リーダーは現場の意見を尊重する【阪神矢野監督のリーダーシップ】
リーダーは判断を求められます。最適な判断をするために必要な情報を取得する必要があります。
但し、大きな組織であればあるほど、自分の役職が上になればなるほど、現場やお客さまに関する情報が入りにくくなります。
結果、現場やお客さまの現状とズレた意思決定をするリスクが高まります。
リーダーとして、より現場やお客さまに近いメンバーの意見に耳を傾け、尊重することが求められます。
矢野監督は現場の意見を尊重する
我が阪神タイガースは、9月25日から、首位を争う巨人との大事な3連戦がありました。
2戦目の先発のガンケル投手は、前回19日の登板で2回8安打7失点と、同じ巨人相手にKOされていました。
試合では6回4安打1失点の力投で雪辱を見事に果たし、4対3の勝利に貢献しました。
試合後の矢野監督のコメント
俺は正直、前回見たときに(KOされた)1週間後は厳しいかなと思った
矢野監督は、KOされた巨人相手に対し、ガンケル投手の登板を回避すべきと思っていました。ところが
金村と福原(投手)コーチが、状態的にはブルペンでもよくなってきていると。『もう1回いっていいんじゃないですか』ということを言ってくれてたんで。またガンケルがそこで結果を出してくれてうれしいです
自分の部下である投手コーチの提言を採用して、結果につなげたのです。
矢野監督から学べること
「無知の知」という古代ギリシャの哲学者、ソクラテスが示した言葉があります。
己の無知を自覚することが真の認識に至るとする、真理探究の基本的な考えです。ソクラテスは「知らないこと」よりも「知らないことを自覚しないこと」の方が罪深いと説きます。
経営者、マネージャーといったリーダーにとって、「自分は全てを知っている訳ではない」ことを自覚することは大切なことです。
もう一つ、大切なことは、現場から率直に意見が出せる風土や関係性を築くことです。
監督の考えや判断に対して、異なる意見を言えるような環境を、矢野監督は構築しているということが、このエピソードから伺えます。
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