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200X年 -留学編 その1-

今からほんの20年ほど前に今の時代の骨組みが仕上がったと思う。

インターネットがかなり広く普及した。
通信速度はかなりスローだったが…
ガラケーが普及したのもこの頃だ。
高校生にもなれば誰もが自分の電話を携帯していた。
就職氷河期の真っ只中。
日本の未来が目に見えて曇り始めた。

レトロと呼ぶにはまだ早い20年ほど前、僕は高校生だった。
お年玉を貯めて買ったギターと細いシールドを入れたギターケースを背負い田舎道を自転車で駆け巡っていた。
耳にはイヤホン。
当時流行っていたインディーズのメロコアを聴いていた。
音楽再生メディアはもちろんMDプレーヤーだ。
レンタルCD屋でCDを借りてダビングをして各トラックの曲名を手入力していた。
(今思うと不便すぎる時代だ)
娯楽が限られていた田舎でギターという趣味に出会えたのは幸運だったと思う。
ティーンエイジャー特有のヒエラルキーで独自のポジションにいられる気がした。
不良たちにも一目置かれていると勘違いもできた。

音楽にハマればハマるほど気になっていったのは、
エレキギターとロックの故郷アメリカだ。
当時はまだインターネットが今みたいに普及していなかった為、
無知な高校生の情報収集先はテレビか音楽雑誌だった。
ブラウン管の中のLAのダウンタウンや、広大な砂漠をバックにポーズをきめるアーティストの特集ページを見るたびに胸の高鳴りを覚えた。

「自分もここに行ってやる」いつしか本気でそう思うようになった。

これが僕が海外に興味を持ったきっかけだ。

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