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高知アンビシャスの会/小松里枝さん

2024年4月19日&26日放送

 今回のお客様は「高知アンビシャスの会」会長・小松里枝さんです!

■ 小松里枝さん
宿毛市出身。子どもの教育に人生を懸けた父親のもと学校の教員を志し、中学校で社会科教師を務めたあと家業の進学塾へ。その後「食の安心安全」に興味を持ち、こだわりの作物をつくっている生産者に光を当てたいと思って「高知アンビシャスの会」を設立!有機や自然環境に配慮した生産者を応援するほか、地産地消・地産外商・販路拡大にも取り組んでいます。

〔 収録の合間にパチリ 〕

▶ 両親の後を追いかけて

 緒方洪庵の適塾で蘭学を学び三菱財閥の重鎮となった小野義心や、吉田茂の実父として知られる竹内綱、第4次伊藤博文内閣で農商務大臣を務めた林有造など、明治から大正にかけて多くの偉人を輩出した宿毛市。その宿毛の地から「再び優秀な人材を送り出したい」と進学塾を開いた父親の姿を見て教育の道を志したという小松さん。中学校の社会科教師を務めたあと家業に入り、英会話スクールや幼児教室などを経営していました。

 一方でオーガニックの野菜を好んでいた母親の影響で「食の安心安全」にも興味を持ち、“農薬を使わず、虫にも食われず、美味しい野菜を育てる”にはどうすればいいのだろうかと想いを廻らせるようになります。そんな有機栽培の野菜を探し歩き、生産者を知り、圃場を訪れて話を聞く中で、手間暇かけた有機栽培がどれだけ大変なことなのかを多くの人に知ってもらいたいと思うようになった小松さん。有機栽培や自然環境に配慮した生産者を応援しようと「高知アンビシャスの会」の活動をスタートさせるのでした。

〔 高知の美しい野菜たち 〕

▶ 生産者の声を伝えたい!

 2016年に活動を開始した「高知アンビシャスの会」。その年の12月には、当時のホテル日航高知旭ロイヤルを会場に、生産者の想いと高知の食材の美味しさを伝えるイベント【きらめく土佐の晩餐会】を開催しました。これは外務省が取り組む「国際女性会議 WAW!2016」公式サイドイベントの一つで、タレントの大桃美代子さんをお迎えし、無農薬栽培をしてる生産者と経済界の方々とのシンポジウムや食事会といった形式で行われました。

 実はこのイベントを前に「高知のこだわりの生産者さんが栽培したものを使って料理を作って欲しい」とホテルの料理長に相談した小松さん。前例がなかったことから当初は「ちょっと考えさせてください…」と言っていた料理長でしたが、次々といろいろな食材を薦めてくる小松さんの熱意に押されて「分かりました。やりましょう!」と快諾。当日はおよそ135名の参加者がこだわりの食材を使った美味しい料理に舌鼓を打ちました。これが現在も続く【きらめく土佐の晩餐会】の始まりだったんですね。

〔 経済界の要人も参加しました 〕

▶ 生産者による直販イベント!

 高知のこだわりの生産者を応援している「高知アンビシャスの会」では、2022年から生産者による直販イベント【ファーマーズマーケット】を実施しています。

〔 こだわりの生産者さんは他にもたくさん! 〕

 生産者自らが販売することで、お客様に生産者を知っていただき、栽培の話を聞いていただき、試食販売をとおして食べていただき、買っていただくことが目的のこの【ファーマーズマーケット】。これまでは高知大丸東館5階「OMACHI360」を会場に開催してきましたが、2024年3月からは高知大丸本館前のアーケードでの開催となりました。

 【ファーマーズマーケット】に参加された生産者さんを見て小松さんが感じるのは、自らのこだわりを伝えるプレゼンテーション力の成長と、それをとおして得た自信だそうです。自分がやっていることを知っていただくことはとても大きな力になり、その人たちのためにまた頑張ろうという意欲にも繋がります。また購入していただいた方から直接フィードバックをいただくこともやり甲斐の一つ。消費者の方々の「美味しい」の声が生産者にとっての活力になっています!

 好評の【ファーマーズマーケット】、次回は4月28日(日)の開催です。場所は高知大丸前のアーケードです。ぜひお出かけください!

〔 生産者さんの声を聞こう 〕


 また2024年3月13日には、高知市役所内の食堂「せんだんの木」とのコラボイベントも開催しました。

 当日は生産者代表として高知市春野町の「野菜屋けんちゃん」と、芸西村のナス農家「cocomoi farm」が参加してランチ付きワークショップを開催。生産者による直販も行われたほか、食堂で提供されるお惣菜プレートにはこだわりの野菜がふんだんに使われました。

 このイベントには高知市の桑名市長をはじめ、議員の方々も参加し、生産現場の生の声を直接聞いていただきました。生産者の方々と、行政に関わる方々の双方にとって有意義な催しになったのではないでしょうか。

〔 コラボイベントの様子 〕

▶ アンビシャスクラブとは?

