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【雑誌ベストカー提携企画】本当の自動車技術講座…紙面では伝えきれない 正しい知識< ドライビングポジションの正しい知識と設定方法 >

雑誌ベストカーとの "Relation 企画" による配信「限られたページ数の紙面では伝えきれななかった、正しい知識や情報」を加えて伝えます

 ベストカー編集委員 梅木さんの協力も頂き、「取材の現場を直接 "メカ解説・セミナー"」として、より解りやすく 正しい技術の解説を伝えます !!
巷に流れている、ネットやSNSなどの発信元や信頼が曖昧な情報による、「知っているつもり…お気に入りの思い込み」ではなく、信頼できる情報で正しく理解することで「ベネフィットは上手く使い、短所がカバーできる」。使い熟せる賢さが、様々な実践の場で「閃きや、発想の転換」などの力に変わって期待以上の結果を生み出します。 結果は、ごまかしや嘘は認めません !!
※ 本配信は "水野和敏が斬る!!…紙面では書ききれなかった確かな検証" と交互の配信です》

今回は、ドライビングポジションの正しい知識と設定方法です。
皆さんはどのようにしてドラポジの設定方法の知識を得ましたか…? 
大抵の人は「教習所で乗車する前に少し教えられた」と答えると思います。
しかし、教習所で習うクルマは通常はセダンですし、実際に皆さんが運転している ミニバンやSUV、スポーツカー等と乗車姿勢とは大きく違っています。疲れるクルマと疲れないクルマ、その違いが何かわかりますか?
今回はそのような部分も含めて、クルマの違いによる正しいドライビングポジションの取り方についてお伝えします。

 「何故正しいドラポジが大切か…? 」それは、クルマは走る事と同時に変化しながら発生する「横方向や 前後方向、そして上下方向からの加速度入力(G)」を、体に受けながら、クルマの運転や操作をするからです。
速いスピードの中で「あらゆる方向の視界の確認やこの先の状況判断」そして、「ハンドルやペダルやシフトなど運転操作系の正しい操作と、 メーターやスイッチ類の視認確認」。更に、「目や肩や首、そして脳神経などの疲労や負荷の低減対策、タイヤのグリップや ハンドル操作の応答性確認、そして予期せぬ緊急事態の回避操作」など、様々なことをしなければいけないのが自動車の運転なのです。
 要約すると、クルマを運転することは「運転姿勢の保持と疲労の軽減、運転操作とその結果の感知と確認、この先の状況の予想と判断」などをする事なのです。
これらを常に正しく、確実に、場合によっては何時間も連続して実行するためには「ドライビングポジション(ドラポジ)」はとても大切な、基本的な要件なのです。 何となく、自己流でやっている人は、「誤操作や状況判断の誤り、そして疲労の蓄積」等の原因を自らつくってしまうことになります。

しかし、それは一つの定形パターンがあるわけではありません。実際には、様々な車型がある為、それぞれに合ったドラポジを決める必要があります。
例えば、座椅子に座ったような「足を前方に投げ出して運転操作をするような」低い姿勢のスポーツカーのようなドラポジもあれば、LCC航空機のシートの様に「座面を極力高くして 足を引き寄せた姿勢で座らせ、 前後方向の長さを最短にして空間効率」を稼いだ、コンパクト・ミニバンのようなドラポジもあります。

私は長年、レーシングカーからSUVまで、様々なクルマのドラポジの計画&設計をやってきました。エンジニアの視点から最近の状況をみると…
年々厳しくなる前面衝突の法規規定に対処させるのは勿論のこと、政府から公開される衝突性能データを良くしながら、安いコストで成立させる為、特にサイズの小さなクルマでは、本来最適なドラポジの配置よりも「ハンドルから人間の頭の位置までを離して(遠くして)、衝突時の衝撃緩和距離を長くした」設計がされています。
 言い換えれば、特にコンパクトカー以下の殆どの小さなクルマ(特に軽自動)は、衝突性能の結果とコストを安くするために、必ずしも最適なドラポジにはなっていないという事です。 ですから、自然に「ハンドルにしがみ付いて運転」しているようなケースになっている場合も多く見られるのです。
(「水野和敏が斬る!!」の中でも、そのようなクルマは解説していますが…)

 従って、正しいドラポジのとり方を知って、クルマを選ぶ時にも検証して賢く選定する事が大事です。そして、必ずしも「ベストなドラポジでないクルマ」を使う時には、正しいドラポジのエッセンスを解った上で、上手く補正して使い熟しましょう。
 実はクルマは、ドラポジの取り方で「疲れ方や運転操作のし易さ、そして安全性は全く違う」のです。
皆さんは、普段あまり比較する機会が無いのでやむ負えないのですが…。

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