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実家が空き家になってからの3年間 ~3年目~
ようやく気が付きました。妹に断捨離をお願いしたつもりでしたが、私以外に家の中を整理している様子がありません。
弟が「日程を企画するから皆でやろうよ」と言ったので期待しましたが、それも無いまま冬を迎え、1階に関しては、奥の祖母のエリア以外は終わり、2階もあと1部屋を残すだけになりました。
実家に500着ほどあった母の服は5着だけ貰い受けて残りは処分しました。食器、飾り物、母の大量のアクセサリーと趣味の作品群は一旦うちに持ち帰ってから、残すか処分するかを追々考えることにしました。雛人形は破損が著しくガラス製の飾り棚も大破していて、うちには娘もいないので処分するつもりでいましたが、ひな祭りが近付くと父が「飾らないの?」と言うので、自力で直して、うちの兜飾りの台座に並べました。
雨戸を締め切って季節を3巡した実家はカビだらけですが、3年も通うと愛着が生まれてきました。自分の時間と労力を犠牲にしているので、片付け終わったら何かに使わないと報われません。
実家は、私が成人する頃に改築した家で、20代の私にとって家は寝に帰るだけの場所であり、数年後には家を出たので、さして思い入れはありませんでした。
庭は別です。父と母の結婚を機に祖父母が購入した分譲地で、50数年前に二世帯住宅を建てた時から庭は大きく変わっていないので、子供時代の思い出があります。
リフォームを1度もせずに36年経った家の中は劣化していますが、父が建材にも住宅メーカーにもこだわって建てているので、今も躯体は頑丈です。手を入れれば十分素敵な家になる、そんな思いに変わっていました。
妹と弟に「空き家のままだと老朽化が進んでしまう。私が買い取って賃貸に出そうと思うが、構わないか」と伝えると、弟は「借り手がいないんじゃないかな」と言いました。
そもそも、うちは持ち家ですが、妹も弟も現状は賃貸住宅に住んでいるので、実家をリフォームして住むという選択肢も考えられます。しかし、どちらも住む気は無いようです。実家には住むメリットが無いと思っているわけで、実家の貸家としての可能性にも疑問符が付くのでしょう。
弟が鶴川駅前の電鉄系のO不動産で話を聞いてきて、実家の「不動産売却提案書」なる資料をもらってきました。
ただ、賃貸に出すという話はしておらず、弟の結論としては「郊外の駅遠の土地の価値は今後も変わらないし、築36年の建物は既に資産価値が無いので、このままで良いのでは?」ということでした。
私が気にしているのは不動産価値の問題ではなく、資産価値が無いと言われてしまった可哀そうな空き家の問題です。父はケアを続ければ長生きすると思われ、実家は10年放っておいたら廃墟になります。
誰かに住んでもらうのが、この家のために良いと思うのです。
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