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第1回【前半】ダイバーシティは大変なこと

ここ数年、女性活躍推進法や働き方改革など、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)に向けた企業の取り組みをニュースやSNSで目にすることが増えてきました。

私が代表を務める、プロビティコンサルティングでも、企業経営の軸として「ダイバーシティ」を捉え、グローバル化や商品の多様化などの資本市場の変化がもたらす問題から、D&Iの必要性を学んでいただく研修を行っております。

こういった、D&Iの関心が高まりを感じる一方で、「ダイバーシティは一部の企業の話」と関係がないと思われる人も多くいらっしゃいます。しかし、実はダイバーシティの話は、女性や外国人の雇用だけでなく、年齢、会社文化の違いなど、実は身近にあることで根が深い問題を抱えていたりします。

1回目の今回は、ダイバーシティの例として、
私が複数の外資系企業で実際に経験した外国人上司とのエピソードを紹介したいと思います。



なぜそんなに残業するの? ~残業に対する考え方の違い~


私は大学卒業後、まだ女性の就職に壁があったこともあり、外資系の会計企業への道を選択しました。入社時は日本人社員だけの会社でしたが、しばらくして体制が変わり、上司が外国人という環境に一変しました。

当時、マネージャーを任された私は、日々の残業も厭わず一生懸命仕事をこなしていました。予定外の仕事や長引く対応が続くものの、対応できる人数は変わりませんから、抱える業務が増える一方でした。しかし、増える仕事もマネージャーの責任と感じ、仕事を終わらせるため一人で残業をしていました。

そんな時、外国人上司から
「なぜ、そんなに残業しているの?」
と問われたのです。

外国人上司にとっては、就業時間を超えても働き続けることが、異様な光景に見えていたのかもしれませんが、私は「そんなに残業するなんて、無能なのか」と言われているようでショックを受けました。

「なぜ、そんなに残業をするのか」という質問は、外国人から日本人の働き方を見たときの、素朴な疑問の1つだと言えるでしょう。日本人は往々にして残業が多いですが、当時の私も、仕事が終わらないのであれば、残業してでも終わらせるべきで、途中で帰るのは無責任だと考えていたわけです。


大切なことはゴールを達成すること ~ 仕事の進め方の違い ~ 


私は、その後も外資系企業を選択し、様々な国籍の人と一緒に仕事をしてきました。その中で、残業などの日本流の仕事の仕方とは、異なる考え方に触れる機会も多くありました。

ある外国人上司からは
「大切なのは、ゴールを達成することであって、
今までやっていたことを全てやることではない。
ゴールを達成するためにできることをやってほしい。」
と助言をもらったことがあります。

日本では「計画通り進めること」が重要とされることもあり、現状の課題や対応に追われることが多いのかもしれません。

私は、外資系企業で仕事をすることがきっかけで、置かれている状況に追われていた進め方を見直すことができたように思います。「ゴールを達成する」ところに焦点を当てることで、確かにゴールへの試行錯誤の仕方が変わっていくことを実感できたからです。

そして、このゴール達成への向き合い方は、
その後の私の働き方やダイバーシティにも繋がる大きな学びにもなりました。

後半へ続く

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