柏キャンパスに気をつけろ!?プロジェクトNガチ勢に迫る!特別インタビュー
はじめに
全国の教員が「何者?」と話す、プロNガチ勢
こちらの画像は、先日行われた農水省コラボ授業の中継発表の様子です。この柏キャンパスの高橋さんは、N高通学コースで知る人ぞ知る有名人。全国中継発表の常連である為「あの金髪の生徒は何者?」と質問する人もいます(常に金髪であるとは限りませんが)。
ちなみに、プロジェクトNのtwitterバナーやGoodDesign賞受賞の画像に映っているのも(偶然)高橋さんです。この生徒は何者なのか?
高橋さんは、とにかく学校生活もプロジェクトNも、全力で楽しんでいる生徒。全国有数のプロジェクトN ガチ勢。「プロN対策」と聞いても理解し難いかもしれませんが、最近では、授業制作者の想像を超え、なんと他キャンパスと連携してプロジェクトN対策まで行っています!そして、N高が楽しくて、「ネット→通学週1→通学週3」と、コースをどんどん変えていった生徒です。N高に転編入して、将来の進路を見つけ出した生徒でもあります。
今回のインタビューは、学校生活を楽しみ、将来への学びや道筋を深めるヒントになるのでは?そんな思いを込めて、聞きました。
柏キャンパスに気をつけろ!?企業賞獲得常連
柏キャンパスはプロジェクトNで多数の企業賞を受賞しています。「柏キャンパスに気をつけろ」というリスペクトを兼ねた不思議な言葉があるくらいです(一部のキャンパスのみ。どう気をつけるのかは謎)。果たしてどのようにプロジェクトに取り組んでいたのか?
では、本題のインタビュー開始!
インタビュー対象:高橋さん
聞き手・カメラ:プロジェクトN担当 喜安
スペシャルサンクス:若山キャンパス長
※このインタビューは11月中旬に実施しました。エコプロに向けて中間発表が終わった段階です。未来予告のような発言が飛び出します。
-まずは自己紹介をお願いします。ご自身の活動も教えてください。
高橋:えッ!私一人にインタビューするのですかっ?しかも、こういう日に限って地味な服を…。
補足:他のキャンパスのnoteインタビューは複数名だった為の反応
高橋:柏キャンパスのALです。服飾の進路に進むので、そのAO入試に向けて動いていました。具体的には、チャイナドレスを和服のリメイクで制作していました。
将来は舞台衣装を作る仕事に携わりたいです。グループ制作の仕事なので、プロジェクトNでは「グループで協力していける力」を身につけたいなと。国際的に活躍したいので、英語や、そのためにデザイナーの力を磨いています。入試が終わったので、これからは、英語を中心に勉強。色彩検定も勉強しています!
補足: インタビューの少し前に志望校合格!面接ではプロジェクトNのことばかり聞かれたようです。
N高へ転校。楽しくてどんどんコースを変えた
-そもそもN高に入ったきっかけは何だったのでしょう?
高橋:もともと全日制の高校に通っていて、そこでは勉強詰めの毎日でした。体調不良で2週間くらい休んで。いざ学校に戻ったら、もうついていけない状態で、鬱になっちゃって。1年留年した後に、N高というのを見つけて。「自由に通えるし、もし慣れてきたら通学コースもありかな」と思って、N高に決めました。
-ネットコースから通学コースに変更したきっかけは?
高橋:ネットコース1年生の時のスクーリングです。もともと学校自体が小・中・高と本当に大っ嫌いで。ですけどスクーリングの時に、友達と話すのが凄く楽しくて。先生たちも丁寧でしたし。そこで、柏に新しいキャンパスができるのなら、行ってみようと思いました。
-通学コースで通ってみていかがでした?
高橋:週1で初め通っていたのですけど、物足りなくなって、週3か週5コースに行きたいと思うようになりました。実際週3コース生になってからも、親からは「まさか、学校に行きたいなんて言葉がでるなんて思っていなかった」と言われます(笑)。休みの日も学校行きたいと思うくらい、学校生活楽しんでいます。本っっっ当に楽しいです。巡り会えて良かったなと思っています。
先生たちが促してくれた「やりたいこと」の発見
-進路はどこで考えるようになったのですか?
