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【入浴制限がもたらす意外な影響】ウェルビーイング観点で入院を最適化する⑦

6月26日、露天風呂の日。

トリビア?この日が選ばれた理由は、数字の「6」(ろ)と「26」(ふろ)を組み合わせて「露天風呂」の語呂合わせになるからです。
💦そうです、ダジャレです💦

この記念日は、1987年に岡山県真庭市の湯原温泉が制定しました。
湯原温泉は、この日を通じて露天風呂の魅力を伝え、地域の活性化を図りました。

最近、露天風呂に入りましたか?
今日を記念日としてではなく、私たちが自然と一体になり、心身の健康と幸福感を追求する機会なのです。

しかし、一方で、入院生活の中で、この大切な「入浴」という行為が制限されている現実を直視しなければなりません。

露天風呂の魅力とウェルビーイング効果
露天風呂は、開放的な空間で自然と一体になりながら入浴できることが最大の魅力です。四季折々の風景を楽しむことができ、星空を眺めながら入浴することもできます。これにより、ストレス解消やリフレッシュ効果が期待できます。

ウェルビーイング(心身の健康と幸福感)観点から見ると、露天風呂は心身のリラクゼーション効果を提供します。

自然の息吹を感じながら温泉に浸かることは、心地よいリラクゼーションを提供し、ストレスを軽減し、心身の健康を向上させます。

また、露天風呂は、自然の美しさを楽しみながら、心の平和と静けさを感じることができます。これらの感情的なメリットは、私たちのウェルビーイングに大きく寄与します。

さらに、露天風呂は機能的なメリットも提供します。
例えば、温泉水は多くの場合、ミネラルを豊富に含んでおり、これらのミネラルは肌の健康を改善したり、筋肉の緊張を和らげたりすることが知られています。

また、温泉に浸かることで血行が良くなり、全身のリラクゼーションを促進します。

入院生活における「入浴」について

考えてみましょう笑
そもそも、入院期間によっては入浴の機会が無い場合もあります。
シャワーできる環境があっても、現実的には希望者が1回2,30分程度で予約して利用するところが多いのかな、と思います。ただ、これは入院患者全員の話ではなく、その意欲があるものだけに限られた話です。

コロナパンデミック後、その傾向はさらに限定的となっています。
入院中の患者は、感染症のリスクを最小限に抑えるため、また、患者の体調や安全を考慮して、入浴の回数が制限されることがあります。

特に、骨折患者の場合、身体の動きが制限され、
入浴が困難になることがあります。多くのサポートがないと入浴どころか、ベッドから入浴もしくはシャワースペースまでの移動ができない状況も無視できません。

しかし、入浴は私たちのウェルビーイングにとって重要な役割を果たします。それは、私たちが日々のストレスから解放され、リラクゼーションを得るための重要な時間です。そのため、入浴の機会が制限されると、患者の心身の健康に影響を及ぼす可能性があります。

ウェルビーイングをより高めるためにできること:

この問題に対する一つの解決策は、なにがあるでしょう?

病院が患者のウェルビーイングを最優先に考え
①入浴の機会を増やすこと
②シャワー浴と入浴を適切に使い分けること。

シャワー浴は、身体を清潔に保つための効率的な方法であり、
入浴はリラクゼーションとストレス解消のための重要な時間です。

これらをバランス良く組み合わせることで、患者のウェルビーイングを向上させることができます。

入浴・シャワー浴できない場合の代替提案

なかなかむつかしいところではあります💦
入浴やシャワー浴が利用できない場合でも、清潔さ、リラクゼーション、ストレス解消という3つの要素を満たすウェルビーイングを高める代替的なアクティビティは存在します。

  1. 蒸しタオル/ウェットティッシュ
    身体を清潔に保つための効率的な方法として、
    蒸しタオルウェットティッシュを使用することができます。
    これは、決まった時間に配られるところも多いと思います。

現実のサービス:

  1. 蒸しタオルの活用:
    蒸しタオルは、温冷交互刺激と組み合わせた気候療法プログラムに利用されています。このプログラムでは、参加者は毎日自宅で肩甲部と腰部に蒸しタオルを当て、完全に冷たくなるまで放置します。
    この方法は、腋窩温の上昇、静的・動的バランス能力と持久力向上を示唆しています。

