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【静岡県限定】個人対個人の取引が好まれる気がする話。


静岡の人はマンツーマンがすき?

ローカルな話。

私は20代のほとんどを名古屋市で過ごし(すいません住んでない。実家から通いました)、30代から静岡県浜松市で子育てをしながら働いてきました。

フリーランスとして、個人事業主としては静岡で過ごした時間の方が長いです。

例えば、街巡りガイドっぽい記事とか。
住宅会社を紹介するメディアとか。
地域の企業のHPとか。
SNSを代行する仕事とか。

なんだか色々発注いただいてライターの仕事をしているうちに、「静岡の人々は、マンツーマンで入り口から出口まで同じ人に対応してもらうのが好きだなあ」と感じることが多々ありました。

住宅系メディア制作の人々が言う、静岡県内でのシェアもその傾向を示している気がします。

例/愛知県はハウスメーカーが6割、工務店が4割
  静岡県はハウスメーカーが4割、工務店が6割

大手のメディアが入りにくいらしい静岡。細やかにマメに通って、顔と顔を突き合わせ、縁を繋いでいくことを好む気がしてなりません。

私も静岡気質に馴染んできたと思う

そんな中、私もできればオンラインではなく面と向かって会い、同じ空間で話すことをとても大事にしています。

例えば東京の版元さんから受けた仕事。リアルで会わずにメールだけのやりとりで打ち合わせを進めていくと、文面だけでは伝わらない相手の思慮は読み取れず、本当は気遣っているのだろうけれどもそこが省かれたサッパリ文章から感じる「なんか、冷たい」と言う感覚に何度も打ちのめされました。

なのに、取材現場で会うと「このひと、わかりにくいけどめちゃくちゃ気配りの人で、気を使いすぎてから回って、後手後手になって後から業務を増やしてるだけで、いい人なんだなあ〜」と思うことも多々あります。※いい人だけど進行は大問題です。

そんな自分を顧みて、私も静岡風の感覚になってきたのかもと感じます。

ただし、「その考え方はビジネスとしては全くスケールしない。事業拡大は人に託してナンボ」ともよく指摘されるので、この姿勢では収入アップが見込めない。確かに最初から最後までマンツーマンのサービスをしていたら、いつまでたっても利益は増えません。

大企業との打合せ、突っ込みたい気持ちの連続

そんな中、普段全く縁がなさそうな県外の大手企業のホームページ内文章を書く仕事を紹介していただいたのです。

打合せは最初からすべてオンライン。
なんなら顔出しもしない。音声のみ。
私は名前を出して自己紹介する場所もなく、「ライターです」というのが存在理由でした。ライターさんと呼ばれつつ取材が回る。

企業のホームページの文章を書くなら、企業のコンセプト、社風など、事前にじっくりと聞いておきたいし、ちょっと遠方でも対面で取材したいと思ってしまいましたが、どうもそういう風ではない。デザイン会社を挟んでの孫請けの立場の私がどうこう言える状況ではありませんが。

取材といえば、いつもリアル対面して雑談を交え、その雑談から「実は○○が好きなんですよね〜」「えっいいじゃないですか。じゃああれやりましょうよ」などと、その辺に落ちてた原石を見つけて拾って磨くようなことをするのが楽しいのに、大手との打合せは決まった質疑書にそって進むのが常なのかも知れない。

(これについては、後日、今回の元請け印刷会社のライバル会社で働く友人に聞いたら、「打合せや会議は大体質疑書を作って、そのシートにのっとって進めるのがセオリーだよ」と言われたので、そういうものなのかと理解した)

脱線があまり許されず、私は発注元のクライアントと雑談もできず、さらにクライアントは情報をあまり持っておらず(現場の人じゃないので)、取材の面白さを削ぎ落としたような会議に対面しながら、これで、生き生きとした原稿が作れるのかな? と不思議に感じました。

どちらにも意味があるけれど

でも大企業風の進め方は、ある程度の力量があるスタッフを集めれば、ある程度の質を担保できる方法だと思います。

例えば、ハウスメーカーの営業はこういう感じなんだろうなあと。スタンダードにのっとって回す、脱線不可。それぞれの分野のプロを集めてスケジュール通りに進めるのが正しい。追加があればプラスの料金をもらう。これで損もしない。

工務店の人の営業はもっと「原石を拾い集めて磨きまくる手作業」感があり、脱線は当たり前、結構コストはギリギリ。つきっきりになるから残業も必要だけれど、自分の工程が増えてもそれはコスト外として考えがち。

そして、静岡県で動く人々と知り合うにつれ、私の環境がそうなのかもしれませんが、後者がとても多いのを認識します。

誰かに仕事を振るくらいなら自分でやりたい。
外注するなら、自分が信頼できる人だけにお願いしたい。
大勢のお客さん相手に、ザクザクさばくようなことはできればやりたくない。一人ひとりと会話を楽しみながら、丁寧に応対したい。

そういう方を多く見てきた気がします。属人性が高いのです。

そして、私自身も、できれば取材に時間をかけて、丁寧に強みを割り出し、的確な表現でライティングをしたい。

しかしこれ、デメリットがあります。一本あたりの原稿制作にめちゃくちゃ時間がかかってしまい、ギャラに対するパフォーマンスは下がるばかりで、多くの依頼を受けられません。何かが始まれば何かを断り、一度断ると二度と話が来ないこともありますし。

なかなか難しいものです。

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地方の出版社を経てフリーの編集ライターとして活動しています。
○ライターの仕事を続けるには
○単価アップを叶えるには
○そもそもライターってどんな仕事?
○編集の視点とライターの視点の違い
などについて、自分なりの解釈をしていきたいと思っています。





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