見出し画像

ストレスの正体を知って、仕事のパフォーマンスを上げよう

1.はじめに

 ストレスへの適切な対処法を身につけて、あなたが持っている弁護士としての本来の仕事のパフォーマンスを充分に発揮させて行きましょう。

 こんにちは、Ami所属の臨床心理士・公認心理師です。

 弁護士は、とてもストレスフルな仕事を任される職種です。Amiは、そんな大変な仕事をなさっている弁護士の方々が、心理学の知見を通じて少しでも仕事の生産性を挙げたり気持ちを楽にしたりといったことが出来るようにお手伝いさせていただいています。

 さて、今回は、「弁護士のためのストレスへの対処法」をテーマとした記事の第二弾です。
 第一弾の記事では、「いわゆる『ストレス』とは、ストレッサーとストレス反応の2つに分けることが出来る」というお話をさせて頂きました。

 この2つをしっかりと分けて認識することが、ストレスに適切に向き合う第一歩となります。

 今回の記事では、そんな「ストレス」への対処法として「ストレスコーピング」についてご説明して行きたいと思います。

2.ストレスコーピングは2種類

 ストレスへの対処方法のことを心理学では「ストレスコーピング」と呼びますが、それには大きく分けて2つのものがあります。
 
 1つが「情動焦点型コーピング」、そしてもう1つが「問題焦点型コーピング」と呼ばれるものです。

 以下、この2分類それぞれについて、特徴や活用場面の例を詳しく解説していきます。

3.感情的なストレス反応の克服を目指す「情動焦点型」

「情動焦点型コーピング」は、感情にアプローチすることを重要視するタイプのコーピングです。

 例えば、「辛い」という感情、「悲しい」という気分。そういったストレスを感じさせる情動をしのぐための対処法のことです。

 繰り返しとなりますが、弁護士は、非常にストレスフルな職業だと思います。依頼人の感情的な言動に対応しなければならないことや、真剣に取り組むからこそ事件の内容に感情移入することもあり、弁護士の皆さん自身の感情に大きな負担がかかっていることでしょう。
 これは、弁護士の方は真面目な方がとても多いからこそのご負担だと思いますし、私は弁護士の皆さんの働く姿勢をとても尊敬しています。ただ、その真面目さが「この程度でストレスを感じているようでは弁護士としてやっていけない」など、自分への厳しさに繋がることもある点を心配しています。

 お願いしたいのは、あなたが弁護士として仕事に取り組む以上

「ストレスを感じるのは当たり前」

ということを理解していただきたいのです。

 情動焦点型コーピングを適切に行うには、まずここを理解することが大前提となるでしょう。

 私は、事件や依頼者に真面目に向き合うだけが弁護士の仕事ではないと思います。辛いと感じたらそのことから距離を置いても良いし、逃げたって良いのです。かえって、その方がストレスを解消させることに繋がり、あなた本来の弁護士としての実力を発揮することができるでしょう。

 情動焦点型コーピングの具体例をいくつか挙げておきます。何か取り入れられそうなものがあれば、ぜひ取り入れてくださいね。

・「弁護士はもともとストレスフルな仕事だから、普通弁護士なら誰だってストレスを感じる」ということをしっかりと自覚する。

・仕事から距離を置いて、趣味に没頭する。

・気軽にいろいろなことを話せるコミュニティをつくっておく。

・運動やストレッチなど、身体を動かすことをする。

 などです。
 くれぐれも、ストレスを感じる自分を「弁護士失格」「もっと仕事をしないと弁護士として恥ずかしい」などと考えて仕事中心になり過ぎないように注意してくださいね。

4.ストレッサー自体に対処することを試みる「問題焦点型」

「問題焦点型コーピング」は、ストレス反応を引き起こしている原因(ストレッサー)そのものに介入して行くタイプのコーピングです。

たとえば、離婚や相続関係の依頼で心身ともに負担を感じている時には、共同受任することでプレッシャーを和らげるなどが問題焦点型コーピングの具体的な方法の1つになるでしょう。
 
 仕事量が多すぎる場合は、仕事量を調整することも問題焦点型コーピングになりますし(仕事・職業の性質上、仕事量を調整することが厳しい場合は多いと思いますが。。。)、なじみのない分野の仕事をする際には積極的にイベントに参加することや日弁連のeラーニングで新分野の勉強をすることも立派な問題焦点型コーピングとなります。

 私は、臨床心理士・公認心理師として、弁護士の皆さんに依頼者対応のスキルを身につけて欲しいと考えています。実は、これも問題焦点型コーピングになるからです!
 依頼者に共感しすぎてしまう、あるいは依頼者の言動の理不尽さに腹が立ってしまうなど、様々な場合もあるかと思いますが、いずれの場合にせよ、依頼者に感情的に巻き込まれすぎると、いつの間にかプロとしての目を曇らせてしまうことになりかねません。
 依頼者のことを大切にしつつ、事件解決において客観的な姿勢を保てることが、弁護士としてのパフォーマンスを充分に発揮するために不可欠だと思います。そのために、依頼者と適切な距離・関係を保ち、依頼者の感情に巻き込まれないスキルを持っておくことは、弁護士として、非常に大きなアドバンテージとなるのではないでしょうか。
 Amiでは、弁護士のためのスキルトレーニングのプランも用意しておりますので、興味のある方は、是非お問い合わせください(以下の予約フォーム又は、直接メールにてご連絡いただけますと幸いです。)。

5.「情動焦点型」と「問題焦点型」どっちが良い? 

 今回の記事では「情動焦点型コーピング」と「問題焦点型コーピング」について解説しました。

「情動焦点型コーピング」は、感情にアプローチするコーピング
「問題焦点型コーピング」はストレッサーそのものに介入して行くタイプのコーピング

 ここまで読んでくださった弁護士の皆さんは、どちらの方が自分に合うコーピングだと思いましたでしょうか?

 一般的には、「問題焦点型コーピング」の方が使いやすいといわれることがあります。この記事を読んでくださった弁護士の皆さんの中にも、そう思われた方もおられるかもしれませんね。だって、「問題焦点型コーピング」は根本原因の解決に繋がるけど、「情動焦点型コーピング」はそうではないから。問題解決をお仕事としている弁護士の皆さんが、「問題焦点型コーピングの方が合っている」と感じたとしても、無理はありません。

 ところが、弁護士の皆さんにとっては、必ずしも「問題焦点型コーピングの方が合っている」とは言い切れないと考えています。

 次の記事では、どうして弁護士にとっては必ずしも「問題焦点型コーピングの方が合っている」とは言い切れないのか、この辺りをお話していければと考えています。

是非次回の記事もお読みください!

6.最後に

Amiは、弁護士が運営し、経験豊かな公認心理師が弁護士の皆さんにストレスケアやメンタルケアのサービスを提供しています。
今回の記事のテーマであるストレスコーピングや依頼者対応のスキルを学習することのできるプログラムを、ご利用者様各自に合わせた内容でオーダーメイドすることができます。
ストレスやメンタルでお困りの先生方がいらっしゃいましたら、当社のサービスを是非ご体験ください(以下のHPを是非ご覧ください)!

また、メールでお問い合わせいただける場合には、以下のアドレスまでご連絡お願いいたします。

info@ami-wellbeing.com

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?