  2. ウェットティッシュの活用:
    ウェットティッシュの活用についての具体的な研究は見つかりませんでした。しかし、清拭タオルの電子レンジ加熱による有用性についての研究が存在します。

理想のサービス:

理想的なサービスとしては、蒸しタオルやウェットティッシュの活用をさらに進化させ、患者のウェルビーイングを高めるための具体的な提案を考えます。

  1. パーソナライズされたケア:
    患者の個々のニーズや好みに合わせてサービスを提供することが重要です。蒸しタオルやウェットティッシュの使用方法や頻度を、患者の具体的な症状や好みに合わせて調整することができます。

  2. 教育とサポート:
    患者に蒸しタオルやウェットティッシュの正しい使用方法を教え、その利点と可能な副作用について説明することが重要です。
    全部を病院側の方がするのではなく、患者側ですべきことをまず共有して、その患者さんそれぞれの状況に応じて周囲がサポートをする、そのサポート体制を見積もることで、そのサービスレベルができる人員を確保する体制を病院側が整える。
    これにより、患者は自分のケアに積極的に関与することができ、ウェルビーイングが向上することでしょう。

  3. 継続的な評価とフィードバック:
    患者の反応を定期的に評価し、必要に応じてケアプランを調整することが重要です。これにより、患者は自分の健康状態についてのフィードバックを得ることができ、ウェルビーイングが向上し、退院までのプランニングに善循環が期待できれば、と考えます。

以上のステップを機能させるために、
具体的なアクションプランを考えます。

蒸しタオルやウェットティッシュの活用によるウェルビーイング向上のための具体的なアクションプランを提案

  1. 患者のニーズと好みの評価:
    最初に、患者の個々のニーズと好みを評価します。
    露天風呂の楽しみに四季やその時の天気などによっていろいろな楽しみ方があるように、これには、患者の皮膚の状態、感じやすさ、好みの温度・香りなどが含まれます。この情報は、蒸しタオルやウェットティッシュの最適な使用方法を決定するために使用されます。

  2. 蒸しタオルとウェットティッシュの提供:
    患者に蒸しタオルとウェットティッシュを提供します。
    これらは、患者が自分自身を清潔に保つため、またはリラクゼーションのために使用できます。

    もしかしたら、病院都合で頻度は1日に1回程度の配布、タイミングは、入院患者の起きている起きていない関係なく病院側の運営都合で、拭けない場所へのサポートも看護師さん・ヘルパーさんによってはその実施もバラバラということもよりよくできる”伸びしろ”と考えます。

  3. 使用方法の教示:

    患者に、蒸しタオルやウェットティッシュの正しい使用方法を教示します。これには、どの部分に適用するか、どのくらいの時間適用するか、どのくらいの頻度で交換するかなどが含まれます。

  4. 定期的な評価:

    患者の反応を定期的に評価し、必要に応じてケアプランを調整します。これにより、患者は自分の健康状態についてのフィードバックを得ることができ、ウェルビーイングが向上します。

  5. フィードバックの収集:
    患者からフィードバックを収集し、サービスの改善に役立てます。これにより、患者の満足度を高め、ウェルビーイングをさらに向上させることができます。

以上のアクションプランを通じて、入浴やシャワー浴が利用できない状況でも、患者のウェルビーイングを高めることが可能となります。これらの取り組みは、患者ファーストの視点から考えられており、患者の心身の健康と幸福感を最優先に考えているのではないか、と思います。

~ご参考とエビデンス~

(1) 蒸しタオルを利用した簡便な温冷交互刺激と組み合わせた日本人のための気候療法プログラム
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjhr/40/0/40_74/_article/-char/ja/

(3) 電子レンジ加熱による清拭タオルの有用性に 関する検討 - J-STAGE. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnas/13/3/13_200/_pdf/-char/ja

(4) 「患者中心の医療」とは…概念と現実に違いはありすぎないか
 https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20220630-OYTET50004/


(5) ウェルビーイングとは~「よい状態」を目指す具体的な方法を .... https://health2sync.com/ja/blog/well-being/


