Professor F

40歳大学院研究科長・教授, 海外大学客員教授.

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マガジン

  • 優れた研究(者)を目指す方のために

    昨今、大学院進学者は増加しており、博士号取得者が研究者のポジションを得るための競争が激化しています。また、大学院教員や大学教員を目指すために、どのような準備をすればよいか、また、どのように研究と向き合うことがより良いのか、これらの情報を得ることは非常に困難であります。そこで、私の私見をマガジンとしてまとめます。皆さんのキャリア形成の参考になれば、幸いです。

最近の記事

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研究者を目指している方のために(1)

はじめに  学会シーズン終盤になりましたね。学会発表を行った方は、研究論文を執筆するべきか考えているのではないでしょうか。本日は、研究者の立場から研究者について私見を述べていきます。 研究者になるための準備  研究者になるためには、どの様な準備が必要になるのでしょうか?例えば、自動車の運転ができる様になるために教習所に通い、試験を受けて、運転免許証を取得します。同様に研究者になるために、練習、試験、修了といった過程が必要になります。研究者になるための練習・試験・修了と

    • 大学教員採用試験に向けたチョークトークの準備方法

      Chalk Talk(チョークトーク)とは チョークトークとは、プレゼンテーションするためにパワーポイントなどを使用せずに、志望動機、教育・研究課題を議論することです。 面接が開始されてから、「志望動機・キャリア形成」、「教育課題」、「研究課題」等のテーマで説明を求められます。「話す」「聴衆の反応を見る」「ボディーランゲージする」「即興でイラストを描く」などして、即効でトーク成立を目指します。 自分自身の歩や考えを説明するだけでは、面接官とつながり、情熱を伝え、魅力的だと

      ¥333
      • 大学教員採用試験における評価項目?について

        はじめに 11月、次年度の大学教員採用に向けて面談を実施しています。応募者が多い状況は、人事選考を進めるにあたり大変ありがたく感じているところであります。そこで、本日は大学教員の採用試験で評価されるであろう項目について、私見を述べさせていただきます。 評価項目 教育とメンタリング:教育経験や哲学を把握するために、応募者の教育スタイル、経験、学生を学習に参加させる能力を評価します。また、応募者が、どの授業を担当できるのか、どの学年を担当できるのか、どの委員会を担当できる

        • 30代大学教授から40代大学教授へ

          はじめに  誕生日を迎え、30代大学教授にお別れをして、40代大学教授になりました。私の30代アカデミックキャリアを整理して、40代を前向きに少したいと思います。 私の30代アカデミックキャリア  博士号を取得してから、大学制度・大学人について学び始め、文部科学省を訪問して勉強することがアカデミックキャリアのスタートでした。34歳で学部長補佐になり、"30歳年上教授の部下を持つ”というところからアカデミック・マネジメントのキャリアが開始しました。これ以降、“芯の強さ”と

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        研究者を目指している方のために(1)

        マガジン

        • 優れた研究(者)を目指す方のために
          7本

        記事

          30代大学教授のつぶやき

          はじめに 10月初旬になってしまったと感じてしまう生活をしています。9月を振り返り、これからのスケジュールを確認し、つぶやかせてください。 9月を箇条書きで振り返る 学部生を対象にした講義(9月初旬から開始) 大学院生を対象にした研究指導 学生の短期留学派遣と受け入れの御礼、今後の継続連携の相談 海外渡航して、2カ国で講演、海外大学学長との面談、海外大学カリキュラムの確認 後期入学した大学院と研究計画立案 海外大学教員招聘するFD企画の提案・交渉 次年度、

          30代大学教授のつぶやき

          研究者を目指している方のために(5)

          はじめに 生成AIの誕生により、レポート作成に生成AIを使用して良いのかと議論されていましたね。今では、社会人は生成AIを使う。だから、学生に生成AIを使うなと言わず、生成AIを併せてより賢くなるように批判的思考力を高めよ、教育現場では学生が生成AIを使用してくることを前提に評価方法を進化せよということでひと段落したかと思います。つまり、教育方法の普遍性よりも社会の変化に対応することが重要であるという意見です。これは、コンピテンシーを求めた教育の幕開けです。そこで、次世代

          研究者を目指している方のために(5)

          研究者を目指している方のために(4)

          はじめに 30代で准教授になることが稀である学術の世界、30代の教授はもっと稀な存在です。そこで、本日は30代で教授になるために実践したことについて共有をすることで、これから研究者になる方のキャリア構築に役立つことを願いいます。 研究者になるために 研究者になるまでの歩みは、以前の原稿で紹介させていただきましたので、時間がありましたら読んでいただけると幸いです。 教授になるために実践したこと 私自身、教授になりたいと考えて戦略的に実行したことは何一つ存在しません。

          研究者を目指している方のために(4)

          研究者を目指している方のために(3)

          はじめに 本日は、研究者を目指している方がなかなか知る機会が無い、研究者の研究発達ステップについての私見を紹介します。原著論文が執筆できる様になった、博士号の学位を取得したと言うだけでは、足りないと言う話しです。 自律した研究者になるために 学部生の頃から卒業研究を始め、大学院修士課程に進学して研究の概要を学び、博士課程に進学して原著論文の執筆、国際学会発表、博士論文の執筆、学位審査を経験して博士号🎓を取得した時の達成感は忘れることができません。 これらの過程は、研究

