【雑誌ベストカー提携企画】本当の自動車技術講座…紙面では伝えきれない 正しい知識< 車体の剛性と、乗心地 & 操安性-Ⅰ>
雑誌ベストカーとの "Relation 企画" による配信「限られたページ数の紙面では伝えきれななかった、正しい知識や情報」を加えて伝えます。 ベストカー編集委員 梅木さんの協力も頂き、「取材の現場を直接 "メカ解説・セミナー"」にして、より解りやすく 正しい技術の解説を伝えます !!
巷に流れている、発信元や信頼が曖昧なネットやSNSなどからの情報による、「知っているつもり…お気に入りの思い込み」ではなく、「正しく理解して、効能まで記憶した信頼の知識を知恵として使う賢さ」が、様々な実践の場で「閃きや、発想の転換」などの力に変わって期待以上の結果を生み出します。
結果は、ごまかしや嘘は認めません !!
《※ 本配信は "水野和敏が斬る!!…紙面では書ききれなかった確かな検証" と交互の配信です》
様々なメディアの雑誌や専門の技術会誌、そして広報や宣伝の資料…あらゆる処で「”車体剛性”とか”ボディ剛性”」という言葉を聞きますが、その中身を確認すると「挨拶言葉や 枕詞 程度に使っている」ケースが殆どで、自動車メーカーの関係者を含めて「本当の意味で、ボディ剛性が解って使い熟している技術」としての説明は殆ど無いと思えます。
R35GT-Rの発表試乗会での試乗後の感想や、メディアで流れた記事などでは「今度のR35GT-Rのモノコックボディは、まるで一つの塊のようだ。この剛性感は凄い!!」と称賛して頂きました。ありがたい事です(^◇^)
しかし、実際に私が開発の中で追いかけた特性は、決して「硬くて変形しないモノコックボディ(車体)」ではなく、モノコックボディを構成している、カーボン素材とアルミ鋳物素材、そして鋼板…「それぞれの材料が持っている、撓み反力特性や素材硬度、そして減衰特性」などを組み合わせて造りだす「均等に変形するようにモードが制御された動きと、最適な反発力を持つモノコックボディ」の開発をしたのです。言い換えれば、変形して動く前提で「良い変形をさせる モノコックボディの開発」をしたのです。
決して、通常 皆さんが口を揃えて言うような「剛性が凄く高くて変形しないモノコックボディ」を作ろうとした訳ではないのです。此処が車体剛性を開発する肝なのです。但し、最適な変形のさせ方は「モノコックボディが変形して撓む動きと、タイヤやサスペンションのランダムな動きの両方が視えて、それをマッチングできる人」にしかできません。それはあたかも、神社仏閣やお城などの建物が 自然の及ぼす災害の負荷に対して「無駄の無い合理的な変形」をさせて、いなしている構造と同じことなのです。これは、負荷がかかった時の撓みを想像できなければ決してできません。
ITツールによる シミュレーションやベンチマークなどの「リピート(再現)エンジニアリング」や、限られたCAD画面の画像に縛られてしまっている、アメリカンシステムに繋げようとする業界の見識者や 政府から推奨される近年のエンジニアの育成像からはどんどん遠のく、昔から引き継がれてきた日本技術の強み「実際の現象とデータに裏付けされた、棟梁や匠の技が持つ感性エンジニアリング領域」だけが実現できる 複雑なモノコック構造を創りだせる技術なのです。
※ 今回は、クルマを通してこのようなこと(IT系のリピートツールと、新たを創る感性技術) を考るきっかけとして、このテーマを解説してみました。
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