる!」

これにより、試合前半の主役は完全に福田君でした。

もし交代させていたり、試合には出しながらも精神論で押していたら、福田君はやる気は出ていなかったでしょう。


人に仕事を任せるのは勇気が要ります。

もしミスをすれば、ミスした本人よりも、任せた本人や指導者に責任が及んできます。


任せた人が確実に仕事をするために、周囲の人にどのような指示を出すのか?

そして周囲の人がきちんと理解して、サポートできるのか?


指示の出し方一つで、人をやる気にさせることができます。

逆にやる気を無くさせることもできます。

私も以前働いていた会社では「浅田、お前がもっと頑張れ!」と言われ続けました。

調子が良い時はさらにやる気が出てきますが、ミスしている時や落ち込んでいる時にひたすら私1人に叱咤激励されても、さすがにシンドイだけでした。

こんな時田岡監督のように、周囲の人にも協力を要請してほしかったなと今でも思っています。


コイツは伸ばしたい


このような人がいたら、福田君のように、是非周囲の人にも協力を促して欲しいです。

周囲の人を巻き込むことで、期待の若手を育てるのです。

そうすることで、その人にとっても、チームにとってもプラスに傾いてくるはずです。


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