株式会社 SHIMANTO TOWN STORY/高瀬直史さん
2023年1月13日&20日放送
今回のお客様は「株式会社 SHIMANTO TOWN STORY」代表取締役、高瀬直史さん!ほっとこうちからはスタッフの水野智尋さんが初登場です♪
▶ 生まれ故郷の役場へ入庁!
自然豊かな旧十和村に生まれ、四万十川で泳いだり、鮎を獲ったりと、大自然を満喫していた高瀬さん。子どもの頃はソフトボールをしていたので、「将来はプロ野球選手になりたい!」と思っていたそうです。
大学を卒業したあとは営業職や放送局勤務を経て、2004年に旧十和村役場へ入庁!当時は、窪川町・大正町との市町村合併を2年後に控えていたこともあり、これから始まる新しい歴史に向けて活気が溢れていました。
2005年には「四万十ドラマ完全民営化」、2006年には「四万十町誕生」、2007年には「道の駅四万十とおわ開業」と、目まぐるしい展開を見せた旧十和村。高瀬さんは、四万十町役場で国民健康保険に係る業務や各種行政実務を経験しながら役場職員としてのスキルを身に着け、2013年からは地域おこし協力隊の業務に携わるようになります。
▶ 四万十町を元気にするために!
「地域おこし協力隊制度」とは、総務省が所管する取り組みの一つで、人口減少や少子高齢化などの課題を抱える地方自治体が都市部などから人材を受け入れる、2009年からスタートした制度です。地域おこし協力隊の主な役割としては、地方へ移住し、概ね1年〜3年の任期をそこで暮らしながら、地場産品の商品化や販売・PR、一次産業への従事、地域住民の支援など、地域への協力活動を行うことです。
四万十町の場合は、全国的に有名な四万十ブランドもあって、地域おこし協力隊を募集すると、すぐに定員の数倍の応募があったそうで、高瀬さんが担当していた期間に約60人を採用し、町の活性化に尽力してもらいました。
また一方で四万十町の知名度向上を図ろうと【シティ・プロモーション】にも取り組み、町外・県外に町の名前を売り込みに行ったり、首都圏で開催されるイベントに参加したりして「地域おこし協力隊」の募集と「移住者の受け入れ」を推進してきました。
2017年には、前年の2倍を超える移住者を受け入れ、町内に使える空き家がなくなるという事態が発生!従来の「Iターン」から「Uターン」へと舵を切り、何らかの事情で町を出た方々に、実家がある四万十町へ帰って来てもらうための施策として、2018年に「四万十町東京オフィス」を開設して、首都圏に暮らす四万十町出身者への情報提供を進めました。
これらの先進的な取り組みが全国各地の自治体から注目を集め、四万十町の名前はより一層広まっていきました。同時に高瀬さんの名前も全国に轟くことになったわけです。
▶ 民間の立場で地方創生に関わりたい!
地域おこし協力隊や移住者受け入れに関わって8年が経った頃、高瀬さんの心境に変化が表れます。外部人材との関わり等によって町が元気になる様を間近で見る中で「今の仕事をずっと続けたい!地方公務員に付き物の異動で他の仕事をしたくない!」という想いが強くなり、2021年に役場を退職。
民間の立場で地方創生に関わっていきたいと「株式会社 SHIMANTO TOWN STORY」を設立しました。
「株式会社 SHIMANTO TOWN STORY」は、業種で言えばコンサル業。 地域に出向いて、地域の課題をどういう風に解決したらいいかをアドバイスしています。具体的には、国の補助金・交付金を使って、効率的・効果的にその課題を解決することを目指していて、高瀬さんの行政経験を生かして地域を元気にする活動をしています。
また四万十町職員時代の取り組みを知った方々から呼ばれて、講演会という形で移住受け入れや地域おこし協力隊の話をすることもあります。やはり元職員の成功体験は現職員の心に響くんでしょうね。
伝えたいのは … 公務員が変われば、住民が変わり、地域が変わること!
職員のマンパワー不足により地域が疲弊する中、直面する課題を解決するには、職員が熱い想いを持って民間の方々を巻き込み、官民の力で立ち向かうことが必要です。そのためには「そういう気付きを持った職員を一人育てること」と「その職員がやることを上の人間が押さえつけないこと」が大切。
高瀬さんが見てきた自治体の中にも、職員の意識が変わったことで町が大きく変わろうとしているところがあって、今そのノウハウを横展開している真っ最中なんだそうです。
観光名所や特産品、遊び体験など、自治体の魅力となり得るものはたくさんあれど、それを扱うのはやはり人。行き着くところ「人」なんですね~。
▶ 四万十町のファンを増やしたい!
高瀬さんに四万十町のいいところを教えてもらいました。
役場を退職して全国を飛び回っている今も、四万十町大好きの高瀬さん。今から10年前に結成された【四万十町よさこい踊り子隊 四万夢多】の運営にもずっと関わっています。コロナ禍で3年ぶりの開催となった2022年の特別演舞にも参加し、地方車の上で煽り役を務めました。いつもは裏方に徹している高瀬さんですが、本番では抑えが効かなくなるそうですよ…💦
また首都圏を中心に開催している【四万十町ファンミーティング】は、故郷を出て都会で暮らす四万十町出身者に向けた情報提供や、四万十町に興味を持っている方との交流の場になっています。
5回目の開催となった2022年12月には「株式会社良品計画」執行役員の長田英知さんと「株式会社第一プログレス」代表取締役で「TURNS」プロデューサーの堀口正裕さんを迎えて【四万十町のこれからの可能性】を探りました。これらの企画をとおして四万十町の知名度・好感度は確実にアップしています!
▶ 今後の夢は?
四万十町職員時代、そして独立起業してからも、全国のいろんな人と出会い、様々な意見交換をしてきた高瀬さん。現在は“地方創生のプロ”として、【総務省 地域力創造アドバイザー】という肩書きもお持ちです。
この地域力創造アドバイザー制度とは、地域力を高めようとする市町村が地域活性化の取り組みに関する知見やノウハウを有する外部専門家を招聘して指導・助言を受けながら取り組みを行う制度で、その指導・助言を行うのが地域力創造アドバイザーです。
全国で463名登録されている中で、高瀬さんの得意分野は「移住者受け入れ」であり「地域おこし協力隊」の業務なんですが、他の誰にも負けないと思っているのは【人と人を繋げる力】なんだとか!
実際に自治体へ入って指導を行う際にも「この地域課題を解決するためにはこの人が最適!」と浮かんでくるようになったそうで、それは人脈の広さと、人を見る目、そしてこれまでの成功体験のなせる賜物なんでしょうね。
最後に高瀬さんの今後の夢や目標を伺いました。
■ 皆が幸せと思える地域になるよう尽力していきたい!
自分が暮らす街が好きで、この街で暮らして幸せだと思えること。
そして一度は街を出ても、いつか必ず帰って来たいと思える故郷。
そんな地域が増えていくことで、人々の幸福度は上がっていくと思います。
地方の時代と言われて久しいですが、本当の意味で地方の時代が来るよう高瀬さんの挑戦は続いて行きます!!
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