研究論文は質なのか量なのか?
はじめに
注目の科学論文数という記事が公開されました。これについて、理学療法学の研究者の視点から試験を述べたいと思います。
本邦の理学療法研究では圧倒的に日本語論文が多い
日本の理学療法士は、症例報告や臨床研究などを学会発表することが多く、その後に学術誌に症例報告や論文を投稿することがあります。そのほとんどは、日本語で書かれています。そのため、日本語の研究論文が引用しづらい状況にあります。私自身は新人理学療法士の頃、英語論文を執筆できる人が優秀であると思い込んでいました。ただし、英語論文を読む様になり、執筆する様になり、査読する様になってくると、それらが違うということに気づきました。そして、素晴らしい論文が日本語で執筆されていることを認識しました。
これからは、語学力よりも研究力を磨くべきだ
理学療法の臨床を行いながら臨床研究に取り組もうとするとき、語学力と研究力の両方を磨き上げることは理想的であります。ただし、全員が両方を磨き上げなければならないとは思いません。研究に興味があって、臨床的疑問を解決したい。でも、語学は苦手だ。そんなことがあっても良いと思います。 ただし、臨床的疑問を解決するための科学的手続きが脆弱な研究は、日本語であっても英語であっても望ましくありません。最優先事項は、研究計画力です。語学が苦手な方は、優れた研究計画を作成し、自信を持って日本語で研究論文を執筆してほしいと考えます。いずれにせよ、日本語の研究論文も英語で閲覧できる時代にこれから変化していきますので、語学に注目しすぎることより、研究計画に注目したいと思います。
優れた研究計画とは
臨床的疑問が整理されている
臨床的疑問と整合性ある研究疑問が設定されている
適切な研究目的が設定されている
適切な対象が設定されている
適切な研究デザインが選択されている
適切な計測方法を網羅的に選択している
臨床家はどこから学べきなのか?
私がお勧めするのは、6 適切な計測方法を網羅的に選択するという点から勉強をされると良いと思います。 理学療法学研究の質を改善したい方は、COSMINを参照してください。
まとめ
私の私見は、 優れた研究計画は、語学力を超えるという話でした。良い研究計画の作成を頑張っていきましょう。 それではまた!