高橋:先生方に話を聞いてもらったのが大きいです。先生方は本当に肯定してくれるので。先生たちの話で自分を見つめ直す…。できなくても、なんでできないのだろうと、自分で話して納得する。カウンセリングに近いような。前の学校は、本当にそういう時間はなかったので。「勉強して大学にいかないと意味がない」と当時は考えていました。
-先生たちとどんな話をしたのですか?
高橋:最初は趣味みたいな話でした。姉が(自身の志望大学となる大学と)同じ大学を出ていて。そのことを踏まえて、大学生がやっているファッショショーの動画をみて。自分が、衣装の早着替えとかの動画を結構みていることがわかって、「自分では気づいていなかったかもしれないけど、自分は衣装が好きなのかもしれない」と。そこで先生に相談したら快くプッシュしてくれて。先生方が本当に話を聞いてくれるので。それで自分に自信がついて、この進路もアリだなと思い始めました。先生と話しているから、今の自分がいる。本当に柏キャンパス来て良かったと思っています。
視野が広がるプロジェクトNが楽しい!
-コース変更するほど学校が楽しいのは何故ですか?
まず、プロジェクトNですね。お世辞ではなくてプロジェクトNが楽しくて。プロジェクトNは、普段聞いたことがないものを教えてもらえます。SDGsも知らなかったし、(今実施しているプロジェクトとの)農業遺産なんてもっと知らなかったです。それを通して、視野を広げることができる。企画の大事さを知れます。
最近だと、ちょっとした農業のニュースを聞いても「ああ、こういうアイデアでこの企画は成功したんだ」と意識して考えるようになりました。常に、どこにでも勉強する機会が広がっているな、プロNを始めて考えるようになりました。本当にプロジェクトNが楽しみで学校に通っています。
池袋キャンパスとも連携!?プロジェクトNで繋がるもの
高橋:プロジェクトNは協力してできるので、プロNを通じて繋がった友達も結構いる。それも魅力ですね。(全国中継で顔が出るので)知らない人に声かけられることもあって。その流れで、今は池袋キャンパスの仲間とプロジェクトNの対策をしています!
-え!? 別のキャンパスと?
高橋:前回の高架下プロジェクト(スマート×ストリート プロジェクト)の時にスクーリングで一緒で、「中間発表で発表していましたよね」と声をかけられて。そこから仲良くなって、LINE交換して。
高橋:「今どんな感じ?」「もう煮詰まっているよ…」「どうやっている?」と。お互いのチームのスライド見てフィードバックしあったりとかしています!…池袋キャンパスとは、最近ずっとやりとりしています。柏キャンパス内でも他のチームのを見せ合って、フィードバックをしています。
-そんなことをしているとは。。。授業設計をした身として想定外。。。
補足:後日、確かに高橋さんが池袋キャンパスのスライドにアクセスしている様子を、授業制作担当が目撃!
個人ではなく、仲間の力。
-全国の教員・生徒が「なぜ高橋さんが関わる作品は優秀なのか(企業賞をもらえるなど)」と知りたがっています。理由は?
高橋:本当にチームメンバーのおかげですね。個人じゃなくてチームだなと。チームだからこその問題もあるのですけど。
-多分他のキャンパスの皆さんには納得してもらえないので、もう少し掘り下げて教えてください(笑)
高橋:私自身自覚しているのが、デジタル面が弱いのですよ。できることはプレゼンとか。それをチームメンバーの技術力でサポートしてもらって、アイデアを形にしてもらって、説得力を増すようにしてもらって。私自身が出せるアイデアは、平々凡々か、ぶっとんだものしか出せなくて。だからメンバーに「それ課題があるよね」とか訂正してもらって。資料制作も協力して・・・(他の仲間は)絵が描けたりAdobeとか使える方が強い。その分、私はプレゼンの方で頑張りたいなと思って、やるようにしているのですけど。
-デザインも高橋さんが得意なのかと思っていました
高橋:デザインは好きで、色彩検定もやっているし、それはスライドで少しずつ活かせるようになっているかな。柏キャンパスだと、Mちゃんは凄い。表に出るわけではないのだけれど。Adobeも最近始めてAfterEffectで動画を作ったり。スライドのまとめ方が凄い上手。今年から入った人だと、Nちゃんは、フォント作ったりしていて凄い。挙げたらキリがないですけど。
難航した作品ほど賞をとる?SDGsグッズ制作の思考過程
-実際に印象に残ったプロジェクトは?
