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第1回【後半】ダイバーシティは大変なこと

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この記事の内容



会社を辞める時に起きたトラブル対応 ~やるべきことはやる~


私は、複数の外資系企業を経験してきましたが、外資系であっても、女性であるが故の難しさは何度も経験しました。外国人と日本人、男性と女性など他人との違いは、お互いの理解を難しくする壁になりやすいものです。

ある外資系企業の外国人上司とも、良好な信頼関係にあるとは言えない状態で働いていた時があります。結局、関係が改善しないまま、私は転職することが決まり、退職することになりました。

いよいよ退職が迫った時期に、部署内は、新システムの導入が上手く行かず、穏やかとは言えない雰囲気でした。実は、この新システムの導入には私は反対の立場でしたが、最終的に、部として決断が下されたといった経緯がありました。

しかし、部内で私以外に解決できる人がいなかったことを鑑みて、私はどうにか利用できる形にしようと奮闘しました。部の一員でいる限りは、いかに貢献し、成果や利益をあげるかを考えるのは当然で「やるべきことはやる」という信念が私の中にあったからです。

その時、上司は、私がシステム対応に奮闘している姿を見てとても驚いていたようでした。退職間近な上に導入に反対していた人であれば、見て見ぬふりをしても当然と思ったのかもしれません。

結果的に、なんとか退職前までに、システムの問題解決を行い、運用を開始することができました。そして、私もやり遂げた思いと共に、その職場を離れることができました。


元上司からの感謝の言葉 ~真摯に取り組めば、気持ちは通じる~


そして退職後、思いもよらぬことでしたが、秘書を通じて、その外国人上司から感謝を伝えたいとランチにお誘いいただいたのです。

久しぶりに再会した場で、元上司から「システム導入に反対していたにも関わらず、退職ギリギリまで、システムの導入に誰よりも貢献してくれたことに、とても感謝している。退職後になってしまったが直接感謝を伝えたかった」と言われたのです。

おそらく、それまでは、周りからの吹聴もあり、私を誤解していた部分があったのかと思います。しかし、システム導入への私の対応を見て、それが誤解であったこと、そして私への本来の評価を伝えたいという気持ちがランチのお誘いにあったのではないかと思います。

私も、上司との信頼関係が作れなかったことが心残りの1つでしたので、心からの感謝と誉め言葉を貰った時に、本来の自分を認めてもらえたことが嬉しく、心の靄が晴れていくのを感じました。

外国人上司からかけられた感謝の言葉は、
どのような時も「やるべきことをやる」という私のやり方が通じたこと、
誤解が払拭され信頼関係を築けたこととして心に残っております。

そして、現在も、年齢や性別、立場の違いなどで、先入観を持たれてしまうことは多々ありますが、まず「やるべきことをやる」という気持ちを変わらずに持ち続けています。


ダイバーシティは簡単ではないが大切なこと


ダイバーシティの例として、私の外国人上司とのエピソードを紹介しましたが、ダイバーシティは、正直なところを申し上げれば、大変なことだらけです。

残業についても、「残業しなきゃ終わらないんだから、やるしかないでしょう!」と日本人なら反論してしまうことかもしれません。でも、異なる人の言葉に耳を傾けてみることで、気づきが生まれ、仕事の仕方が変わり残業を減らせるなど、全体としてよいことが生み出されることがあります。

また、システムの件でもわかるように、上司部下だから信頼関係が当然あるという訳ではありません。場合によって、性別や年齢、人の噂など色々なフィルターが加わることもあります。しかし、理解し合えない状況下であっても、共通のゴールに向かって信念をもって取り組む姿勢を貫けば、きちんと通じるものだということが、大切なことだと思います。


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