(6) WHOガイドライン 健康とウェルビーイングのための セルフケア介入
 https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/357179/9789240052239-jpn.pdf

(7) ウェルビーイングとは?5つの要素や注目される理由
 https://www.fancl.co.jp/clip/healthcare/tips/2403-3k/index.html


(8) 第5章 医療提供体制:「病院のあり方に関する報告書」
 https://www.ajha.or.jp/voice/arikata/2016/05.html


(9) 地域で“暮らす”そして“生ききる”に伴走す る医療 - J-STAGE. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsrcr/28/2/28_212/_pdf/-char/en

(10) ポスト 年の医療・介護提供体制の姿(案) https://www.mhlw.go.jp/content/12403550/001059091.pdf

(11) 令 和 4 年 12 月 23 日 2025 年の医療・介護提供体制の姿(素案)
 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001028448.pdf

(12) 患者の望みを支える「患者主体の医療」 実現のための研究会
 https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2201_03medical/220831/medical08_0101.pdf

(13) 2025年・2040年に向けて病院はどうあるべきか
 https://manseiki.com/news/2025年・2040年に向けて病院はどうあるべきか――高度


(14) 患者さんの立場から考える医療接遇 - NEC NexS.

入浴・シャワー浴できない場合の代替提案~蒸しタオル以外~

瞑想:心を落ち着け、ストレスを軽減し、リラクゼーションを促進します。

ヨガ:身体の柔軟性を高め、筋力を強化し、リラクゼーションを促進します。

読書:新たな知識を得るだけでなく、リラクゼーション効果もあります。

音楽鑑賞:心地よい音楽は心を落ち着け、リラクゼーションを促進します。

アロマセラピー:特定の香りはリラクゼーション効果があり、心地よい気分を引き立てます。

散歩:院内でも、所属病棟のルールに従い、できるだけ散歩することは心身の健康に良い影響を与えます。そして、なにより退院がゴールではなく、家に帰ってからの生活にスムースに復帰するためにも筋肉と機能を万全に近づける意味でもとても大切なことです。

深呼吸:深呼吸は心拍数を落ち着け、リラクゼーションを促進します。

手芸やクラフト:手作りのアイテムを作ることは創造性を刺激し、達成感を感じさせます。

高気圧酸素療法:入院先にこの施設があればです。
なぜなら、高気圧酸素療法は、特定の医療施設で提供されています。
例えば、京都大学医学部附属病院の高気圧酸素治療センター木村病院などがその一例です。

高気圧酸素療法は、患者を高気圧環境下に置き、高濃度の酸素を吸入させることで、体内の酸素濃度を高め、組織の修復や新陳代謝を促進する治療法です。この治療法は、一酸化炭素中毒、ガス壊疽、空気塞栓症、減圧症、放射線障害、腸閉塞などの疾患に対して積極的に治療を行っています。

一方、入浴やシャワー浴は、体を清潔に保つだけでなく、血行を促進し、新陳代謝を活性化させる効果があります。また、リラックス効果、筋肉や関節の緊張の緩和、睡眠の質の向上などの効果も期待できます。

ゆえに、高気圧酸素療法が入浴・シャワー浴の代替となる可能性があると考えられます。その理由は以下の通りです:

  1. 血行促進と新陳代謝の活性化: 高気圧酸素療法と入浴・シャワー浴は、共に血行を促進し、新陳代謝を活性化させる効果があります。
    これにより、体内の酸素供給が向上し、組織の修復が促進されます。

  2. リラクゼーション効果: 高気圧酸素療法は、患者がリラックスした状態で治療を受けることができます。これは、入浴・シャワー浴が提供するリラクゼーション効果と類似しています。

  3. 身体の浄化: 高気圧酸素療法は、体内の酸素濃度を高めることで、体内の老廃物の排出を促進します。これは、入浴・シャワー浴が皮膚を清潔に保つ効果と類似しています。

ただし、高気圧酸素療法が入浴・シャワー浴の全ての効果を代替できるわけではなく、また、すべての患者に適しているわけではありません。高気圧酸素療法は医療施設で行われ、専門的な知識と技術を必要とします。そのため、患者の状態やニーズに応じて、適切な治療法を選択することが重要です。具体的な治療法の選択や適用については、医療専門家の意見を求めることをお勧めします。