          研究者を目指している方のために(3)

          国際学会の参加は思っているよりも簡単に参加できる

          はじめに 理学療法士の方であれば、2025年 世界理学療法連盟の学会が東京で開催されることをご存知かと思います。それとは別に、世界理学療法連盟では地域別の学会を定期的に開催しています。今年、2024年は9月末にインドネシアでAsia Western Pacific Region Congress(AWP)が開催されます。世界理学療法連盟公認の学会ですので、それなりの質が担保され、かつ、アジア西太平洋で開催されるので旅費も抑えられますので、注目する学会の一つです。 演題発

          国際学会の参加は思っているよりも簡単に参加できる

          なかなか講演・執筆依頼が届かない研究者へ

          はじめに 2024 夏季休暇シーズン真っ只中、世間的にはリフレッシュ期間ですが、この期間を活用して、依頼を受けた講演や執筆を行なっております。今回は、研究・学位取得・論文投稿をしているが、なかなか講演依頼が来ないとぼやきたい方に私見を共有させていただきます。 講演や執筆原稿の役割とは 研究活動を実践している方であれば、学会における特別講演、教育講演、セミナー等の講師を引き受けてみたい、講師の打診を受けたいと思うことがあるのではないでしょうか。少なくとも私はそう思ってい

          なかなか講演・執筆依頼が届かない研究者へ

          研究論文は質なのか量なのか?

          はじめに 注目の科学論文数という記事が公開されました。これについて、理学療法学の研究者の視点から試験を述べたいと思います。 本邦の理学療法研究では圧倒的に日本語論文が多い 日本の理学療法士は、症例報告や臨床研究などを学会発表することが多く、その後に学術誌に症例報告や論文を投稿することがあります。そのほとんどは、日本語で書かれています。そのため、日本語の研究論文が引用しづらい状況にあります。私自身は新人理学療法士の頃、英語論文を執筆できる人が優秀であると思い込んでいまし

          研究論文は質なのか量なのか?

          博士人材活躍プランに注目中

          はじめに 本日は、文科省の博士人材活躍プランに大学院教授が注目している理由を短く共有します。 博士人材活躍プランとは 文部科学省が令和6年3月26日に打ち出した博士号の取得者を増やし、博士号取得者の就職率を改善し、人口100万人あたりの博士号取得者数を世界トップレベルに引き上げることを目標に様々な取り組みを実施するというものです。 注目ポイント リハビリテーション専門職(理学療法士)で大学院教授の私は、博士人材活躍プランの資料に、注目しています。「労働生産性(USD

          博士人材活躍プランに注目中

          大学教員をはじめる方のために(1)傾聴・協調

          #仕事のコツ はじめに 大学教員の仕事はやり甲斐があります。そして、大学教員はある程度の裁量があります。ただし、大学教員を始めたばかりの方は、その裁量についての解釈を誤る事例を見てきました。当事者は、口を揃えて“新人なので何もわからなくて”とおっしゃいますが、そのうち2割から3割の方は試用期間(3ヶ月)を終えても、その発言を繰り返します(笑)。それが1年続くと、同僚から孤立し始めることがありますので、大学教員マナーの「傾聴と協調」について述べることにしました。 自律心

          大学教員をはじめる方のために(1)傾聴・協調

          いまいち研究活動に向き合えない方へ(2)

          はじめに 私は、3月中旬を過ぎて次年度の準備に追われています。○○報告書、〇〇計画書、シラバスの作成、授業資料の作成、大学院指導計画書の作成に加えて、研究の相談を受ける、投稿論文の指導をする、戦略的思考をデモンストレーションするなど、研究に関わる活動を実施しています。 本来であれば、Noteに執筆することよりも、論文を執筆したり、身体をリフレッシュすることに割り当てるべきですが、22時10分、研究成果の活かし方について執筆したい気持ちになりましたので、ウイスキーを飲みなが

          いまいち研究活動に向き合えない方へ(2)

          いまいち研究活動に向き合えない方へ(1)

          はじめに Noteの更新を2ヶ月間さぼってしまいました。言い訳になりますが、仕事で海外に出ておりました。渡航前は、滞在先のホテルでNoteを毎日更新しようと意気込んでいましたが、いざ滞在してみると更新0、自由気ままな私です。とは言え、今回の渡航でも沢山学びました。研究に対する意気込みはあるがなかなか行動に移すことが出来ない人は、日本でも諸外国でも共通する理由があると気づいたので、それについて私見を共有したくなりましたので、しばらくぶりの更新をします。 いまいち研究活動に

          いまいち研究活動に向き合えない方へ(1)

          研究者を目指している方のために(2)

          はじめに  私は病院で働きながら大学院で学び、運良くして教育・研究職のポジションを獲得することができましたが、最近では大学院進学率が上昇しており、教育・研究職のポジションを獲得することが難しくなりつつあります。また、私が人事選考を担当してみると、応募者が教育・研究職に求められる専門性を把握しないまま応募していると感じることがあります。当然のことですが、博士課程で学ばれているときや研究員生活をすごしているときには、それぞれの課題に夢中になる訳ですから、大学の教育・研究職に求

          研究者を目指している方のために(2)