高橋:まぁすふるです(SDGsグッズ制作プロジェクト)。 賞を獲った時は勿論ですけど、まさか、企業さんを通じてここまで商品化されるとは思わなかったので。
高橋:試作品も自分で作ったので。それが会社にお願いして、ちゃんとに形になること。とても嬉しかったです!
-先ほど、受賞したプロジェクトは難航したものという話がありました。このプロジェクトでは、どんなプロセスがありましたか?
高橋:このプロジェクトでは「4番の質の高い教育をみんなに」というSDGsの目標を選びました。初めはパズル。…平面のパズルだったんですよ。それが今の形になったのが、発表のラスト1-2週間。
話していて唐突に「一面だけじゃつまらない。」と言う話になり。「え!? ブロックになれば良くない?」「積木だと痛いから布製にしたらどうなの…」と。でも、類似商品を調べたら「既にあるじゃん!」と、絶望して。数字で書かれたブロックは既にあって。そこに若山先生からのアドバイスがきて「その類似品の課題点を洗い出してそれを解決するものにしよう」と。それを踏まえて、「じゃあ、計算やしりとりが学べる物にしよう」と、パッとまとまりました。そこからは作ったり、企画書にまとめたり。
そんな感じで、賞をとったのは、本当に難航したプロジェクトでした。
進行中の『農業遺産のミライ』プロジェクトも難航中
-では他に難航したプロジェクトのエピソードがあれば
高橋:現在取り組んでいるプロジェクトでも良いですか?農業遺産プロジェクトはまだ中間発表しかできていないのですが、それも今、難航していて。
チームで選んだテーマは「新潟の錦鯉」。「6次産業化なんて厳しい」「お米で棚田は、量が少ない。アピールしづらい」。まだ中間発表ですが、情報をとりあえず集めるというのを凄いやって。
▼中間発表スライドより
高橋:どの企画も共通するのは、賞を獲得したものは凄く調べています。その上でまとめ直す。そして企画に一貫性があること。良いところ取りで見返したら、まとまっていないのはダメで。
高橋:先日、中間発表会ではフィードバックの時間に「一貫性がある」と褒めてもらって。でも実際は発表の1-2日前までできていなくて(笑)。未だに難航しているんですけど(笑)賞を獲ったものは、難航しつつも「ハッ!」として良いもの思いついたら、先生方にフィードバックしてもらうのを繰り返してる気がします。その際、ブレないのが大事かな。
大事なことは自分の言葉でメモして共有していく
-その「ブレない為のコツ」は何でしょう?
高橋:今回のプロジェクトはお題の縛りも幅も広い。なので、プロジェクト概要(お題やルール)をチーム全員が見れる形でまとめ直して。ドキュメントでグループ共通のメモを用意しています。
▼実際のメモをまとめたグーグルドキュメント
そこでは、「そもそも6次産業化って何!?」「目的は⁉️」などを載せています。わからないことは調べて、まとめ直しています。
▼後ほどスライド配布されるにも関わらず、思わずスマホで、画面に映されたプロジェクトのルールを撮影する柏キャンパスの皆さん
-チーム用のメモで見失わないようにしておくのですね。
高橋:評価ポイントも載せておきます。講演会のメモも。定期的に見返すように。そうでないと、評価基準から漏れちゃったり、ズレちゃったりします。
高橋:今回のプロジェクトは本当にわからない用語が多くて。メルカリとのプロジェクトの時は「なあなあ」になってしまい痛い思い出なので。今回はとりあえずメモ!わかりやすい、自分なりに解釈したプロジェクト概要を用意しています。
補足: メルカリのプロジェクトで全国代表に選ばれなかったことで、反省点を洗い出したようです
-プロジェクトの概要は既にスライドにあるのに、あえて自分なりに解釈するのは興味深いですね。そして、講演のメモ。柏キャンパスのAL全員にslackにも投げていますよね?
高橋:はい!(他のチーム含めて)全体で共有して良い物を作りたいと思うので。
常にアンテナをはって、プロジェクトNに繋げる!?
