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事業を守り育てるためには広報PRが必須なのだと身をもって痛感させられた話

こんにちは、PRLT運営のおそらさんです。最近は #PostmodernJukebox にドハマリしています。
先日広報LT大会(以下#PRLT)の年内最後のイベントが終わりました。60名近い広報PR関係者が集まるなか、社内広報やCSR、イベントを使った効果的な露出方法など、様々な切り口で7人の広報さんにLTしていただきました。
1年を締めくくるにふさわしい、熱さと優しさがあふるるホッカイロのような場を作れたこと、とても嬉しく思っています。

2016年7月から始まった#PRLT、気づけばもう16回も開催させていただいています。累計LT本数は既に120本を超え、参加者も780人を超えました。
たくさんの方が知見を交換する場にしていきたい、という当初の目的が数字として形になっていくさまをみると、非常に感慨深いものがあります。いつも関わってくださるみなさまに、感謝の気持ちでいっぱいです。

私が日々の本業で忙殺されながらも、それでも業務外の時間を使って#PRLTの運営に関わりたいと思う理由は「広報に関する実践的な学びの場を作りたい(なぜなら私がそこで勉強したいから)」という欲望が根底にあります。
今年のはじめに、そんなnoteを書いていました。


PRLTは、正解のない広報という職種について、みんなで学んで一緒に成長していく場だと思っています。企業は、特に若い企業は広報のノウハウを持っておらず、独学で孤独に闘っている広報担当者が少なくありません。その結果、記者の方にご迷惑をかけてしまい、モンスター広報と言われてしまうことも。わたしも独学ひとりぼっち広報だったので、たくさんの記者さん、広報さんに怒っていただきながら成長してきました。いまもまだ、精進の身です。
自身の経験から振り返ってみると、それは企業に広報という職種を育てる土壌がない、という理由が大きいと思っています。
でもないものを求めても仕方ない。社内に作れないなら社外に作ればいい、そしてみんなで一緒に育って、日本経済の活性化や社会問題の解決に、広報の力で貢献していけばいい。そんな風に腹落ちしたら、PRLTを続ける意義を感じ、取り組みの尊さにようやく気づいたのでした。

わたしの黒い欲望を乗せひた走る#PRLTですが、今年は、この#PRLTを守るために運営チーム内で果敢なチャレンジに臨んでいた1年でもありました。
その中で、表題の件について強く体感できたこともあり、1年の振り返りを持って、事業を守り育てる広報というものについて、私が感じたことを記し、年を納めたいと思います。

広報PRのイベントなのに、全然PRできてなかった

1年前、#PRLTは解決しなければならない課題をいくつか抱えていました。そのひとつが「金銭的な意味での運営安定」です。
この課題を痛烈に突きつけられたのが、2017年12月に開催した11回目の#PRLTでした。年末でお忙しい中だったとは思うのですが、4割近い方による直前(前日または当日)ドタキャンが入り、当日会場払い制を取っている#PRLTは、大きな赤字を踏んでしまいました。
開催して2年、ちょこちょこドタキャンの割合が高まっている感もあり、対策しないとね、と帰り道話をしていた中で放たれたハルカ砲がこれ。

この投稿にはたくさんの方がコメントしてくださり、ハルカ砲はもちろん、それに連なるやりとり全てに私の心は揺さぶられました。
当時、#PRLTがどんな理想を掲げて日々運営し、どんな想いを持ってこの場所に参加してほしいのか、明確に発信したことはありませんでした。また同時に、運営メンバーの中で「PRLTめっちゃ大事」という大まかな合意は取れていながらも、きちんと言語化して共有しているわけでもなかった。

ドタキャンが増えると、PRLTの理念達成にどんなマイナスな影響があるのか、参加者にはどんな姿勢と期待感を持って来ていただきたいのか…などなどを、まず、外にきちんと発信していくことが必要なのだと、私はこのハルカ砲を通じて学んだのです。
そう、広報PRのイベントなのに、自分たちのPRが全然できてなかった。
だからこそ、PRにしっかり取り組んで、PRLTを守っていきたい。そんなことを考えて動き出したのが、2018年でした。

やったことは具体的に下記です。

・他職種の方へのPRLTの認知拡大
・参加者へのPRLTのお財布事情とビジョンの共有
・LT登壇者へのお礼
・広報関係者へのPRLTの認知拡大
・PRLT参加者へのさらなる発信機会提供
・CI(Community Identity)刷新