追記:
「高気圧酸素療法」というと難しいですが、その普及モデルともいえるのが「酸素カプセル」です。酸素カプセルは構造的に一人での利用になりますが、「酸素ボックス」であれば、多くの方がまとめて入室できます。換気やトイレ問題などの制約はありますが、リハビリ病棟など、一同に会してリハビリや食事を提供することのできる場所であれば、そのスペースに併設することが患者のウェルビーイング観点につながる選択肢にはなると考えます。

(1) 高気圧酸素治療センター|中央診療部門|診療科等一覧|京都 .... https://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/department/central/hotu.html


(2) 高気圧酸素治療センター – 京都大学大学院医学研究科初期診療・救急医学分野
 https://qqigaku.kuhp.kyoto-u.ac.jp/pcem/hyperbaric-oxygen-therapy-center/


(3) 高気圧酸素療法 | 社会医療法人一成会 木村病院.


(4) 高気圧酸素療法の効果と、適応疾患、禁忌について | ほぼ健康 .... https://mainichi-kenko-seikatsu.com/medical-knowledge/koukiatusansoryoho/


(5) 高気圧酸素治療 - Wikipedia.


(6) 入浴による効果・作用とは?効果的な入浴方法から注意点を徹底解説
 https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/health-care/53261


(7) 入浴の効果6選!自律神経、体内酵素、眠りを深く、ゆがみ解消など
 https://na-harmony.com/wellness/effect-of-the-bath/


(8) 入浴とシャワー浴の違いとは?違いを解説 | 違い辞典. https://chigai.jp/bathing-and-shower-bath-difference/


(9) 入浴のメリット5選!お風呂に入る効果と入浴剤のすすめ
 https://www.saishunkan.co.jp/domo/column/lifestyle/bathing/


(10) 入浴による循環動態への影響と変動が少ない入浴方法について解説
 https://www.st-medica.com/2018/07/bath-care.html


(11) 在宅酸素療法患者の入浴動機・形態・呼吸循環変化 - J-STAGE. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsrcr/4/3/4_145/_article/-char/ja/


(12) 高気圧酸素療法の効果と、適応疾患、禁忌について
 https://bing.com/search?q=高気圧酸素療法の効果


(13) 高気圧酸素治療Q&A | もみのき病院


(14) 高気圧酸素治療のご案内|松原徳洲会病院(大阪府松原市)
 https://www.matubara.tokushukai.or.jp/department/technology/hipressure/


(15) 高気圧酸素治療 - 概要・特徴 | 診療科・部門 | 名古屋共立病院
 https://kaikou.or.jp/kyoritsu/department/center/hyperbaric_oxygen/


(16) 「シャワーしか浴びない人」が損している理由 温泉療法専門医
 https://toyokeizai.net/articles/-/253150



(17) 東京医科歯科大学 高気圧治療部| 高気圧酸素治療について. https://www.tmd.ac.jp/med/hbo7/abouthbo.html


(18) シャワーのみは損してる?「入浴」に期待できる健康を

少し脱線してしまいました。
必ずしも入院中を想定した選択肢にはならないところもあるとは思いますが、入院していない状況でお役に立つ可能性が高いです。
これらのアクティビティは、入浴やシャワー浴と同様に、心身のリラクゼーションを促進し、ウェルビーイングを高める効果があります。それぞれのアクティビティが個々のニーズや状況に合わせて選択できるので、自分に最適なものを見つけてみてください。

クロージングメッセージ :

入院中であっても、入浴は私たちのウェルビーイングにとって重要な役割を果たします。しかし、病院の運営が効率重視になりがちであるため、患者の入浴の機会が制限されてしまうことがあります。

これは、患者ファーストの視点から見れば伸びしろであり、率直にいえば「問題」とも言えます。

私たちは、この問題について深く考え、病院側の運営体制の見直しはもちろん患者側の理想のウェルビーイングを高めるために何ができるか
持続可能な改善のためのステップを踏み出すべきです。



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