見出し画像

管理職に必要なこと④自組織の提案を積極的に展開できる論理性・説得力をもっている。

今回の話はまとめると、対局で見る力、フレームワークなどを使って網羅する力、そして説得のための演じる力が大事と言う話です。

管理職になると、自分のやりたいことを提案できる力はもちろんだが、メンバーがやりたいことも積極的に展開できる提案力が求めらます。そして逆もしかり、社長や役員がやりたい、やるべきと思っていることも展開できる力が求められます。
この提案を展開するために必要な力の1つが、

「対局で考える力」

だと思う。
あえて、自分がやろうとしていることを、自らが反対の立場で視点で見ることができ論じることができるかだ。
この力を養うには、意外と身近に習慣化することができる。
「消費税を15%にして社会保障の財源にあてることに賛成か反対か?」という社会問題で考えることもあれば「賞味期限が3日切れたクリームパンは食べられるか食べられないか?」で考えてもいい。(ちなみに私の父が過去にこれで食中毒になった人を見ているので賞味期限がきれたクリームパンは食べない)。この時に、自分の直感で答えをだすことは自然なことだし、われわれは日常生活の中で直感で決めることが圧倒的に多い。私もほぼ毎日起きたときから、「今布団からでるか、もうすこし布団にいるか」を直感的に選択して1日がはじまる。
大事なのは「仕事」ではもちろん時には社会問題などの時に「なぜ賛成か?なぜ反対か?」を考えることを大切することだと思う。「最初からこうすればよかったのに」の背景には「単純にやってこなかっただけ」のこともあるが「そうしなかった理由」があることも多い。この「そうしなかった理由」は自分の考えの対局にある考えがスタートになっている。だからこそ、必ず対局に立って考えた上で、結論を出す癖を日ごろからつけておくことが、かならず仕事の提案力につながっていくと思う。


次に論理性、いわゆるロジカルシンキングが必要な場面が多い。対局で考えることもロジカルシンキングの1つだが、ロジカルシンキングではもれなくたぶりなく考え方を整理する、いわるゆMECEの考え方が大切になる。
このMECEを実践することはとても大事で、特にメンバーの提案があったときの「こういう反対意見がでることは想定しているか」や「逆にこうなったら、この提案でも大丈夫か?」という質問に代表されると思う。この「問い」を「適切」にリーダーが投げかけられると、提案者が考えるきっかけを与えることができる。

ちなみに、このMECEの実践は、自分は昔からあまり得意ではなかった。「上司・先輩の言うことは絶対」、「先生の言うことは正しい」と信じて育ってきたからである。そうした思考の癖がある人の手助けをしてくれるのが、ビジネスで使うフレームワークだと思っている。
「ロジックツリー」、「マーケティングの4P」、「3C分析」、「サプライチェーン」、「組織構造の7S」、「AISAS」、「ゴールデンサークル」・・・ここにあげたのは一例だが、自らの仕事で特によく活用できるフレームワークを把握していると、必ず提案内容のMECEを確認して、論理力をもって話することができるようになると思う。


そして、最後は説得力。この説得力に必要なことは2つ、1つは「自らがやりきたいという想い/やりきろうとする想い」、2つめは「この人にこう言われたならやるしかないと思わせること」である。

この2つめをとてもうまく組織運営で実行している人をこれまで自分もたくさんみてきたが、これは結構時間がかかると思う。前提として「信頼関係構築」がなされていないかいけないケースが多いからだ。信頼関係以外に必要なものはなにか?これは本当に人それぞれだと思う。決して仕事ができる人が「この人に言われたらやるしかない」と思わせる人とイコールではないことを私自身が何度も目にしてきた。「この人に言われたらがんばるか」は、意外にも「この人頼りないから自分ががんばるしかないか」という形で発揮されることもある。そして中にはこの「頼りない」を見事に演じる上司に何度も遭遇したことがある。どんな形であれそうした組織をつくれているのであれば、それは本当に素晴らしい手段なのだ。


一方、1つめの「やりきりたいという想いとやりきろうとする想い」。「やりきりたい想い」は自分がやりたい提案であれば、素直に存在する気持ちだし、何よりのモチベーションだ。いわゆるジョブクラフティングできている。

一番難しいのは「本当は納得してないけど、やることになった上長からの指示の案件」である。こうした案件があったときについメンバーに「本当はやりたくないんだけど・・・」とか「自分は反対だと思ったんだけど・・・・」といった前置きを使ってないか?また上長から言われたから、人事に言われたからと言って内容をそのまま転送して終わりにしてないか?
メンバーはびっくりするくらい管理職1人ひとりの動きをみている。メンバーは本人の想いがのっているかのっていないかはすぐに見抜く力を備えている。(と思ったほうがいい)。本当に納得いかなければ、必ず上司や発信者に問い合わせたほうがいいが、それでもやらなければいけない時は「やりきろうとする想い」をもつしかない。いずれにせよ、自分が発信する文章1つ1つをメンバーがしっかり見ているので、「想いがあるかないかを見破られないようにする演技力」も必要なものになる。


そして不思議なもので、「演じている」うちに「その気持ちになりきれたりする」のもまた人間だと思う。


ちなみに、この「やりきろうとする想い」をもって組織が動いていないと、会社はとても大変なことになる。なぜならば会社がうまく行ってない時に「やろうとした内容が問題だったのか」それとも「やろうとしたことがそもそも伝えきれてなかったのか」の検証からしなくてはいけなくなり、そもそもやろうとした内容が正し方か正しくなかったかすら確認するのに時間がかかってしまう。


管理職って本当にやらなきゃいけないことが思いますが、この「やりきりたい想い」に加えて「やりきろうとする想い」をもって仕事に取り組まなきゃいけないんですよね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?