ひとつずつざっくり書いていきます。

他職種の方へのPRLTの認知拡大

#PRLTは 、広報担当者が参加者のメインですが、時折エンジニアや人事の方にもお越しいただいており、「広報を学びたい」というニーズは自分たちの思っている以上に幅広く存在しているのでは?という仮説がずっとありました。他職種の方にも知っていただく機会を作れば、そのニーズに応えることもできるし、参加者も増えてハッピーなのでは?という考えが頭をよぎり、まずチャレンジしたのが「backlog(べんり)」「Cacoo(めっちゃべんり)」でおなじみのヌーラボさんが主催された、よいプロジェクトを表彰する「GoodProjectAward」への応募でした。
多くのエンジニアさんの目に留まったこのアワードで、募集条件を満たしていない中で、最終選考に入らせていただき「記録よりも記憶に残るLT」をテーマにハルカちゃんと2人で、ロックにやらせていただきました。


これが契機となって、エンジニアの方にPRLTを認知いただき、今まで以上にエンジニアさんにご参加いただけるようになりました。エンジニアさんの学びの姿勢に感動するばかりです。そして、今年の8月に「他職種×PRの可能性」というテーマでPRLTを開催することができ、エンジニアさんに下記タイトルでLTしていただけました。泣ける。

GoodProjectAwardを通じ、自分たちの取り組みが評価されたことを実感できたことで、「やっぱりこの方向性で間違ってないね!」と自信を取り戻すことができました。実はこれがいちばん大きかったことなのかもしれません。
ヌーラボさん、ありがとうございました。

参加者に、PRLTのビジョンと現状を伝える

自信を取り戻した運営チームが次に行ったことは、#PRLTに来てくださっている方に、改めて理念や現状を伝えることでした。
「ドタキャンが増えると赤字になってしまって困る」といいつつ、参加費の1500円が一体なにに使われているのか、一度も説明したことがなかった。
そこで#PRLTの現状と、今後考えていることについて「決算報告っぽい」形で、イベント内の貴重なお時間をいただき、話させていただきました。

この発信も含め #Nomoreドタキャンキャンペーンを継続した結果 、ちょっとずつドタキャン率は改善しています。またここで、コミュニティをちゃんと経営させたいと発信したところ、諸先輩方から真剣な助言をいただき、自分たちの方向性を修正することができました、(これはきっと来年の決算報告でしゃべります)さらに、この決算報告っぽい資料作りをする間に、集客目標、お金の使い方等について、シビアに議論できたのもとってもよかった。
決算報告っぽい資料作りと合わせて作成した予算を元に運営を行い、無事に2018年中に赤字から脱却することができました。(よっ!!)

LT登壇者へのお礼

PRLTは、LT登壇者がいて初めて成り立つイベントです。いままで100人を超える方々がLT登壇してくださいましたが、「LTをすることで得られるメリット」や「LTをしてくださったことへの感謝の気持ち」を強く発信できずにいました。
そこで、チャレンジングではありましたが、今年の6月に初めて「LT登壇した人だけのLT大会」を開催しました。LT 経験豊富な方々が集まったこともあり、LT内容も今までになく濃いもの揃いだったなと感じています。

勇者たちのお写真


またこの会の最後に、ささやかですがご参加いただいたみなさまへ、お礼のメッセージカードを送りました。(裏には運営4人で考えたひとりひとりへの文面が記載されています。)


LT登壇者への還元は、まだまだやりきれていない実感がありますが、LTしてよかったな!と実感いただける取り組みをどんどん実践していきたいと考えています。(リクエスト待ってます!)


広報関係者へのPRLTの認知

広報関係者にも#PRLTを知っていただきたい。そんな気持ちが届いたのか、今年は運営メンバーへの取材機会を多くいただきました。

500人の広報と社会を変える!広報LT大会の吉田ハルカさんと山川空さんにインタビュー!(ラクーンブログ)

NKアグリ 山川空さん「PRはひとりじゃできない。“助け合う”ことで社会課題を解決するエコシステムをつくりたい」(PRTable Community)

また、11月には広報会議にもデビューしました。


 Web版はこちら。
https://mag.sendenkaigi.com/kouhou/201811/aoyama-pr-meeting/014437.php

この広報会議デビューをきっかけに、「朝活広報会議」にも参加させていただきました。その中で多くの広報担当者さんと意見交換をし、「広報の大きすぎる意義が広報担当者を押し潰している」という仮説にいきつき、改めてLTできる粒度で自分の成果を自分自身に定義していく重要性について気づくこともできました。