 「高知アンビシャスの会」では、消費者の皆様に生産者の圃場へ行っていただき、どんなところで、どんなものを、どんな育て方をしているのかを見学していただく【アンビシャスクラブ】の活動を行っています。

 生産者の皆さんが手間暇かけて栽培している姿を実際に見て、もぎたての野菜を味わうことで、惜しむことなく注がれる愛情が美味しい作物をつくっていることを知り「美味しい!」という想いと共に「応援したい!」という気持ちが芽生えていくんですね。

 この【アンビシャスクラブ】の活動は芸能人の方も応援してくれていて、農業ジャーナリストでタレントの大桃美代子さんや、タレントでエッセイストの岡部まりさん、華道家・フラワーアーティストの假屋崎省吾さんなどが協力してくださっています。假屋崎先生は土佐市「かめのこ農園」を訪れて天敵昆虫農法で栽培されたピーマンを生で味わったこともあるそうです。

 また假屋崎先生は、2023年6月に東京・銀座「まるごと高知」で開催された、有機無無農薬野菜の試食販売会にも飛び入りで参加してくださったそうで、野菜の購入だけでなく、販売ブースに入って売り子としても声を張り上げてくれたそうです。当日は大変よく売れたそうですよ♪

〔 まるごと高知での販売の様子 〕

▶ きらめく土佐の晩餐会!

 2016年に始まった【きらめく土佐の晩餐会】は、高知の生産者が栽培したこだわりの食材を使ったコース料理を提供するイベントです。

 2023年12月には記念すべき10回目の【きらめく土佐の晩餐会】が、東京のザ・キャピトルホテル東急で開催されました。

 当日は、濵田省司高知県知事をはじめ、高知県選出の中谷元衆議院議員、尾﨑正直衆議院議員、また農林水産省からは経営局就農・女性課の方々などが参加してくださり、高知の有機無農薬野菜の栽培について生産者自身が紹介したほか、キャピトルホテル東急の曽我部総料理長が腕を振るった正餐フルコース料理に舌鼓を打っていただきました。

〔 素敵なコース料理になった高知の食材 〕

 小松さんは【きらめく土佐の晩餐会】をとおして、販路拡大・地産外商にも取り組んでいます。

高知のこだわりの食材を実際に味わってもらいたい!実際に口にしていただければきっとその素晴らしさを分かっていただけるはず。

 どんなに素晴らしいものを栽培しても、消費者まで届かないとその良さは伝わりません。知らない人たちに知っていただくこと、実際に生産者の声に耳を傾けてもらうこと。「高知アンビシャスの会」では、その部分で力を尽くし、県内はもちろん県外・海外へ打って出ることも行っています。まさに高知のこだわりの生産者の強い味方ですよね。

▶ 今後の夢は?

 小松さんが「高知アンビシャスの会」を始動してから8年になりました。この8年間を振り返って感じるのは、生産者が自分たちの栽培に自信を持ってきたことです。

 活動を始めた頃の生産者さんたちは「日々畑と向き合い、それが全て」というような方が殆どだったそうですが、それが徐々に人前で話す機会が増えて、周りの方々に知ってもらえるようになり、自ら「こういうことが困ってます」という発信ができるようになってきました。今では「自分はこれで世界に出て行きます!」という力強い意気込みを語ってくれる生産者もいるそうですよ。これも「高知アンビシャスの会」の成果の一つですね。


 最後に小松さんの今後の夢を伺いました。

■ 2024年は海外で【きらめく土佐の晩餐会】を開催したい!

 2021年に農林水産省が『みどりの食料システム戦略』を策定し、2050年までに目指す姿として、農林水産業のCO2ゼロエミッション化の実現や、化学農薬の使用量50%低減、化学肥料の使用量30%低減などの目標が設定されています。

 いま世界では自然環境にやさしく、身体にもやさしい農業が主流になっており、現在の日本の作物では農薬がかかりすぎて勝負が出来ないと言われています。「高知アンビシャスの会」ではこの状況を打破しようと、高知の有機無農薬野菜を海外に持って行き、世界から高知の食の素晴らしさや、オーガニックの大切さを訴えたいと考えています。応援したいですね。

 小松さんが取り組んできた「教育」と、いま取り組んでいる「食」は、考えてみるとどちらも「未来への投資」なのかもしれません。未来の日本、未来の地球を見据え、今できることに対して使命感を持って取り組んでいる、そんな小松さんの姿はキラキラと輝いて見えました✨

【 放送プレイバック 】📻✨
★ 4月19日(金)放送 ⇒ 
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★ 4月26日(金)放送 ⇒ 
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