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PieceCHECK(2023-18) 和がnになるような数列の総数

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お知らせ

拙著シリーズ『Principle Piece 数学B・C~数列~』販売開始しました!

YouTube動画をUPしました。今回は立命館大学(理系)からで、和がnになるような数の並べ方の総数です。

思考時間は10分、目標解答時間はそこから約10分です。 

こちらの記事では、動画の中で紹介した解説(答え)を少し丁寧にした答案を、静止画像にて掲載しておきます。

解答

解説

和がnになるようなn以下の自然数の並べ方が何通りあるかを求める問題。

立命館大学の大問4は場合の数、確率であることが多いですが、いくつかの小問に刻まれており、やることはかなり多めです。本問は最後の小問でしたが、この問題だけ全く誘導なしでポンと出されました。
セット全体の中でも思いつかないと取り組みにくく、本番であれば捨てても大丈夫でしょう。

解1は、「何個」の自然数の和で表すかで場合分けする方法です。個数が決まっていると、自然数解の組数を求める問題になり、原則が使えます。

自然数解の個数は重複組み合わせで

詳細は拙著シリーズ「数学A~集合と場合の数~」p.47を参照

一般にk個の自然数の和で表す方法が$${_{n-1}C_{k-1}}$$通りになりますので、この和を計算することになります。二項係数の和といえば二項定理と結びつきやすいですね。

二項係数$${\bm{_nC_r}}$$の和は二項定理と結びつける→$${\bm{(1+x)^n}}$$の展開式を

詳細は拙著シリーズ「数学~式と証明~」p.11を参照

解2は、一気に出す方法です。和がnなので、最初に〇をn個並べて置き、間のn-1か所に仕切りを入れるか入れないかで、和がnになるような自然数の列と1対1に対応します。これに気づけると瞬殺出来ます。

解3は数列(漸化式)を活用する方法です。解2を見た後では回りくどいですが、実際の試験では、それまでの小問が数列の漸化式を活用して求めていくものでしたので、その流れでこちらの方法も思いついてもいいでしょう。

このような、タイプの問題で漸化式を作るときは、頭かお尻に着目します。

直前によって制限を受ける順列→「頭」か「お尻」に着目して漸化式を作ってみる

詳細は拙著シリーズ「数学A~集合と場合の数~」p.55を参照

今回は、一番最後(直前)の数字が何になるかで漸化式を作りました。一般にお尻の自然数がkのときは、和がn-kになるn-k以下の自然数の数列の総数なので、$${x_{n-k}}$$になります。
これで和をとることで、うまく等式が作れます。今回のように和が絡む等式は1つずらして辺々を引くと和の部分が消えて、$${x_n}$$に関する漸化式になりますね。

漸化式9型:$${\bm{S_n}}$$絡み → 1つずらして辺々を引く

詳細は拙著シリーズ「数学B~数列~」p.49を参照

変形した漸化式は等比型なので一般項も簡単ですね^^


1.解けた人・・・今後の勉強はじっくり演習をしましょう。

2.解けなくて原則を知っていた人・・・拙著『Principle Piece』シリーズで該当するページを熟読し(詳細が書いてあります)、入試演習用の問題集で思考時間を長くする演習をしましょう。

3.解けなくて原則も知らなかった人・・・原則集めからやる必要があります。拙著『Principle Piece』シリーズのような原則習得タイプの問題集で演習しましょう。


Piece CHECKシリーズは、出来あがった答案からは見えない部分を解説していくことで、「なぜそうやって解くのか」「いったいどこからそんな答案が生まれるのか」が分かることを意識して書き上げた参考書です。

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