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本音を飲み込まない練習を一緒に

本当に思っていること、考えていることを口に出す際、別に感情的になっているわけでもなんでもないのに、どうしてか涙が流れるという厄介な性質があります。
どうやらそれは『自己開示による強いストレス反応』によるものらしく、この性質に悩まされていたのは自分だけでは無かったんだと、Twitterで得た知見のおかげでちょっと救われた経験をしました。

現在、絶賛メンタルがブレブレな妊婦なので、普段にも増して気持ちに簡単に振り回されて、なんなら自分で自分の感情に揺さぶられて、いちいち思ったことを言ってボロボロ泣くのもなんだか辛いし、本音を飲み込んで勝手に気疲れして自己嫌悪からの不貞寝…という事が時折目立つのが自分でも気になっていました。

このままで良い理由は一つも思いつかなかったので
私のメンタル具合をその辺の人以上に分かっていて、上手いこと宥めたり受け流したり受け止めてくれる夫に対しては、ちゃんと思っていることや考えていることを言えるようになった方が良いだろうと思い、緩やかな階段をひとつひとつ登るような速度で本音を伝える練習をしています。

最初は、小さなお願いから始めました。
「スーパーまで一緒に行ってほしい」とか、
「洗濯物干すのを手伝ってほしい」とか、
「今日はしんどくてご飯作る元気がないから助けてほしい」とか。
この練習を始める前までは、これらのお願いを実現可能かどうか聞きもせずに「自分でなんとかしないと」と一人で勝手に諦めたりしていました。
今振り返れば、確認せずに諦めるなんて夫にも失礼だったよなぁ…と反省しています。

「スーパーまで一緒に行ってほしい」とお願いする時は
お米を買う必要があったり、献立が決まりきっていないから考えてほしかったり、単に一緒に行きたいだけだったり…と、その時々で色々な理由が浮かぶのですが、どんな理由であれ必ずお願いとセットで伝えるようにしました。
理由によっては相手が断りたくなる時もあるかもしれないからです。

そして、無事にお願いが達成されたら何よりも先にお礼を言うようにする、というマイルールを定めました。
例えば、スーパーでの買い物を終えて帰ってきた時には
「お米は重くて持てないから、一緒に行ってくれて助かったよー!」とか、そんな感じです。どれだけありふれていようが、お礼はきっちりと。
自分にとっては、お願いもお礼も本音からつながっていることだと思えたので照れ臭いとかそういうのは抜きにして、今でも毎回言うように徹底しています。

この小さなお願いで練習をして、
・理由とセットにしてお願いできるか聞いてみる
・難しいと断られたら別の方法を考える
・もし聞き入れてもらえたら必ずお礼を言う
…ということに良い意味で慣れてきたので、最近は新しいステップへと移行を始めました。

それは「こういうことを言われて悲しかった、辛かった」というネガティヴな本音を伝える練習です。
本音を伝える時に一番涙が出てきやすいジャンルです。感情的じゃないのに、伝えたいことと涙が相まって感情的に物を言っていると取られがちな、かなり厄介な分野です。
苦手すぎて思っても飲み込むのが定常化している、ちょっと難しい部分。

ここでも、先に簡単なマイルールを設けてから対処するようにしました。
一つ目は
悲しかったり辛かったりすると、それが理由でそもそも涙が出てきやすい。
その時、その場で、本音の部分を冷静に話すのが難しいと思えたら、無理せずに一旦飲み込む、心に留めるのを良しとしました。
二つ目は
一旦飲み込んだ場合、自分が落ち着けるだけの十分な間を置き、本音を伝える方法を直接的な会話に限定せずにLINEや手紙でも良しとしました。
三つ目に
決して相手を責めるような言葉は使わない、その時々で自分も相手も感じ方が変化することを決して忘れないことを決めました。

一つ目のルールには、感情的にならないように。
二つ目のルールには、その悲しみや辛さの本音をできるだけ冷静に、客観的に見つめられるように。
三つ目のルールは、「正しく自分の本音を伝えること」が目的であって喧嘩がしたい訳では全くないからです。折角なら平和で、できればちょっと笑えるような話し合いの方がずっと良い。