さらなる発信の機会提供

朝活広報会議を経て、上述の「LTできる粒度で自分の成果を自分自身に定義していく重要性」を強く感じ、もっと気軽にアウトプットできる機会を作ろうと決め、今年初めて、PRLTでアドベントカレンダーを作成しました。

広報LT大会(Lightning Text) #PRLT Advent Calendar 2018
https://adventar.org/calendars/3533

実務ノウハウはもちろん、キャリア、書籍、KPI、社内結婚、などなど様々なテーマで思い思いの「Lightning Text 」が展開されています。まだ途中なのでどんな総括になるかはわかりませんが、いままでの12月より広報の発信が増えて、私が楽しい。
参加いただいたみなさま、ありがとうございます。


CI(Community Identity)刷新

PRLTは2年間も運営しておきながら、コミュニティロゴが長い間パワポでした。PRをがんばるなら、ふと思い出してもらえるビジョンを体現したデザインは必須。そこでレバレジーズの大原呉穂さんにお力添えいただき、ロゴをはじめ、名刺やTシャツ、運営パーカー等を作成しました。
LTの象徴=メガホンが重なることで、右肩上がりに発展していく広報業界をイメージして作っていただきました。


名刺やロゴがあることで、自信を持ってPRすることができました。
あとはCIではありませんが、運営に長瀬七夕さん(エモマーケカメラマン)が入ってくださったことで、PRLTの開催レポート写真クオリティが爆裂に上がりました。こうしてブログ等でPRLTの雰囲気を正確に伝えることができるので、写真1枚1枚だってPR活動だよね…!ってつくづく思います。


まとめ:事業発展のヒントは広報PR活動がくれるかもしれない

こうした広報PR活動を通じ、2018年は、赤字脱却や運営メンバーの増員、そして事業ビジョンをより明確にした形での運営、といった大きな成果を得ることができました。
もちろん、事業継続に向け広報PR以外にもいろーんなことをやりました。予算づくりや、それに伴う集客目標値の設定、タスクの整理、事前決済の検討、法人化の検討などなどです。しかしながら事業を継続していきたいと考えた時に、関わる全てのステークホルダーに対し、まずは明確な事業ビジョンを発信していかなければ、横たわる事実を問題として認識してもらえないし、問題を解決するための行動が支持されることはありません。だからこそまず、広報PR活動を通じて、問題解決に向けた基盤づくりをステークホルダーに対し行ったのは、PRLT運営にとって非常によい選択だったと思っています。結論ハルカ砲はえらい。
また、こうした広報PR活動の結果もらったフィードバックを元に、LT大会のテーマを設定したり、運営としてやるべきことの優先度を変えたり、新しい事業展開のヒントをいただくこともできました。自分たちの歩き方を見直す機会を得ることができたことも、非常にありがたいことだったと感じています。

2019年以降にやりたいこと

そんなPRLTですが、まだまだ来年もやりたいことがたくさんあります。それをPRして、この長々としたnoteを締めたいと思います。

・様々な組織とコラボイベントがしたい
PRLTはあくまで「実践的な内容のLT大会」をベースに運営を行っていますが、「PR担当者向けのアイデアソン」や「プレスリリースをみんなでひたすらもくもくと書く」とか「他社のPR企画を立案する(広報筋トレ)」とか「PRの展覧会」とか「媒体分析研究会」とか「PRパーソンキャリア談義」とか、PRに関わる新しい切り口づくりとして、やりたいことがいっぱいあるんです。なので、世の中にある様々な組織とコラボして「PRを学ぶ機会」を加速度的に増やしていきたいと思っています。ご興味あるかたぜひお願いいたします。

・PRLTのLT を集めて本にしたい。
 「LTが200本超えたら書籍を作りたい」というのは、わりと開催当初から私がずっと言っているのですが、いよいよ200本が現実的な数字となってきました。どのLTも、貴重な貴重な業務ノウハウなので、登壇してくださった方々の叡智を集め「200人の広報PR担当者が考えた、広報PRの歩き方指南」のような本を作って、しっかりと残していきたい。

PRLTを通じて、より多くの人と広報を楽しみたい。シンプルな動機を忘れずに、これからも粛々とPRLT運営と向き合っていけたらと思います。
関わってくださるみなさまと、運営のなゆちゃんたびちん、そして代表のハルカちゃんに感謝を込めて。



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