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社会

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#NordicRegion2020

堀茂樹(慶應義塾大学名誉教授)に「デタラメ」と批判されました

何様のつもりかえらく上から目線だが、どちらが「基本的な事象すら理解していないデタラメ」なのか読者に判断してもらいたい。 「基本的な事象」が具体的に何を指すのかは不明だが、おそらく、諸外国について山田昌弘と同じ認識をしていると思われる。 西ヨーロッパの大陸諸国(フランス、西ドイツ、イタリア、スウェーデン、オランダなど)は、さらなる子ども数の減少、つまり、少子化に直面することになる。合計特殊出生率が2を割り込む事態が起きたのである。次節で述べるように、その中のいくつかの国々で

大韓民国の将来人口推計

中位・高位・低位推計をグラフにしてみる。 推計に用いられた合計出生率(TFR)はこの通り。 出生数はこうなる。 出生率の異常低下の主因はフェミニズム(⇒恨)。 直視しなければならないのは、北欧諸国でも出生率が低下していることである。性平等は少子化の解決策にはならない。

中国の少子化と人口減少

中華人民共和国が出生の急減のために人口減少に転じたが、低出生率の背景は日本(を含む多くの先進国)と共通している。 これ👇は批判を浴びた麻生説と同じ(関連記事:少子化の麻生説は当たらずと雖も遠からず)。 これ👇が女の生き方になり、 経済的に自立して男に依存しない 夫選びの目を厳しくする(自分を安売りしない) 加えて「独身生活は主婦業という賤業から解放された生き方」という言説が広まれば、晩婚化・非婚化→少子化となるのは不可避と言える(日本はこの言説の影響力が弱い部類の国

日本の家族関係給付費は少なくない

国民民主党代表の玉木衆議院議員が兵庫県明石市の泉市長との対談で、日本の家族関係給付費の対GDP比はOECD平均の約半分と述べているが、認識のアップデートが必要である。 2017年はOECD2.1%、日本1.6%なので、半分ではなく3/4である。 国立社会保障・人口問題研究所によると、日本の値は2018年以降も上昇を続けているので、現在ではOECD平均に迫っていると推測される。泉市長は最低でも倍増、できれば3倍増を主張しているが、2倍増でも北欧諸国を大きく上回ってしまう。

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少子化対策のFACTFULNESS

日本の低出生率の原因は家計の所得環境の悪化や女の育児と稼得労働の両立の困難さだという通説がdie-hardなので、そうではないことを海外のデータで示す。 シンガポール 通説が正しくないことを示す好例がシンガポールで、著しい経済成長と政府の手厚い結婚・出産・育児支援にもかかわらず、中国系とインド系の合計出生率(Total Fertility Rate)は1.0前後で低迷している。 北欧 「女の育児と稼得労働の両立→高出生率」を実証するとされてきた北欧諸国だが、そうではな

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少子化対策のヒントは北欧よりもイスラエルに

堀茂樹のような基本的な事象すら理解していないデタラメな輩は北欧諸国が'Feminism is the new natalism'を実証していると思い込んでいるようだが、物言いをつけたいのなら、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー等の合計特殊出生率をしっかり見てからにした方がよい。 それよりも注目すべきは、先進国の中では異例の高出生率を維持するイスラエルである。イスラエルでも出生率が高いのはユダヤ教とイスラム教の信者で、無宗教では他の低出生率国と同水準である。 ユダヤ人でも

兵庫県明石市の子育て支援策を検証

メディアで絶賛され、一部の国会議員も注目する兵庫県明石市の泉房穂市長の子育て支援策だが、全国展開できるものではなく、持続可能性にも疑問があり、甚だしい過大評価と結論せざるを得ない。 産む予定の人がお金を目当てに市外から転入してくれば、明石市の出生率は上がるが、転入者の以前の居住地の出生率は下がる。以前からの明石市民の出生率が上がらなければ、全国ではゼロサムである。 市の税収は増加基調にあるものの「6年連続」ではない。全国の市町村税収もほぼ同じ推移をしているので、明石市の「

ジェンダーギャップ指数の日印比較

またまたこの記事だが、 男女格差の大きさを示すジェンダーギャップ指数(2019年)は、日本は世界153カ国のうち121位。女性が家庭での無償労働を強いられている状況も、女性政治家の少なさも、日本の大きな課題だ。 "Global Gender Gap Report 2020"ではインドのジェンダーギャップ指数は112位、サブ指数のPolitical Empowermentは18位で日本の144位を大きく上回っている。 ではインドは日本よりも女が輝く国かと言えばそうではない

本当の原因を隠す『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?』

非婚・少子化問題の第一人者のようになっている山田昌弘だが、近著には重大な問題がある。 欧米先進国の3パターン山田は日本はフランスやスウェーデンとの違いを無視したために「同じような対策」を打っても成功しなかったと分析しているが、これは事実に基づいていない。 続いて、1960年代からフェミニズム、女性の社会進出の波が欧米先進国で起こると、日本でも、ウーマンリブ運動が起き、戦後一貫して増えていた「専業主婦世帯」が1975年を境に減少に転じ始めた。ここまでは、欧米先進国と同じよう