見出し画像

管理職に必要なこと⑤ともにはたらくメンバーをかけがえのない存在と認識し、その育成に責任をもつ

今回の話をまとめると、「育成」の責任という意味でメンバー1人ひとりの成長のために必要なのは「信頼と圧」。
そして、「1人1人の強みを知りどのような仕事であっても自分自身で仕事を楽しめるようにすること」が管理職の仕事の1つであるという話です。

「かけがえのない」は他のもので代替することができない。大切で失いたくない人を指す言葉である。管理職になって一番大きな変化ともいえるのが、この「育成責任」だと思う。そしてこの育成には大きく2つの要素があると思っていて1つは「1人ひとりを育てること」、そしてもう1つは「任せられている組織の育成」である。もしかしたら自ら学ぶ組織風土づくりという方が今どきかもしれない。そうした中あえて今回は「1人ひとりの育成」に絞って話をしたいと思います。

1人ひとりを育てるとは何か。一言でいうとそれは「1人ひとりをよく見ること」だと思う。1人ひとりの強みと弱みを確認し、本人がどうありたいのかを確認する。周囲の評価と本人の自己評価の違いは何か。今、何か悩んでいることはなにか。なにが好きか。どういうときに集中するか、いきがいを覚えるか、働きがいを感じるか。すべてはメンバー1人ひとりの中にあることであり、普段の会話や仕事を通じて見えることを通して、本人から聞く情報で自分が考えていたことと答え合わせをしながら1人ひとりを知る。これこそが自分は育成の原点だと思う。組織上1人ひとりのやりたいことや希望を全て叶えていたら、組織は絶対にまわらない。仕事の中にはもしかしたら本人が望んでいないこともあるし、そもそもジョブ型で働いていない場合には望んでいない職種の可能性もある。でもその仕事に穴をあけることはできずに、必ず誰かをアサインをしなければならない。だからこそ、1人ひとりをよく見て、どんな仕事であっても本人の琴線にふれるポイントを知っておいて、そこをつなぐことが管理職に求められる役割なんだと思う。

また1人ひとりを育成するために欠かせないものが、信頼。信頼は自分の部下1人ひとりが「かけがえのない存在である」とまず自分が信じるところから始まる。自分が信じるためにもメンバー1人ひとりをよく知ることに加えて、よく見る。そこまでやったうえで、メンバーから信頼してもらえることが大事なのだと思う。

私はよく「信頼と圧」という言葉を使う。

1人ひとりが成長を感じるには、今までとは違ったことにチャレンジしていく過程や機会の提供が必要で、私はこれを「圧」と呼んでいる。どんな仕事を与えられても、その中でチャレンジな課題を自ら見つけて果敢に取り組むメンバーもいる。こういうメンバーある程度本人に任せればいい。一方でなかなか自ら取り組めないメンバーが多いのも実態ではないかと思う。
そうしたメンバーにいきなり少しレベルの高い仕事(圧)を与えても、なかなか一歩目は踏み出せない。やはりそこには上司また周囲の信頼が必要で、その後に1人ひとりの育成のために、圧をかける。だからこそその圧をかけるための信頼を日頃から構築しておくことが管理職の役割の1つでもあると思います。ちなみに、自ら仕事でチャレンジできる人には、最初から圧をかけることで信頼が構築されることもあるなと感じることもあります。

繰り返しになりますが、1人ひとりの成長のためには、少し背伸びしたり、プレッシャーがかかる業務をアサインすることも大事な仕事です。そのために大切なことは日頃から1人ひとりをよく見て、聞いて信頼関係を構築すること。これに加えて、1人ひとりを見て、どのような仕事であっても本人が自分自身で楽しめるようにコミュニケーションをとることだと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?