これから近い将来、育児が始まるのですが、多かれ少なかれ夫との間で認識や考えがズレてしまう事態が起きるのはなんら不思議ではありません。
育児に関してはお互いど素人からのスタートなので、上手くいかないことや辛いことだって相応にあるはず…。
だったら、今のうちからネガティヴな本音を上手く伝える練習をしておいて損はないかな…と思い、できれば見て見ぬ振りをしていたかった種類の本音と、とうとう正面から向き合うことにしたのです。

正直、今まで背を向けてきた事に向き合うのはとてもしんどいので、間を置く時に使える気分転換の術(今だとモンハンライズ)とかも並行して用意しておかないと私の場合は初っ端から「やっぱり本音言うのやめようかな」と、速攻で頓挫しそうになりました。

新しいステップを実行に移す日は、ルールを決めて程なくしてやってきました。

その日は事前に出掛けることが決まっていたのですが、家を出る直前に「今日出掛ける理由あるの?」と唐突に言われてしまい、出産予定日が刻一刻と近づく中、散歩や妊婦検診以外では外へ出る機会を得られずいた私にとっては、出産前に夫と二人で出歩ける最後の日になるかもしれないんだな…と思っていたので少なからずショックを受けたのです。

言われたその場でショックを受けたことを涙を出さずに伝えるのが難しいと判断して一度飲み込み、その場は「あんまり見に行けてなかった子供服見に行こうよ」と答えて出かけました。
子供服もそこそこに、子供向けの玩具までもを色々眺めて帰ってきたのですが、出かける間際の発言がモヤモヤ〜っと頭の隅っこに張り付いて離れなかったので、メモ帳アプリで思っている本音を書き出し、先述のルールを念頭に、そして簡潔になるように文章の推敲を始めました。

推敲の末に辿り着いたのは
『〇〇と思っていたのだけれど、〜と言われたのが…だった』
というネガティヴな気持ちになった理由と原因について明確になった構造を意識して作った短めの文章です。
LINEの吹き出しに換算すると、約4行ほどに収まる長さになります。
文章が長くなると「で、何が言いたいの?」という一番大事な部分が濁りやすくなるので簡潔に、簡潔に…とおまじないを唱えるかのようにして作りました。

具体的には
「出産前に一緒に出歩けられるのが今日で最後かもと思っていたけど、出かける理由あるの?と言われたのが正直辛かった」
と書きました。
言葉だけ淡々と並べるとなんだか重々しい感じがしたので、LINEで送る際には末尾にしょんぼりした顔文字も添えました(´・ω・`)
顔文字って落書きみたいな抜け感があっていいよなぁ、といつも思います。

夫からの反応は
・そう思っていたことに気づけなくて悪かった。でも、言ってもらわないと分からなかった。
・そういった不満があったら、溜め込まずにLINEでも構わないから今後もちゃんと言ってほしい。
このふたつがありました。

一つ目の反応に関しては、私もその場ですぐに言葉にして伝えられる自信がなくて、間が空いてからになってしまって申し訳ないと素直に謝りました。
多分、出かけてる最中私の気分は薄らと沈み気味だったと思うので…夫を困らせていたかもしれない、という反省も込めてです。
二つ目の反応については、夫もどちらかというと本音を溜め込む質なので、溜め込みすぎないようお互いに気をつけようね、という話に落ち着きました。

やりとりにして、計15分ほどのことでした。

自分の予想以上にすんなりと本音が伝わり、しかも相手からの大切な要望も受け取れて、最後には互いの体調を慮る会話にまで発展したので正直驚きでした。

伝え方の本が一時期本屋の平積みを席巻し、巷で流行った理由がちょっと分かりました。
本音を伝えるのって頭を抱えて、時には投げ出したくなる程難しいけど、ちゃんと伝わると嬉しいものなんですね。良い勉強になりました。

練習は今後も継続していきますが、いつの日にか練習なんて思わずに自然と伝えられるようになることを目標に据えて、いつ来るか分からない陣痛にソワソワしながら備える毎日です。どれくらい痛いのかしら。ちょっと不安。

桜の木々はツヤツヤとした新しい緑の葉っぱでいっぱいになりましたね。
風の心地よい新緑の季節がやってくるのを心待ちにしつつ、春特有の寒暖差などで体調など崩されませんようご自愛ください。
では、またの機会にお会いしましょう。


追伸
スキボタンを押してもらえた時に色々な画像を設定できると知ったので、テキストと合わせて10種類用意してみました。
良かったら押してみてくださいね。

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