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弁護士のメンタル不調

はじめに

法曹向けメンタルヘルスケアサポートを行っているAmiです。「裁判所に行く期日がやってきた。それなのに腰が重い。行けない・・・」なんて経験はありませんか?今回はそんな先生に寄り添う記事です。

事例

もともとあがり症な私。その上、前回の証人尋問で大ミスをしてしまった。今回の証人尋問は前回以上に準備をしたけれども、あがり症は変わらないし、前回のミスが頭にちらつく。しかも、相手方代理人が有名な弁護士。また、証人尋問でミスをしたらどうしようと思うと、裁判所に行くのに腰がとても重い。

Q1.どうしてストレスになるのか?

A1.緊張が増幅しているから。

あがり症というもともとの気質や性格に加え、前回の失敗で緊張が増幅し継続するからです。

Q2.どんなストレス反応が出るか?

A2.「身体」と「心」に症状が出ます。

腹痛や頭痛、動機などの「身体症状」と、仕事が手につかない、眠れないなどの「精神的症状」が出ることがあります。

裁判など大事な場面では多くの方が緊張を感じると思いますが、人の性格や気質は様々で、それほど緊張しない人もいれば、もともとあがり症で、人前に出ることや注目を浴びることで人一倍緊張する人もいます。
そんな人の場合、裁判の期日が近づいてくるというだけでかなりの緊張を強いられます。その上、前回のミスや相手方の状況などが重なることで、期日をピークに緊張は増幅し、長期間続くことになります。
 
では、緊張というストレスがかかった時にはどんな反応が出るのでしょうか。
人の身体は、交感神経と副交感神経という自律神経が自動的に働くことで調節されていますが、自律神経はストレスとも深い関係があります。緊張というストレスによって交感神経が興奮状態となり、ストレスホルモンとも言われるコルチゾールや、アドレナリン、ノルアドレナリンが分泌されます。これらのホルモン分泌によって、血糖値が上昇する、血圧が上昇する、心拍数が上昇するなど反応が出ます。
これらのホルモンは、短期間であれば身体をストレスから守るために働きますが、緊張が続くなど長期にわたって分泌され続けると、強い疲労感やだるさ、めまい、不眠、腹痛、食欲不振などの身体症状や、イライラする、不安や恐怖を感じるなどの精神症状が表れるようになります。期日には緊張がピークになり、症状が一層強くなることもあります。

Q3.ストレスへの対処方法は?

A3.早めの対処が大切です。

ストレス反応や症状に早めに気付くことが何より大切です。早めに気付いた上で、医療機関を受診する、上司に相談するなどの対処をしましょう。

日々の多忙で自身の健康状態に気を配る余裕がないなど、軽い症状であればついつい見過ごしてしまいがちです。そして、たとえ症状に気付いたとしても、上司や他の弁護士も多くの業務を抱えており、相談しづらいということもあるかもしれません。しかし、ストレス状態が長く続くと、症状はどんどん強くなっていきます。当日裁判所に行けなくなって多大な迷惑をかけてしまった、などの事態になる前に対処することが大切です。
 
対処の仕方には以下のようなことがあります。

①どんな場面で緊張しやすいのかなど、自身の性格の特徴を知っておく
②ストレスは当たり前と思わず、強いストレスがかかっていることに気付き、認める
③ストレスがかかった時にどんな症状が出やすいかなど、自身の身体の傾向を知っておく
④ストレスを解消する方法をいくつか持っておく
⑤何かあった時に相談できるよう、同僚や上司との関係を良くしておく
⑥症状が出た時に受診できる医療機関を調べておく

ストレス反応や症状に早めに気付くためにも、日々自身の心身の状態をチェックしましょう。

終わりに

悩みは1人で抱えないことが重要です。困ったときには同期や同じ事務所の弁護士等に相談してみてください!
相談先がなくて困っている時は、是非Amiのカウンセリングをご検討ください!弁護士会のメンタルヘルス研修での講師経験や弁護士業務に精通したカウンセラーが相談を受けます。個人でも事務所単位でもご利用可能です。

個人でのご利用

事務所でのご利用

また、Ami以外の相談先としては、所属弁護士会の相談窓口や知り合いから相談先の紹介を受けたり、弁護士会のカウンセリングを利用したりすることも考えられます。
1人で抱え込むよりも話すことでストレスの軽減を図り、案件の突破口になるかもしれませんので、是非「他の方へ相談すること」を頭の片隅に置いておいてください。


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