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PieceCHECK(2023-3) 対称式と値の範囲

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。KATSUYAです。

YouTube動画をUPしました。今は数学の試験を課していない早稲田大学政治経済学部の問題で、対称式の取りうる値の範囲の問題です。
思考時間は8分、解答時間はそこから12分で計20分とします。

こちらの記事では、答えを静止画像にて掲載しておきます。静止画像の方が記載内容は少し詳しめです。
よろしければ動画と両方ご覧になってみてください^^

解答


【上の画像の訂正】
・右段下から5行目先頭に「$${s\neq0}$$のとき」を追加
・下から2行目と3行目の間に「また、$${s=0}$$のとき不等式は成り立つ」を追加
・下から2行目の先頭に「$${s=0}$$または」を追加

【別解】

【訂正】
左段[1]の不等式において、最初の解法と同様の訂正を行います。

解説

$${\alpha ^2+\beta ^2=\alpha ^3+\beta ^3}$$という条件式のもとで、$${\alpha +\beta }$$の取りうる値の範囲を求める問題です。

条件式、そして範囲を求めたい式がともに対称式であることに着目し、こちらの原則にたどり着きたいです。

対称式条件の場合は基本対称式$${x+y,xy}$$を主役にする
→実数解条件に注意!!

(詳細は拙著シリーズ 数学Ⅰ 2次関数 p.102 参照)

条件式が1つあるため、和sと積tの等式が出来ます。これで1文字消去すると、和と積がともにsで表されますので、2次方程式の実数解条件に持ち込みます。今回はともに正であるような条件を求めます。「2次関数」の原則、あるいは「複素数と方程式」の原則のどちらに従ってもいいです。

解の存在範囲の解法(2次関数で解く) → D、軸、端点の符号の調査

(詳細は拙著シリーズ 数学Ⅰ 2次関数 p.72 参照)

解の存在範囲の解法(複素数と方程式で解く) → D、和、積の符号の調査

(詳細は拙著シリーズ 数学Ⅱ 複素数と方程式 p.19 参照)

不等式を解く際に、分数不等式が出てきますが、そのまま分母をかけてしまうと、分母の符号次第で不等号の向きが変わります。場合分けがメンドウなので、2乗をかけるとラクです。

分数不等式 → $${(分母)^2}$$をかけて場合分けを省く

(詳細は拙著シリーズ 数学Ⅱ 指数関数・対数関数 p.51 参照)
※23年3月販売予定です。

別解は途中からほぼ同じですが、考え方としてはこちらの原則に従っています。

2次式の条件から1次式の最大・最小
→ $${=k}$$とおいて連立方程式の実数解条件に持ち込む

(詳細は拙著シリーズ 数学Ⅰ 2次関数 p.97 参照)

$${x^2+y^2=5}$$を満たすときに$${x+y}$$の取りうる値の範囲を求めよ、という問題のときに使う手法ですね。これを用いて1文字消去すると、最初の解法とほぼ同じ式が得られます。

1.解けた人は、今後の勉強はじっくり演習をしましょう。
2.解けなくて、原則を知っていた人は、思考時間を長くする演習をしましょう。
3.解けなくて、原則も知らなかった人は、原則集めからやる必要があります。

Piece CHECKシリーズでは、出来あがった答案からは見えない部分を解説していくことで、「なぜそうやって解くのか」「いったいどこからそんな答案が生まれるのか」に答えていきます。

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