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朝ドラらんまんの高知「牧野植物園」レポ  3000種類以上の植物と牧野博士がよくわかる最新設備!!

こんにちは。

みなさん、NHKの朝ドラ「らんまん」をご覧になっていましたか?神木隆之介さん、浜辺美波さんなど個性的な俳優さんも出演しているし、何よりもストーリーが、実際に日本の植物学を飛躍的に発展させた「牧野富太郎」博士の波乱万丈の人生を描いたものであり、朝ドラの出来としても、とてもクオリティが高いドラマでしたよね。
私も毎朝8時が待ちきれませんでした。

さて、そんな「らんまん」の主人公、牧野富太郎博士の植物園が高知にあると知って、たまたま四国に行く機会があり、このタイミングで噂の「牧野植物園」に行ってきました。

牧野博士は高知出身です。そんな牧野博士の功績を広く伝えるために、1958年(昭和33年)4月に高知県が高知市にある五大山に「県立牧野植物園」として施設を開園しました。
ただ、残念ながら、牧野博士はこの自分の名前を冠した植物園が開園する前年に亡くなられたようです。

さて、この「県立牧野植物園」ですが、単なる田舎の植物園ではありません。
まず、なんと8ヘクタールもある園内には博士由来の3000種類以上の野生植物、そして園芸植物があるそうです。

園内に入ってまず驚かされるのは、ルートから見える全ての植物に名前札がついていることです。「なにげない草花にも一つ一つ名前がついちょる」という博士の言葉通り、来場者は目に見える全ての植物の名前を知ることができるのです。これはすごいですね。



正門から入ると、まずは「土佐の植物生態園」を見ることができます。そして、その先にあるのが「牧野富太郎記念館本館」、ウッドテラスがすてきな施設群です。お洒落だなと思っていたら、建築家の内藤廣氏の設計で1999年に新設されたようです。

そして、この「牧野富太郎記念館本館」の中には、「標本庫」と博士の蔵書、遺品などを収蔵する「牧野文庫」を見ることができました。

その後、2019年に拡張整備された五大山からの眺望が楽しめる「こんこん山広場」を散策し、ウッドの天井とミストで来園者を涼しくさせてくれる170メートルの「回廊」を抜けて、その横の「ふむふむ広場」を散歩しました。
この「ふむふむ広場」は感触の不思議な草花や実を触ったり、匂いを嗅いだりして、五感を使って植物を楽しめるエリアです。

そして、その先にある、こちらも中がすっぽり空いた円形のおしゃれな建物が今回一番の見どころだった「牧野富太郎記念館展示館」でした。この「牧野富太郎記念館展示館」は牧野博士の歩んできた生涯、そして彼の培ってきた植物採集方法や植物学をあますことなく知ることができます。ビジュアル映像も含めて、120%満足できる新しい設備でした。



「らんまん」でドラマの情景が焼き付いているところなので、「らんまん」ファンとしては最高の施設でしたね。
特に博士が一生を通して行っていた植物標本の作り方がわかりやすくガイダンスされていて、とてもためになりました。


こちらも1999年に新設されたあと、展示内容のビジュアル部分は2019年にリニューアルされているようです。とにかく牧野博士の展示施設がものすごく綺麗で心地よい印象でした。それが野外のわかりやすい植物展示とミックスして、とてもバランスの良い、わかりやすい植物園施設ですね。

さて「牧野富太郎記念館展示館」を見た後、さらに園内の散策路へ行くと、右手に現代的な作りの「植物研究交流センター」、左手に大きなドーム型の「温室」が見えてきます。途中、散策路から段差をおりたところに立派な「牧野富太郎像」が建てられていました。

まず「植物研究交流センター」ですが、こちらは2023年5月にオープンしたばかりの新設、ぴかぴかの施設です。こちらは展示施設というよりも1階、2階は実験室や生薬を収蔵した一般立ち入り禁止エリアとなっていました。
なんと、このセンターは植物資源研究の拠点となっており、専門家が応用研究を進めているとのことです。

この「植物研究交流センター」の3階は来園者向けのエリアで、ものすごくお洒落なレストラン「C.L.Garden」が営業しています。園内はこちらのレストランしかないため、入口にタッチパネルの予約管理システムが置いてありました。そちらに登録しておくと呼ばれた時にスマホでわかるようになっています。便利ですね。

「C.L.Garden」ではパスタ、カレー、そしてハンバーグなどの料理に地元の野菜をふんだんに使ったサラダがついており、地産地消の美味しいランチを味わうことができました。ちなみにビールは小瓶でした。ランチを食べながら、窓の外に広がる3階からの園内の緑がとても美しかったですね。




「C.L.Garden」の隣には牧野博士のレアなグッズなどを販売しているショップがありました。牧野ファンにとっては大人買いしたくなりますね。この「植物研究交流センター」の近代的な建物と植物園の緑がうまく調和して、未来的な感じを見せていると思いました。

そして、最後に訪問したのが「温室」と呼ばれる熱帯植物の展示ドームでした。まずドーム入り口は上を見上げると不思議な光景が見られるみどりの塔と呼ばれるオブジェになっていました。

そこから中に入ると、まさに熱帯のジャングルの中に迷い込んだような、多種多様な熱帯植物の中を流れる水の空間、滝などがあり、異世界でした。
こちらの「温室」は2010年のリニューアルの時に整備されたものだそうです。

この「県立牧野植物園」、園内も広いため、一通り見て回るのに半日以上はかかります。しっかり見るのであれば1日取った方が良いでしょうね。

でも「県立牧野植物園」、観る価値が大いにあります。「らんまん」をご覧になって牧野博士の生き方に大きく感動した方であれば、ものすごく楽しめると思います。
「牧野富太郎記念館展示館」の入り口手前に「らんまん」最終回で出てきた奥様、スエさんの名前を学名に取った「スエコザサ」があります。そちらも結構感動します。



明治、大正、昭和の激動の時代に、一貫して植物学を大発展させた牧野博士がわかる「県立牧野植物園」、高知に行った際にはぜひ半日または1日、スケジュールをあけて立ち寄ってみてください。

それでは。

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