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<定期購読マガジン特典映像>    【正しい ワンポイント・メカ解説編-第7回】・冬ガソリンと夏ガソリンは何が違う…?  ・本当にエンジンに厳しい、3~4月の乾燥した空気…! ・その対応法は ?

今回は、エンジンが破損する原因で最もダメージの大きいノッキング(異常燃焼)とその要因についてです。 本当に厳しい要因は「外気温が低くエンジン出力には最適だが、異常に乾燥した湿度の低い空気」で、真夏の酷暑ではありません。 そして、それに対する対処方法なども併せて教えます。
…本当に、正しい知識を知っていますか?

巷に流れているメディアやメーカーの情報では「夏場の暑さは、最もエンジンに厳しい季節」 しかし…
 確かに夏場の外気温度と エアコン用コンプレッサーのフル稼働は、油水温や燃温、そして樹脂&ゴム部品にとって厳しく「熱による劣化」を促進させます。 しかし、これは劣化であり破損とは違います。 そして、ノッキング(異常燃焼)による破損防止の為、クルマの エンジン・コンピュータ(ECM)には ”水温100℃、外気温度35℃” 以上の時や、大きなノッキングを感知した場合には ”点火時期や 空燃比を変えて エンジンを保護する為の 制御回路 ” が組み込まれ、これらの破損防の対策は、殆どのクルマに組み込まれています。しかし実は、これらの対策だけでは落とし穴があるのです。

欧米では、ハイスピード走行や加減速を繰り返す山岳路、更に、高い標高で酸素が薄く、乾燥した空気の高地にある道路などを含め、公道を使ったあらゆる様々な条件で試作車の開発やテストが出来ています。
 しかし、公道を使った開発テストが法律で禁止されている日本では、国産メーカーのエンジン制御関係の開発は、「ベンチ(台上試験)テストや、平坦なテストコース」での開発が主体となっています。 だが、ベンチテストでは、「急激な加減速の繰り返しや、湿度が低く酸素も薄い高地条件」の試験は困難で、テストコースもそのような試験ができるようには作られていません。
カーブや登坂などで2速や3速を使い、急激な負荷を繰り返す山岳路(※)やサーキットなどでのエンジン制御の開発はほとんど実施されていません。
(➪私の担当した車両では、海外の公道やサーキットを使って、エンジン制御の開発を遣りました。が、.これは本当にレアなケースです。)
[ ※ 日本の法律では、型式認定取得以前に、試作車を使って公道で開発テストする事は厳禁で、過去に日産がエンジン関係の確認走行をしてだけで処罰されています ]

 一方、エンジンが破損する原因の中で最も恐ろしいのは、「最大トルク付近3500~4000rpmでの加減速などで発生する、中速域ノッキング(異常燃焼)」で、これは、ベンチテストや海抜の低い場所に平坦なコースで作られているテストコースでは再現できない要因が数多く含まれる不具合です。
 そのため…ベンチとテストコースでの開発しか経験の無い、国産メーカーのエンジニアの大半は「3~4月がエンジン破損に最も厳しい季節」である事を解っていません? 実際に公道を使ってデータを取らなければ、あまりよく解らない事ですから…。

 今回は、
・「ターボエンジンの出力に最適な 10~15℃の外気温度と、乾燥した湿度 20~30%の空気」の組み合わせが、最もノッキング(異常燃焼) が発生し易いのか…? 
・そして、防止する対処の方法は…!
・更に「日本特有に設定されている、冬用のガソリンと 夏用のガソリンの特性と違い」
 
などについて、ジャーナリストの永田恵一さんに皆さんの代表になってもらい、一緒にクルマを観ながら解り易く動画で説明します。

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