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第56回 真のコミュニケーション力、そして人間力とは?パリピに騙されてはいけない…(笑)

 皆さんは、コミュニケーションが上手に取れる、コミュニケーション力が高い人ってどんな人?ときかれたら、どう答えますか。又は、どのような人がコミュニケーション能力が高い人だと考えていますか?

●人見知りをしない人
●フレンドリーな人
●お話好きな人
●明るくて活発な人
などなどでしょうか。

世間一般でコミュニケーション力が高いと言われる人は、アウトプット(出力・発信)をする力に長けている人であると思われがちですね。SNSを利用して上手に自分のコンテンツを宣伝し、販売しているインフルエンサーなどは、コミュニケーション力が高いと思われがちですが、その人の実力が分かるきっかけの一つは、『炎上』が起こった時と、『アンチ』に対する対応の仕方であると私は考えています。

芸能人でもYoutuberでも、『炎上』と『アンチ』に対する対応と問題処理能力の良し悪しによって、その後の人気や信頼度に大きな差が生まれてしまいます。インターネットが普及する前のこの国では、明らかに有名人や著名人と一般人の壁は高かったし、それによって一般人は芸能人に憧れ、尊敬し、手の届かないところに華やかな世界が存在していると思っていましたよね。

もともと、他者を敬うことは日本人の美徳の一つであり、『尊敬』とは日本文化において誇るべき重要な感情の一つと考えられてきましたが、ここに来て今一度考えなければならないのは、『尊敬』を(素直な)感情として捉えてもよいのかということなのです。

実は『尊敬』は私達日本人にとって、道徳的な義務尊敬、又は尊重とごっちゃになっていないかという疑いあり!例えば教師や指導者→呼び名は「先生」となりますが、この人達のことはその関係性において『尊敬』しなくてはならない!という日本人的感情が、「先生」という言葉を聞いた、又は言葉として発した瞬間から働き始めます。

そして、この“日本人的義務的尊敬感情”(笑)は「先生」だけにではなく、有名人にも働くのです。なので有名外国人、いわゆるハリウッドスター、ロックスター、アーティストなどに対して、自分が大ファンではなくても、なんだか偉い人、スゴい人ということで、握手をして、ハグしてもらって(笑)、一緒に写真を撮って、サインしてもらってというステレオタイプな行動をする。

「ファンなんですぅ〜!」
Are you sure???

そしてその有名外国人は、日本人のほとんどが自分の大ファンで『尊敬』してくれていると思っています。そして大切に扱ってくれる、崇拝してくれる、いっぱいいっぱいお金を落としてくれるお得意様(カモ)ともなっているわけです。

だから好きでしょ〜、有名外国人の皆さん、日本及び日本人のこと。そういうミーハーなところがいい感じでワークして、戦後の高度経済成長に繋がったことは事実です。与えられた情報を素直に信じて、真面目に、時には自分を犠牲にして人のために動く。それは確かに素敵なことであった(過去形)かも知れません。

しかしここから、私達が育まなければならないのは、こちら側のコミュニケーション力と人間力だと考えています。コミュニケーション力が高そうで、人間力が高そうな人、アウトプットが上手な人に感情を持っていかれてはいけない。そういう人は派手な演出で、自分が成功者であるということをアピールし、あなたのことを大切に思っている演技(ここが大切)をしてくれます。

私達日本人は、簡単にそういう人に対して“日本人的義務的尊敬感情”のスイッチが入ってしまっているような気がしてならないのです。

以前よくあったのが、知り合い(友達ではない)が私に誰かを紹介してくれる時の一言、
「こ(あ)の人、スゴい人なのよ〜。」

私の心の言葉は、
「何が?」「何で?」
なのです。そして、そういう言葉で私に“スゴい”誰かを紹介してくれる人ほど、その人の中身や内容をあまり知らなかったりします。心ある人は、事前にその人の情報を教えてくれたり、会話の中でさり気なくそれぞれの人となりを挟んで、お互いの理解が深まるように持っていってくれたりします。

これが真のコミュニケーション力・人間力であると私は考えます。アウトプットではなくインプット(入力・投入)が得意であり、「共感」「受容」「傾聴」を自然とできる人が何かを繋ぎ、結び、形にしていける人であると。

パリピ的なインフルエンサー、一方的なアクションと言葉の放射しかしない人ってどうなんでしょう。それもある種のビジネスモデルなのかも知れません。「数撃ちゃ当たる」というやつです。

自分自身の『好き嫌い』と『違和感』を大切に…私の人生の主役は私自身なのですから。
そのために、真のコミュニケーション力と人間力を高めていきたいものですね。