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世界遺産からの景色

シェムリアップ市内から北上

北緯13°東経103°高度20m

売春宿が群がる30ストリート

アンコールワットが近くにあるだけで、

他には何一つ取るとこがない

錆びれた村に住んでいる。

私は、とある気まぐれな考えから
人里離れ
過去に日本人が一度も踏み入れた事のないような
スラム街で
身を隠すような生活を送ってみようと思い
賑やかな雰囲気を遠ざけ、安価で綺麗で、
バイクが停めやすいアパートを探し
ようよう長屋の一間を借り受けることができた。

一箇月、
40ドルである。
私の今の立場や状況を考えれば
ここが妥当だ。

2021年
よく晴れた7月のある日の事である。

友人から借りた数万円が
現在の所持金である。
あとは所持品として
PC、beats、
ヘッドホン、ギター、マイク、iPhone、バイク、
最低限の日用品。
ボストンバック一個と
リュックサックがあれば収まる量だ。

先の事なんて何も考えていなかった。。。
正確に答えると考えることができなかった。

所持金が無くなれば
持ち物を少しずつ売ればいいと
心細い余裕すら感じながら、
太宰治のような生活を密かに味わっていた。

何でも出来る奇妙な自信だけは
持ち続ける努力をしていた。

そして、

自分に言い聞かせている。
私はキングだ。
ジャーバルマンの生まれかわりだと。
(ジャーバルマンとはアンコール時代の王です。)

新時代到来。
阿呆の時代である。

今年40を超えた。
この年齢は
既に中年の領域を
貫通している事を意味している。

お前の青春はもう終わっている。
青春とはなんだ?
自分探しの旅なんて馬鹿げている。

目を覚ませと何処からか聞こえる気がする。

家の周りは寺だけである。
そこもこの家に決めた要因である。
この頃の私は
悪魔だとか幽霊だとか死者とか呪術とか宗教とか
そういう類の物に興味を持っていた。
ヒンドゥ教なのに仏像はブッタしかいない。
クリシュナは何処だ?

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家の先から
ツーブロック先にある
屋台のように見えるゴミだらけの汚いレストランで、
坊やのような現地の親父に
よくチャーハンを頼む。
未知な香草の香りが
私の鼻を横切り、
その組合せに新鮮さを感じるが
正直、
特別にうまいわけではない。
チャーハンに使われている牛肉が異常に硬くて
歯が痛くなる。

ココナッツジュースもよく頼む。

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日本人の諸君は
必ず頼んだ方がいいだろう。
合わせて日本円で約210円。
7000リエルである。
この値段は心底嬉しい。

私の寿命が伸びる気分だ。

田舎のカンボジア人は計算が苦手。。。
支払いが終わると逆にお金が増えていた。

続く。


下の画像は
アンコールワットから見える夕日です。

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