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現役教授が語る 理学療法士こそ社会人大学院を活用したリカレント教育がオススメ!

 結論から言います、諸外国では高確率で理学療法士が大学院を修了しています。もはや、大学院終了が当たり前の国も存在します。そう、理学療法士の国際水準は、大学院修了水準です。 あなたの限られた学習時間を社会人大学院に割り当てて、理学療法学の考え方を国際水準にレベルアップしてみませんか。


諸外国と本邦における理学療法の価値観等の違い

 結論から言います。理学療法の社会的地位、理学療法の過程、臨床研究の活用方法等があなたが想像している以上に諸外国と本邦で違います。 えっ、あの国の理学療法、レベル高いの? なんて驚かされます。やはり、その国を訪問して、保険制度を学び、理学療法士養成教育システムを学び、臨床現場を見学し、団体役員と意見交換し、特別講義の中での意見交換を実践してみないと気づけません。つまり、多くの理学療法士はそのような機会がありませんので、「比較できない状態」にあります。 比較することができない状況で、リカレント教育と言われても、一生懸命臨床を実践している理学療法士にとっては、そんなメリットあるの? 大学院は興味が無いから・・・と言って、簡単に切り捨てられてしまうのが現状かと思います。
 もったいない!  なぜかというと、大学院の指導教員になる理学療法士は、国際学会の役員、国際学会の審査員、国際学会の企画、国際学会発表、国際学術誌への論文掲載など、国際的な視野と教養および専門性がある方々です。職場内では、ほとんど出会うことが無い経験があるのが大学院教員です。 意見交換してみてください。何が違うのか、気づくことができるはずです。

国際的な視野を面白く感じるのはなぜか?

 結論から言います。諸外国の方が理学療法の歴史が長く、本邦の理学療法が経験したことが無い荒波を潜り抜け、理学療法士の社会的地位を確立した国、理学療法士の専門分野を確立した国があるということを知るだけで、本邦もそのようになって欲しい、そのように成りたい、まずは自分からそのように成るという気持ちにさせてくれるからです。 はっきり申し上げます。国際学会発表経験がある、国際学術誌に論文掲載経験がある、そんなんでは国際的な視野を身につけることは出来ません。

  • その国が求める理学療法士像(レベル)は、その国の教育制度を見ればわかる

  • その国のコンピテンシーは、理学療法専門分野の分け方を見ればわかる

  • 諸外国の情報を得ることで、比較しながら学ぶことができる

  • 諸外国も成功と失敗を繰り返しているので、失敗を恐れないようになる

  • 何から挑戦したいか、具体例を参考にして歩む道筋を想像することができる

  • 将来の成長率には、語学力より、人間力が貢献することに気づくことができる

国際水準の専門分野は、難易度MAX、学びがいMAX

 諸外国を見てみても、各国の事情や理学療法誕生の歴史等から理学療法における専門分野の設置が異なります。本邦の理学療法専門分野においても、専門理学療法士の誕生、認定理学療法士の誕生などがありました。私が新人理学療法士の頃は、専門理学療法士の取得率を見て特別感を感じて、将来はそれを取得したいと考えていました。旧制度の話ですが、講習会の受講、論文執筆、学位取得、学会発表等を相当意気込んでおりました。ざっと、◎◎◎◎ポイント取得した頃でしょうか、さてどの分野の専門を取得するか考えました。「何を取得したいか」ということでの選択よりも「何を取得できるか」というやや後ろ向きな意見で専門分野を眺めるように成りました。
 あれから8年、専門の取得方法が変更になり、”何を取得したら自分は満足か?”ということを考えるようになりました。そして、自分がたどり着いた意見は、「自分自身の専門分野が確立したと言えるのであれば、国際的にも通用しなければ辻褄が合わないのではないか」ということです。ここでの国際的という意味は、複数の国でという意味合いを含みます。つまり、特定の諸外国だけで通用するということは、国際的にも通用しているとは言えないという考えです。シンプルなイメージとしては、諸外国の理学療法士協会から招聘されて特別講演やワークショップをつとめあげることです。これは難易度MAXに位置し、国際学会発表の多さ、国際学術誌掲載論文数を競うことよりも難しい。
 ただし、本邦にある専門分野で国際水準では存在していない専門分野には、要注意です。国際水準の比較ができないからです。国際水準の理学療法を誰もが本邦で受けることができるようになったら良いなと思う私は、「都会でも、田舎でも理学療法を受けに来た方に国際水準のサービスを提供する志」を大事していきます。

社会人大学院で国際水準を見てみよう

 本邦の理学療法士養成教育では、国際水準を学ぶ機会が非常に乏しい実情があります。意欲的な活動している所でさえ、4年間のうち一月を留学して学ぶことぐらいです。教員の半数が諸外国の理学療法士という環境でないということです。したがって、国際水準の意識付けが弱いので、国際水準を知らない理学療法士が比較的多いのではないかと考えています。
 ですが、安心してください。社会人大学院では、国際水準を知らない理学療法士の方が準備をして国際水準にふれる一歩を動かすことができる学習環境があります。私の大学院指導の経験という狭い話になりますが、社会人大学院で学んだ理学療法士のほとんどは、国際水準を意識し、非常に興味を持って、意欲的に学修する傾向があり、勤務施設での評判も上昇する傾向です。したがって、最大の障壁は、社会人大学院を受験しようと一歩踏み出せるかどうかということになります。

まとめ

 新人理学療法士が定年する時点までを考えれば、40年以上の期間を理学療法士として働くことになります。また、1日8時間働くということで考えると、1日の約30%の時間を働くことに使用しています。
 さあ、これらの期間・時間、あなたはどの様な水準であれば、満足しますか?定年退職の前にどの水準であれば、満足しますか?
 大人のリカレント教育は、あなたが満足した時点で止めることができる。あなたが今、満足していなければリカレント教育を開始するチャンスです。国際水準またはそれ以上に到達することを楽しみに、社会人大学院を活用ください。

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