静かな贅沢

友人から本を借りるというのは自分にとってとてもいいことです。

日頃、ふとした瞬間に友人と話したくなるときがあるのですが、連絡をしたところで向こうもヒマとは限りませんし、そうなるとその人恋しさを自分ひとりで埋めなければなりません。

そういうときに友人から借りた本が手元にあると、友人と会話をする代わりにその本を読むことができます。
そして、その本に書かれているメッセージが友人の言葉のように思えて、自分のなかで何か答えが出ることがあります。

自分が使える時間のなかで、相手の時間を無駄にせず、自分以外の意見に触れて考える。

やはり本を貸し借りしあえる友人がいるというのはすごくありがたいことだなと感じました。
とても健全な孤独の癒し方だと。

私も周りの友人も電子書籍に抵抗はないタイプですが、他人に貸すにはやはり紙の本である必要があるので、たまに「本の貸し借りというコミュニケーションをとるために、わざわざ紙の本で買う」ということがあります。

前にnoteでも書いた文通の件しかり、本の貸し借りしかり、このデジタルな時代にずいぶんとアナログな楽しみ方をしていると思うのですが、しかし手軽にコミュニケーションがとれるようになった今だからこそ、わざわざ時間をかけて文通するということは、それだけで十分贅沢で、心のこもったことなんですよね。

ブランドものの服をたくさん買うとか、年に何度も海外旅行にいくとか、そういうお金のかかる贅沢はいらないので、心休まる相手に時間と心をかけるような静かな贅沢がたくさんしたい。

最近、私の生きがいってもしかしたらこういうことかも……なんて思ったりします。

度々の就活で捻り出してきた「生きがい」や「やりがい」や「理想の生活」は、すべて後になって「いや、こんなの違うわ……全然理想じゃない……」と思ってしまうものばかりでした。
すべてが嘘のように感じてしまっていたのですが、こういう静かな贅沢がしたいというのは、しっくりくる以上に胸に深く沁みてなんだか痛いくらいです。

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