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『脳科学セールス』#7

物語は共通の体験を生み出すツール

内的視覚化とは、受け取った情報を大脳辺縁系の視床下部に送り、頭の中で再現することを言う。
大脳辺縁系を使って頭の中で話を再現するということは、その話に完全に引き込まれていることを意味する。
その情報は、データとは異なる形で大脳新皮質に保存される。「経験された」記憶ーー実際に自分が経験したかどうかはともかくーーは辺縁系記憶として長期に保存される。

『脳科学セールス』

私たちは物語にふれると、その物語を脳内で再現します。
物語が再現される時、脳は大脳新皮質ではなく「感じる脳」と言われる大脳辺縁系を使うと著者は言います。
本書で物語の重要性について再三語っている理由がここにあるようです。

私たちが営業で物語を語る時、この内的視覚化を補足する手段としてパワポなどのプレゼンテーションツールを使うことができます。
このとき、箇条書きの文章ではなく、物語をイメージする画像を使うことを著者はお勧めします。
海外の方のプレゼンは文字ではなく画像が多いのは内的視覚化を促しているのですね。

心理学NLPでもイメージの力をよく使います。
私たちが何かを体験した時に、それがポジティブでもネガティブでも感情や感覚を身体で感じます。
目標を立てる時も問題を解決する時も、望む状態になったときをイメージして、その瞬間の身体の感覚を先んじて感じることで、未来の記憶を作り出すのです。

私たちは一度体験したことを二回目以降はより簡単にこなせます。
目標なら達成しやすくなり、問題なら解決しやすくなります。

脳が、すでに知っている経験や概念と新しい情報を結びつけると、両者の間に神経結合ができる。そして相手のことをより理解するようになるだけでなく、相手の話をよりしっかり記憶するようになる。

『脳科学セールス』

物語を語ることで、相手との間に同じ体験を共有し、それが親近感を生み、営業マンを警戒すべき相手から信頼できる相手に変えるのでしょう。

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