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管理職に必要なこと①管理職はこれまでの延長線上で成し得るものではなく、まったく新しい職種であるということを自覚している。

「今ある仕事をだれよりも理解している」、「今の所属のことは自分が一番詳しい」、「他の人よりも自分が一番うまくできる」、「この仕事に長く従事しておりイレギュラー対応にも強い」。これらは一見、管理職としては必要な素養に思えるかもしれないが、その優先順位は管理職として決して高くはない。ただ必要ないわけでもない。
職種によっては、これが必要な職種もある。会計(公認会計士)、労務(社労士)、法律(弁護士)、技術(施工管理技士等)。世の中に一般的に「国家資格」が認められているような分野においては、この経験値が管理職においても必要なことも多い。
ただ、すべての管理職に共通しているのはこの「1つの仕事の延長線上」の話ではないのだと思う。
管理職の仕事は「成果」と「育成」。この「成果」をあげる上で、「延長線上であげられる成果」は全体の成果の一部であると捉えるべきである。なぜなら「延長線上」=「中長期にわたる経験」が前提となっているからである。これに頼っていると、新しい役割(他部署や1つ上の役職、役割)を与えられたときについていけないし、どうしても「経験値」に頼ってしまって、「仕事をやれてしまう」からだ。そうなると「イノベーション」は起きにくい。仕事がやれてしまうからイノベーションの必要性が低くなる。
では「管理職」が「より高い成果」をあげるために必要なことが何かというと「新しい仕事をいち早く習得しようとする想いや意思つまり、役割立場に関係なく0から学ぶ意識」があるかどうか、「仕事の仕組み(ヒト、モノ、カネ、情報の流れ)をいち早く理解できる力」、そして「何に手をつけることがもっとも意味があるかを選択する力(優先順位かな?)」にあると思う。

「inferior=劣れていることを知る」。

業務の経験値が周囲のメンバーに比べて劣っていることを謙虚にしることこそが「管理職」に必要なのである。しかし周囲からはそうは見られない。残念ながら管理職は「なんでも解決してくれる前提」「なんでも知っていることが前提」で接してこられることも多い。
そうした時に必要な力が「演じる力」であると思う。
「周囲からの期待にこたえたい」という気持ちはだれもがもつし「頼られたい」と思う。組織経験値が高いリーダーほど、この「周囲の期待にこたえる」し実際に「頼られる」。新しいことに取り組む組織や、メンバーが直近で大きく入れ替わった組織では、こうしたリーダーを演じる必要性も求められる。また先に述べた「経験値を要する職種」においてもこうしたリーダーシップが求められるだろう。
一方でまったく新しい組織に着任した時は「何もしらないことを演じる(ある意味“素“でいられる)」、「頼られたいという想いを内に秘めつつ、劣っている自分をさらけだすこと」も必要になってくる。ただ、これをずっと続けていると、本当に「頼られないリーダー」になってしまうので、それを演じながらも「早期に仕組みを学び、流れをつかむ」ことが求められる。
ここまではいわゆる「成果」の話。
「育成」・・・これは別のパートで後述するが、組織で「成果」をだすことは絶対に1人では実現できない。ともに働くメンバーの協力なくして「成果」は実現しない。でもそのメンバーが今まで同じように仕事をしていては、絶対にそれまで以上の成果はでない。管理職の成果は1を2や3と、より大きくすることだからだ。
自分に与えられた時間で「成果」と「育成」を両立することは本当に厳しい。でもそれが管理職に求められることなのだと思う。

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