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2023年6月の記事一覧

アミンとムガベの「正しい貨幣観」

反緊縮・積極財政派が「正しい貨幣観」だとして「財源は通貨発行」と叫んでいるが、実際に財政支出を中央銀行の通貨発行(money printing)で賄ったのがウガンダのアミン大統領とジンバブエのムガベ大統領である。 ジンバブエがハイパーインフレーションと自国通貨の廃止に至ったことはよく知られている。積極財政派は「ハイパーインフレの原因は生産力の毀損であってマネタイゼーションではない」と主張するが、マネタイゼーションは生産力の毀損(←白人追放)によって起こった火に油を注いだよう

積極財政カルトのマントラ「国債発行は貨幣発行」

「税は財源ではない/国の財源は通貨発行」カルトの信者が地方議員にも増えているのだろうか。 財政赤字が継続して国債の発行額が償還額を上回り続ければ、「租税収入で国債を償還」と「国債残高が増え続ける」は両立するので、説明がつかないことはない(現実的には借り換え)。 国(中央政府)の資金調達は預金口座が中央銀行にある点を除くと民間事業者、個人、地方公共団体などと同じで、国債も社債も地方債も市中銀行の購入分が預金通貨の増加になる。社債や地方債の発行が貨幣創造とイコールではないのと

森永&中野の「財源は通貨発行」

森永康平と中野剛志が現実離れしたストーリーで「税は財源ではない」ことを論証できたつもりになっているので、その欠陥を指摘する。 この設定を受け入れたとしても、国が通貨発行して物資や労働力を調達する(買う)のはしばらくの間だけで、市中に十分な量の通貨が行き渡れば、それ以降は「徴税して支出の財源にする」が常態になる。 設定を現実的にすると、現代の財政・通貨制度は銀行システムと不可分なので、中央銀行(現金通貨)と市中銀行(預金通貨)をストーリーに加える必要がある。 国は 中央

元官僚の財政制度理解

この人は総務省の官僚だったのだが、本気で「税は財源ではない」と思っているのだろうか。 予算編成では歳出は税収見込みと無関係に決められるわけではない。 「税は財源ではない」論拠としてよく挙げられるのがこれ👇だが、お金は貯められることを忘れている。 国庫金は年度末にゼロになっているわけではないので、4月の収入よりも支出が多くても、租税が財源になっていないことにはならない。 日本では国(政府)の収入と支出は国庫(日本銀行にある政府預金口座)に一元化されているので、国庫に入金