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今さら2020年を振り返る2 - チームとしてチャレンジしたこと

2020年振り返りの続きです。
前回はコロナで結局いろいろキャンセルになりましたという話でした。

今回は、ほとんどコロナのおかげと言っていいくらい、あんな年だったからこそ出来たであろう新しい試みや先に繋がることについてです。

オンラインパフォーマンス

とりあえず外から見ても一番分かりやすく、またそれなりに成果を上げたものは、オンラインパフォーマンスでした。

そもそもは4月末に、本来なら渡航して作品を上演する予定だったエストニアのフェスティバルelektronがオンラインでの開催を決定。そこへの出演を依頼されたのが最初でした。2020年4月あたりは、コロナが世界に広まってきたところで、のちにこんなに長く活動が制限されることはみんな想像もしていなかった頃だったと思います。この頃のイベントはそのまま秋や翌年への延期を決める団体が多い中、このフェスティバルは完全にオンラインに振り切った実施を決め、さらに配信のシステムも自分たちで整えていて、とにかく動きが早く、軽やかでした。劇場にはどんな要素があるか、何を求めて人が集まるかという(その後の半年間でいろいろな場所でされることになる)議論を4月の段階で既にした上でシステムを構築していて、その発想や思考に驚かされました。

そこで梅田が発表したものもまた興味深く、元々ある作品をバーチャルなプラットフォーム上に再現し、その中で梅田がリアルタイムで動いてパフォーマンスをするようなシステムにしてオンライン上演を実現させてしまいました。それも東京のワンルームの事務所で。

オンラインパフォーマンスはその後、レユニオン島や香港West Kowloonのプラットフォームでもライブで上演し、香港の機会には新作のワークインプログレスも完全オンラインで発表しました。また録画した形のオンラインパフォーマンスおよび映像作品はカナダ、アイルランド、オランダなどでも上映されています。

振付家ワークショップのオンライン開催

2017年から、座学と作品制作およびそのフィードバックセッションなどで構成され約2ヶ月間行われる振付家のためのワークショップを主催しています(詳細はまた今度)。毎年スタジオを借りて、そこにゲストと参加者が集まって行っていたのですが、今年はその工程を全てオンラインに切り替えました。途中、参加者が作品の創作経過を発表する部分があるので、そこはどうなるかと思っていましたが、参加者の協力もあり、思っていたよりずっとスムースに進みました。さらにオンラインにしたことで海外のゲストも気軽に呼べる、参加者も全国から参加できるなど、主催者としては良いことばかりだったように思います。世の中でオンラインでミーティングを行ったり授業を受けたりすることへの抵抗がなくなったことの恩恵を受けた形になりました。

余談として、このとき初めて、オンラインで2ヶ月という時間を共にした相手と最後にフィジカルな場で実際に顔を合わせるという経験をしたのですが、人によっては大きく印象が違ったり、どことなく”初めまして”な雰囲気になったりして、とても不思議な体験でした。

リモートリハーサル

これまでの記事で散々書いてきましたが、国際共同制作のクリエーションの半分以上がリモートでのリハーサルになっていることも、プロダクション的には新しい試みでした。実は梅田自身は何年も前からリモートでのリハーサルを実施していたのでそれほど大きなことではなく、これもどちらかというと世界でリモートで事が進むということへの耐性がついたことにより実現しているように思います。ですが恐らくここまでリモートでの制作になったことも初めてで、このクリエーション方法にしたことはとても重要なステップであり、これからの時代の作品制作の入り口のように感じています。

Jeep Real Hybrid Campaign

恐らく2020年の世界の状況とはあまり関係がないのですが、Jeep Real Hybrid Campaignのパフォーマンス部分の演出を梅田が担当しました!

このように、ツアーがなくなり時間がたくさん出来た中でも絶望することなく、いろいろ新しいことに挑戦することができました。関係者、参加者、周りのみなさま、ありがとうございました!

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