高橋:あとは情報収集。情報を集めていくと関係ない物でも繋がるのですよね。今、プロジェクトで錦鯉について調べていて、インスタグラムのおすすめが錦鯉だらけなんですよね(笑)。流石に、息抜きしないとヤバイなと。今、錦鯉に取り憑かれていて。「買いたいな」と思うくらいで。安い鯉を買いたい。本当は(笑)
街を歩いていても「あの店の内装は若者向けではないな?」とかデザインのことを意識してお店を見たり・・・。常にアンテナを貼るようにしています。プロNに毒されているじゃないですけれども(笑)
例の池袋の生徒とプロNのことを相談し合っているのですが、電通さんの今までの作品や富士フイルムさんの製品やWEBサイトをみて、「この発想すごいよね!」とか言いながら、企画に行き詰まったら別のことで視野を広げてみたりしています。
驚きの補足:このインタビュー時点で高橋さんは知らないのですが、12月に広告に挑戦する授業を実施(電通さんもゲスト予定)。「関係ないものも繋がる」とはこのこと?
プロジェクトNで成長すること
-賞をもらうことが多くて、もともとスキルがあったのでは?とも思えてしまうのですが、プロジェクトNで成長したことは?
高橋:いっぱいある…(↑)。まず「やり抜く力」が一杯ついたなと。今までは制作で行き詰まったら、放り出して完成まで近づけなかったりとか。なあなあになっていました。次に、追い込む力はついたかなと思いますね。今までは、追い込む力以前に、スケジュールに通り進まなかったら、全部嫌になっていたので。それが最後までできるようになった。満遍なくスケジュールを組めるようになった。さらに、物の見方が変わった。…社会の見方が凄く変わりました。昨日、つくばの方でSDGsのバスの広告を見たのですが。「ああ、こう言う広告方法があるんだ」と。何でも身近なものに感じるようになりましたね。関係ないものから共通点をを探してして転用するようになって。良いなと思ったことは、メモするなりストックするなりアイデアを溜める意識は高まりました。
-特に成長になったプロジェクトは?
高橋:賞は獲ってはいないですけど、メルカリのプロジェクトです。デジタルの視野が広がりました。今までは実現性を意識したプロジェクトが多かったですけど、20年後の未来を考えるという…「予測」するということなので。自分に足りないものを再確認できた。そう言う意味で勉強になりました。
-プロジェクトNは誰に薦めますか?
高橋:やること決まっていない人は全員やってほしい。あと成長したい人。自分に自信がない人にもやってほしいです。
プロNをやっていくと、自分に自信がなくても「これちょっと得意かも」「挑戦してみよう」と思えるようになるので。自信つけたいけど、どうしたら良いかわからない人にオススメします。プロNは自己肯定感が上がります。フィードバックでボロボロに言われて沈んじゃったりするので、メンタル強くなります。なので、やること決まっていない人は全員やってほしい。
-プロジェクトNに期待することは?
高橋:以前より規模が大きくなっているなと思っていて。農業全般って広い。毎度毎度「そこからくるか!」というお題が。これからは、「どんな課題が課せられるのだろう」と楽しみではあります。なんていうか・・・難しいから楽しむと言うか。
いつも予想しないテーマ。SDGs なんて知らなかったし、ライフデザインなんて本当に知らない!「農業って何 !?」と。どういうものでも、意識するきっかけになります。だから何にでもアンテナ貼っておこうと思いますね。柔軟に世界を見れるようなプロジェクトばかりなので、それは今後も是非ともお願いしたいなと!
インタビュー後記
そんな高橋さんのチームは、エコプロ・オンラインブースの発表で企業特別賞を受賞!自分のチームより、池袋キャンパスのチーム(たち)が受賞するべきだと思っていたみたいだけれども。後日訪れた時に、該当チームが「何が良くて何が惜しかったのか」を伝えたところ、物凄く腑に落ちたようで、私に断りを入れた上で、早速池袋キャンパスへ連絡していました。これがN高か…!
インタビュー者としては、プロジェクトNに本気で楽しんで学んでいるだけでなく、N高でやりたいことを見つけたことも、嬉しかったですし、身が引き締まりました。引き続き、視野が広がる授業制作を行っていきます。
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