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アライ活動に興味がある方へ、企業の取り組み事例①損害保険ジャパン株式会社

LGBTsを理解し、支援する人を「ALLY(アライ)」と呼びます。英語で「同盟」や「提携」を意味する”alliance”から来ています。
今回は企業のアライ活動の事例として、損害保険ジャパン株式会社の取り組みをご紹介します。回答してくださったのは、人事部人材開発グループでダイバーシティ&インクルージョン施策に取り組む、今将人(いままさと)さんです。

────今さんは転職されて損保ジャパンに入社されたんですね。

はい、2019年に中途入社しました。前職で自分のセクシュアリティをカミングアウトしないよう言われたことがきっかけで、転職に踏み切りました。

────損保ジャパンではカミングアウトして働いていらっしゃるんですか?

そうです。採用面接の時点で、カミングアウトして働きたいと伝えました。Xジェンダー自認であることから、男女に明確に分けられた環境で働くことが辛かったんです。損保ジャパンでは、すでに本社に誰でもトイレが設置されていたこと、同性パートナーも人事福利厚生制度を使えるよう設計されていたことなど、私にとって働きやすい会社だと思いました。

────入社してからのALLY活動を教えてください

私が入社したのとほぼ同じタイミングで、社内でLGBT-ALLYコミュニティが設立されたんです。もともと2018年から、損保ジャパンではERG活動に取り組んでいました。ERGとは”employee resource group(従業員リソースグループ)”の略で、多様な社員が横断的にボトムアップ型で取り組むダイバーシティ&インクルージョン施策として、外資系企業で注目されている取り組みです。2018年に育児、介護と仕事の両立を考える社内コミュニティが設立され、翌年にLGBT-ALLYコミュニティができた、という経緯です。私はそのコミュニティの活動に事務局として参加することになりました。

────具体的にどんな活動をしたんですか?

まずは社内SNSを使って情報発信や意見交換などを行いました。この頃は参加者に安心感を持ってもらうために、クローズドのSNSを使っていました。最初はチームに分かれて、ニュース発信や全国のテレビ会議システムを使って映画上映会もしましたね。
当社のマスコットキャラクターは「ジャパンダ」ですが、多様な性のシンボルである6色のレインボーフラッグを持ったジャパンダのイラストを新たに作ろうというアイデアは、コミュニティメンバーの発案なんです。他には全社向けにアンケートを発信したり、当時はコロナ禍前だったので、他社のALLYコミュニティの方と飲み会もしました。


また設立当初から、全社向けLGBT研修にALLYコミュニティのメンバーにゲスト登壇してもらっています。どんな思いでサークルに参加したのかを語ってもらうことで、LGBT施策に無関心な層にも親近感を持ってもらえます。全社的な課題意識の伝播にも活かされていますね。

────現在の活動を教えてもらえますか?

2021年からは社内大学である「損保ジャパン大学ダイバーシティ&インクルージョン学部」の公認サークルに体制を変更しました。公認サークルは育児、介護、障害、男性活躍、ミドル・シニアなど10のテーマで活動していて、LGBT-ALLYもそのひとつです。
現在は全社公開のSNSに移行し、サークルメンバーの自立性も高くなり、積極的にコミュニケーションを取って活動を進めています。各職場で身近な題材を取り上げて自発的にLGBT研修を行ったり、ニュース発信も頻度や方法を変えながら継続しています。ALLYコミュニティのメンバーは情報へのアンテナを張って、インフルエンサーとして確実に力を付けています。

特に大きな活動は名古屋レインボープライドへの協賛です。もともと損保ジャパンはLGBT施策に取り組む金融系企業の任意団体「LGBT Finance」の一員として東京レインボープライドに協賛してきました。しかし名古屋レインボープライドへの協賛は、ALLYコミュニティのメンバーが関係各所に企画書を出して予算を取って達成した、まさにボトムアップ型の活動です。2022年のパレードは社員とその家族合わせて40名近くが参加し、栄の街を歩きました。2023年も参加しますので、パレードでジャパンダを見かけたら応援してもらえると嬉しいです。

────これからのALLY活動の展望を教えてください

関心の高い層と関心のない層との二極化は、どんな企業でも課題となっています。これについては、活動の必要性や目的を伝え続けることが必要だと思います。
それからALLYの疲弊です。LGBT-ALLYに限らず、災害支援ボランティアや、犯罪被害者支援をされている方など、支援者の疲弊はどんな分野でも問題になっています。ですので、ALLYがALLYし合う場所や機会を設けて、お互いに「しんどいよね」と言えることも大切だと思います。
そして一番の秘訣は「楽しむこと」だと思います。私自身、真面目に一生懸命取り組みすぎて、楽しみを忘れがちになります。何のためにこの活動をしているんだっけ?と思い返したとき、ああ、楽しく生活したいからだな、と振り返ることで、本当に必要な施策や発信を意識できるんです。
既にALLY活動している方も、これからALLY活動したい方も、楽しむことを忘れないでほしいですね。

────ありがとうございました!

参考:損保ジャパンの取組み>ダイバーシティ&インクルージョンと人材育成>ダイバーシティ&インクルージョン

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