少子化対策のヒントは北欧よりもイスラエルに

堀茂樹のような基本的な事象すら理解していないデタラメな輩は北欧諸国が'Feminism is the new natalism'を実証していると思い込んでいるようだが、物言いをつけたいのなら、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー等の合計特殊出生率をしっかり見てからにした方がよい。

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それよりも注目すべきは、先進国の中では異例の高出生率を維持するイスラエルである。イスラエルでも出生率が高いのはユダヤ教とイスラム教の信者で、無宗教では他の低出生率国と同水準である。

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ユダヤ人でも信仰心が厚いほど出生率が高く、超正統派は別格の高さである。

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この地では「子供はいるの?」「子供は作らないの?」とよく聞かれます。現代の日本では何となく避けられる話題で、その質問がハラスメントにあたるという話も聞いたことがあります。しかし宗教的に”産めよ増やせよ”と教えられているこの国では自然な質問で、男女ともに悪気なく尋ねます。
イスラエルの出生率の高さは近年話題になっており、イスラエル女性は1人につき平均3人の子供を産むと言われています。ユダヤ教の人々にとっては一族の繁栄や、家族が増えることが人生で最も大切なことなのだそうです。

日本を含む先進国では、「少子化の原因は主に経済的なものなので、出産・育児と稼得労働の両立のための現金・現物給付を充実させれば出生率を約2にできる」というのが(堀茂樹が信じ込んでいる)定説になっていたが、それよりも「子どもを持つことが人生の重要な選択肢」という人生観の方が重要ということである。そのような観念をフェミニズムが破壊したことが、大半の先進国の出生率低下につながっている。

子育てのための社会保障制度も整っているフィンランドだが、実はフィンランドの出生率は日本より低く、ここ数年、危機感が増してきているという。

「コロナ禍の2020年の出生率は若干上がったのですが、出生率が下がってきた理由はフィンランドでもまだよく分かっていません。税金で成り立っている国なので、少子化は大きな問題です。考えられることとしては、雇用が不安定なので先行きが不安定、ということ。そして、価値観の変化。ワークライフバランスが良く、個人の人生が充実し選択肢が増えているため、かえって子どもを持つことが人生の重要な選択肢じゃない、と考える人が増えているのでしょう」

付記

'Feminism is the new natalism'は2003年に当時の保守党の影の労働・年金大臣David Willettsが"Old Europe? Demographic change and pension reform"で用いたフレーズ。

A brief tour of birth rates in four European countries helps demonstrate what modern family policy must be about. It has nothing to do with enforcing traditional roles on women. Feminism is the new natalism.

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