積極財政カルトのマントラ「国債発行は貨幣発行」

「税は財源ではない/国の財源は通貨発行」カルトの信者が地方議員にも増えているのだろうか。

財政赤字が継続して国債の発行額が償還額を上回り続ければ、「租税収入で国債を償還」と「国債残高が増え続ける」は両立するので、説明がつかないことはない(現実的には借り換え)。

国(中央政府)の資金調達は預金口座が中央銀行にある点を除くと民間事業者、個人、地方公共団体などと同じで、国債も社債も地方債も市中銀行の購入分が預金通貨の増加になる。社債や地方債の発行が貨幣創造とイコールではないのと同じく、国債発行も貨幣創造ではない。

このカルトは国が国債を発行しなければ市中に貨幣は存在せず、経済活動は不可能と主張しているが、そうではないことは1947~1964年度の国の一般会計が収支均衡で国債は発行されていなかったことからも明らかである。実際のところ、1990年代のバブル崩壊~企業のdeleveragingの前までは、日本のマネーストックは民間向け信用が主体となって増加していた。

日本銀行「マネタリーサーベイ」

「正しい貨幣観」に目覚めると、この常識的なことが理解できなくなるらしいが、それがカルトの特徴である。

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