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管理職に必要なこと⑥ 自らが誰よりも勉強しつづけている

今日の話をまとめると、「自らが勉強することで、誰に聞けば答えに近づくかがより的確になる」ということ。「会社は社長の、組織は組織長の器以上にならない」ことを重くうけとめ、誰よりも勉強し成長していかなければならない。というお話です。

経営の神様といわれるパナソニック(松下電器)の創設者、松下幸之助の90歳の時の言葉は「自分はまだまだ勉強せんといかん」。トムクルーズがトップガンのPRのため59歳で来日した際のインタビューで自分がアクションスターであるために続けていることはなにか?と質問された返答は「いつも勉強して自分を向上させている。」だった。

社会人と学生の勉強の違い。それはわかりやすい勉強の先のゴールだと思う。もちろん志高く学生のうちから、進学だけを目的にすることなく勉強している人もいるが、実際は進学のための勉強であることが現実だし、実際にそうして育ってきた人もいると思う。私自身もそう思って学生時代を過ごしていた。
一方、社会人になると勉強の目的が核心にせまってくる。ある分野の仕事を任せられているのであれば、その仕事をもっと極めたい!とか、もっとわかるようになりたい!関連することを学びたい!と思うし、逆に勉強して失敗しないように、ミスしないようにしたいも立派な勉強も目的だと思う。目的が明確であり、かつその内容が業務に直結している場合には、仕事をしながら学びを深めることも多いし、勉強に対する自分のモチベーションもとても高い。
目的が明確で自らのモチベーションにも直結する勉強の延長線上には「この仕事において自分は一番知っているし、きわめている」というゴールがあるのだと思う。昨今はジョブ型の働きかたが徐々に浸透しており、もしかしたら、この勉強方法できわめていくことが1つの正解かもしれないと思うことも多いが、私はそれだけでは組織、企業、そして国、世界は発展しないと思っている。

進学および仕事の延長線上にない勉強は何を目的とするか。このゴールが人それぞれだと思う。

まず1つ大切なことは自分がこれまで触れてこなかったことの基本を知る勉強が必要だと思う。

特に組織のリーダーや管理者になれば、業務を極める以外のことが求められる。メンバーの管理が必要となれば、労務の知識、心と体の健康維持のための知識が必要だし、リスク管理を求められると内部統制の勉強も必要。組織を任せられれば方針、戦略策定の知識が必要だし、会社がESG経営、DX推進といえば、SDGsの勉強からIT分野の勉強も必要になる。すべての分野で極めることは人間の時間と記憶力の限界があるため、絶対に不可能であるが、ある程度リーダーや管理職になると、基本はおさえておく必要がある。管理職が基本をおさえる必要があることはなぜかというと、業務に直結して必要なことももちろんあるが、それ以上に、基本を知っていることで周囲のだれが基本以上のことを知っているかを把握できて、「誰に」何を聞けばいいかがわかることが何より大切なのだと思う。管理職の役割の一つが「誰に聞けば答えに早くたどりつけるかを知っていること」だ。そのためにも、自らがある程度勉強をしていないと、この「誰に」の見極めができないのだと思う。

そしてもう1つは、人間力の向上。リベラルアーツの学びを通じて学びにつなげられることもあるが、歴史、文化を中心とした幅広い知識力向上である。私の尊敬する経営者の1人、稲盛さんは「会社や組織は社長、組織長の器以上にはならない」と言われた。これは管理職や社長を務める人にとってはとても重くのしかかる言葉だ。自らが常に勉強し続けて、成長し、幅広い視野と視座を追求することが、イコール会社の成長につながる。

実際に「誰よりも」勉強しているの「誰よりも」を定義づけることは難しい。大事なことは「その意識」だという意味で「誰よりも勉強しつづけている」という言葉を使っている。「inferior=劣れていることを知る」。常に自分が謙虚な姿勢でありながらも、会社は社長の、組織は組織長の器以上にならないことを重くうけとめ、誰よりも勉強し成長していかなければならない。

話しておきながらなんだが、ちょっと重い話ですね。



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