高級寿司屋の大将が怖くても許される納得理由【書評】
東洋経済の記事を読んだので、アウトプットする。
筆者は、「サービスには提供者側が客を満足させようとするほど、客は満足しなくなる」というジレンマがあると言う。
その理由とは何か。
高級サービスほど、高飛車でも大繁盛している
「お客様に気を配り徹底的に尽くすのがサービス」という常識と、高級サービスは真逆だという。
例えば、ミシュラン三つ星獲得の高級寿司屋。
店主はニコリともせず頑固一徹。店内には緊張感が漂い、世間話ができる雰囲気ではないそうだ。さらに食べ終わるまで値段もわからない。しかも高い。
記事には、店主と客の会話が掲載されているが、「丁寧な接客」とはほど遠い。
他にも、スターバックスの例が掲載されている。スターバックスでは、ドリンクのサイズはSMLではなく、ショート・トール・グランデだ。ショート=Sという補足説明もない。
彼らはなぜわざわざ、サービスを分かりにくくしているのか。
満足させようとすると、満足しない
サービス提供側が「客を喜ばそう」と頑張ると、客は「この人は私を喜ばそうとしている」と受け止める。この瞬間に客と店には上下関係が生まれる。
客の立場は上になり、提供側が下になる。つまり客は、下の立場からのサービスの提供を低く感じてしまうという。
高級寿司屋の店主がニコニコして客を迎え、手厚い接客をしたらよくある当たり前のサービスになる。大枚をはたいても行きたいと思わない。
フレンチやスターバックに意味不明な言葉を散りばめるのも、「我々のサービスはすぐにはわからないほどすごいぞ」と伝えるためなのだという。
サービスは闘い
「サービスとは闘い」だと筆者はいう。
サービス提供者と顧客が新たな価値をともの創り上げる「価値共創」がサービスの本質だという。
本来サービスとは、客に努力と緊張を強いるものだ。しかし、同時に緊張感を伴うサービス特有の居心地のよさもある。
サービス提供者は「客に徹底的に奉仕するべき。顧客の欲求を満たすのがサービスだ」という常識がある。しかしそれは、顧客との価値共創の機会を奪っていることでもある。
あえて分かりにくいメニュー表記をするスターバックスも、頑固一徹無愛想な高級寿司屋も、顧客側はサービスを受けるために努力をしなければいけない。
このように、客とサービス提供者との切磋琢磨の好循環が、本来の高級サービスの本質なのだ。
今日から実践するアクションプラン
必要以上に客に媚びなくていい。
むしろ媚びすぎると、上下関係が崩れる。下の位置からだとサービスの提供の価値が落ちる。
さらに、客との共創機会を奪ってしまう。
自分が提供しているサービスは、「客も努力をする余白があるのか」を念頭において設計したい。
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