文通、時計、速度

去年、友人の勧めでガラスペンと出会ってから、たまにガラスペン用のインクを買ったり、紙を買ったり、文字を手書きする時間を作ったりしています。

ガラスペンというのはその名の通りガラスでできたペンのことです。
下の写真は私が持っているものですが、万年筆などを売っている文具店にいくといろいろなデザインがあります。

ガラスペンはこのようなインク↓にペン先を浸して、

私は仕事も完全にパソコン作業ですし、普段はまったくアナログで文字を書く機会がないのですが、ガラスペンを買って以来、意識して文字を手書きするようになりました。

文字を手書きするとすごく心が落ち着くんですね。インクの色や掠れ方、濃淡等がきれいだからかな。
毎度毎度、私の字が上手ではないことがとても残念だなぁと思います。

手書きの機会の最たるものが、友人に手紙を書くことです。
かわいい便箋にかわいいインクで手紙を書き、それをスマホで撮ってLINEで送ったり(「デジタル文通」と呼んでいます)、そのまま封筒に入れて郵便で送ったり、会ったときに手渡ししたり。
そうすると返事をくれる人もいるし、くれない人もいます。

返事をもらえればそれはもちろんうれしいのですが、もらえなくても手紙を受け取ってくれるだけで十分にうれしいです。

相手のために手紙を書いている時間は、LINEやSNSでやりとりするよりもゆっくりと流れていくような気がします。
そのゆっくりと相手のことを考える時間が、私にとってはとても大切なのだと、気軽に友人に会うことができない今改めて実感するようになりました。

それに手紙を一通書き上げるのってかなり充実感があるんですよね。何か生産性のあることをした気分になります。
その充実感が日頃の空虚さを埋めてくれる、虚しく浪費した時間を取り戻してくれるような気がします。

私は最近、友人と話している間だけ、自分のなかにある人生の時計が進んでいるように感じます。
誰とも会えない日が続くと、少し前まではかなりしんどかったのですが、手紙を書くようになってからは手紙を書いている間はその時計の針が進んでいるような気がして、少し気が楽です。

返事をくれる人はけっこう「私もカラフルにしたかったから、子どもの頃使ってた色ペンを発掘してきたよ!」とかわいいカラーペンで書いてくれたりします。
なかには小学生の頃に流行っていたキラキラのラメペンを使ったり、その頃に買った(けれど使っていなかった)メモ帳の紙で返事を書いてくれる人もいて、なんだか授業中に手紙を書いて教室で交換した小中学生の頃を思い出します。
(そして、私もそんな友人たちに触発されて小学生時代に集めたメモ帳を発掘しました。笑)

そういうキラキラを見たときも、自分のなかの時計が動いているような気がします。
こういう時間がこの先の人生のなかでたくさんあるといいな、と心から思います。心の時計が動く瞬間。

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