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新しい世界へ

本当に別れました

 ネオくんと本当に別れました。
 もうずっと、何年も引き摺ってしまって、お互いにとって良くない状態なのは痛いほどわかっていました。だからどこかで線を引かなければ、と思いつつ、でもやっぱり情もあるし嫌いにはなれない……二度と会わないのは寂しい……みたいな感情に振り回されて、何度も何度も結論を先延ばしにしてしまいました。
 友達からもまだ付き合ってたの? とか、もういい加減結婚しなよ! ネオくんでいいじゃん! とか散々言われながら、親もネオくんをそこそこ気に入っていると分かっていながら、それでも私はどうしても決めきれずにいました。自分の中にある違和感のようなものにどうしても抗えず、私は別れることを選びました。
 決心が揺らぐのを避けるために、会いには行きませんでした。LINEで丁寧に文章を作って送りました。一度電話や面と向かって別れ話をしたときには全く泣けなかったくせに、そのときばかりは本当の終りが来るとわかっていたので泣いてしまいました。
 それでもずるい私はネオくんの好きだったところ、良いところを何百文字も使って列挙し、人としては貴方のことが大好きだから、これからは友達のような関係になりたいと伝えました。そうしたら、向こうはまだこんな私のことを大切に思っていてくれて、それでも私をこれ以上困らせないようにするために別れを承諾し、友達になることも受け入れてくれました。
 私にはもったいないくらいの優しい相手だったと思います。本当に、本当に、出来れば結婚したかったです。あの時出張に行かなければよかった、とか、もっと早くから嫌だと思っていることを小出しにするべきだった、とか。思うことは沢山あります。でも、自分が何年も追い求めていた結婚という夢が目の前にあるのに、それを掴もうとせずに離したのは自分です。
 これからは自分の選択に責任を持って、新しい人生を少しずつ進めていこうと思います。

転職は……

 さて、「結婚(安定)したい」「人間らしい生活がしたい」「もっと楽に生きていきたい」なんていう理由から選んだ転職は、本当に私に相性が悪かったようで、早くも自分の選択を激しく悔やんでいます。
 裁量は一切与えられず、サービス残業と因習慣習の押し付け、改善や生産性という言葉とは無縁の、本当に古臭くて、貧しくて、退屈な仕事です。そのくせ人間関係は劣悪で、人の噂話しか楽しみがない人たちに囲まれて、鬱屈とした生活を強いられています。月収も手取りで10万円近く減りました。
 前は月曜日が憂鬱で堪らないことなんてなかった、仕事のことをいつも考えて、苦しいときもあったけどとにかく毎日が充実していて、仕事が楽しくて、毎日が輝いていました。それなのに今は、もう、何もかも失った気分です。
 私のnoteを読んでくれている人に伝えたいのは、それなりに好きな会社を辞めてさらなる高待遇を与えてくれそうな会社に入るときは、本当に注意が必要ということです。やりがいや人間関係はお金では買えないのです。やさしい上司も、興味のある部署も、転職した先には見つからないかもしれないのです。一度良く考えてみて下さい、私と同じ轍を踏むことのないように祈っています。

新しい出逢い

 と、悪いことばかりが私の身に降り掛かっているようにも見えるかもしれませんが、新しい恋人であるスイーツさんが優しいというその一点だけで最近の毎日は救われています。
 スイーツさんは日本ではお目にかかれないレベルで紳士的な性格をしているので、一緒に過ごしていると全く心が波立つことがありません。多分向こうは相当こちらに気を遣ってくれているとは思いますが、私は毎回毎回のほほんと過ごせています。
 例えば、彼は私に上司と部下のような関係をさせません。私は会社勤めが板についているので(?)エレベーターは絶対にボタンの前を陣取ろうとしてしまうし、デパートとかの重たい扉や自動開閉扉があると先に歩いていって開けようとしたりしてしまうのですが「そういうのいいから」と私を制してくれます。
 ホテルについて私がソファに座ってる間も、甲斐甲斐しくお茶を入れたりスリッパを取ってくれたりとお世話を焼いてくれます。男運の悪い人生なので、こんなに優しい男性に出逢ったのは(私を溺愛している)父親以外に出逢ったことがありません。
 スイーツさんはとても優秀な人なので、海外での生活がとても多く、日本に帰って来られるのは1ヶ月に一度あればいいほうです。でも帰国している間は私のために沢山時間を使ってくれるので、さみしいけれど寂しくない、という気持ちになります。
 もっと一緒にいられたらいいなあと思いつつ、私の仕事は休みが取れないのでなんともいえない歯がゆさを抱えている──という状況でした。


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