【自分の強みをどう知るか】 苦しかったときの話をしようか 【3章】
前回,前々回に引き続き,こちらの書籍の3章について,まとめてみようかと思います.本章ではキャリア(人生)を成功させる上で大切になってくる「自分の強み」をどう知るか,についてまとめています.
まずは目的を立てよう
もし,自分の人生にとって達成したい「夢」があるならば,それを「人生の目的」として立てて,その目的を達成するために自分のキャリアがどうあるべきかを考えれば,自然にキャリアの目的は明確になってきます.
もし,達成したい夢が思いつかないならば,「どんな状態」であれば自分はハッピーなのかという未来の理想状態を考えることで,目的というものが設定できる.
例えば,「将来は5人家族がいて,ちゃんと家族を養える自分でいること」が未来の理想である場合,その理想状態を実現するために「必要なこと」は何かを考えていく.この場合だと,「ある程度稼ぐ必要があり,ある程度稼ぐためには,自分に向いたある程度稼げる職に就かねばならず,その職に就くにはそれ応じた能力が必要で,その能力を身につけるには,そういう経験が積める学校(大学)に行くのが良い」,というように一つずつレイヤーを降ろしながら考えていく.
この場合,キャリアの目的は「ある程度稼げること」であり,そのための戦略は「1.必要な能力が身につく大学に進学,2.自分に向いているある程度稼げる職に就く」となる.ここに,前回までに説明した,自分の強み(宝物)を踏まえた戦略も考慮することで,更に良いキャリア戦略となる.
自分の強みをどうやって見つけるのか
上記で設定したキャリア戦略で明暗を分けるのが,自分の強みをどれだけ早く見つけて,武器として認識して,それを磨いて伸ばしていくことに集中できるか,である.では,自分の強みはどうやって見つけるのだろうか.
自分の強みは,「自分の特徴とそれを活かす文脈がセット」になって発揮されることが多い.そのため,強みを見つける最大の近道は,社会との関わりで気持ちよかった文脈(自分な好きなことをしている文脈)をどんどん列挙することである.好きなことをしている文脈こそ,我々の特徴が強みとしてすでに発揮されている可能性が高いからである.例えば,話すことが好きになっているのは,過去に多くの人に話しかけて良い反応があったという経験があるからこそ,話すことが好きになっている可能性が高い.
ゆえに,自分にとって好きな「〜すること」こそが,自分に良い結果をもたらしたに違いなく,その動詞こそが自分の強みである.例えば,「考えることが好き」,「努力することが好き」,「分析することが好き」,「話すことが好き」,「何かを達成することが好き」などである.自分の好きな「〜すること」という動詞を大量に書き出すことで,どのような強みが自分にあるかを判断することができる.
そして,強みを認識することでどのような業界が自分に適しているのかを大まかに捉えることができる.例えば,「考えることが好き,問題を解くのが好き,知ることが好き,予想を当てるのが好き」のような人は,知的好奇心をガソリンにして考える力を磨き,より大きな結果を出す,その好循環でキャリアを作っていくのが基本戦略となる.ファイナンスや士業,研究職,マーケティングなどが向いている職業になる.そのほか,「人と会うことが好き,話すこと・聴くことが好き,SNSで多くの人と繋がることが好き,オシャレを楽しむことが好き」のような人は,強い対人コミュニケーションを武器に使い,人と人とを繋げることで新たな価値を生み出していく職能において秀でていくのが基本戦略になる.プロデューサー,営業職,広報,政治家など人脈構築力がものを言う職業が向いていることになる.
考えるべきは一点で,自分のどんな特徴がその職能で活かせそうか,である.まずは,自分を知り,自分の特徴を活かせる職能を選び,その職能を積める戦場へ進むべきである.就職するならば,身につけたい職能で配属してくれる会社を選ぶべきである.逆に,避けた方が良いのは自分にどんな職能が身につくのか想像がつかない会社である.自分の凹凸がわからなければ,自分のどの能力に集中して投資すべきかがわからない.時間や精神力や体力には必ず限界があるので,戦略なきキャリアは間違いなく失敗する.
特徴(強み)と環境がフィットすると,人の可能性は大きく開花することが多い.つまり,ナスビにはナスビに適した土壌があるということ.ナスビを合っていない土壌の事情に無理やり合わせたり,ましてキュウリにしようとしても上手くいかない.自分がナスビなら立派なナスビへ,キュウリなら立派なキュウリになるように,努力を積み重ねれば良い.
ゆえに,自分の特徴を良く理解し,強みを磨いて,その強みがより活きる環境へ泳いでいけば,自分の可能性はより大きく花開いていく.そのためにも,自分のキャリアの目的と強みを理解しよう.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?