19w0d 妊娠して知った。この世には「名誉の諦め」があること
「妊婦には無理だろう」と、とある番組のプロジェクトを外された。
自分はこういう時、激しく怒ったり、泣いて悔しがったりするに違いないと思っていた。これまでの私だったら確実にそうだった。けれど実際に抱いた感情と言えば至って落ち着いたもので、「やっぱりか」と腑に落ちたりもした。
これで良いのか?という疑問が無いわけでは無い。
「仕方ないよ」と声をかけてくる男性陣に、「おまえが言うな」と思わないでもない。
しかし他でもない、私よりもこの事実を悲しんで悔しんでいる母を見た時に、自分の気持ちの正体に気がついた。
最近お腹のベイビーがよく動く。
連続ローリング4〜5セット、疲れ知らずで良い限り。
私が食べた栄養を吸収し、私が吸った息で呼吸する。
この営みを毎日肌で感じられる経験と、仕事のプロジェクト。ふたつを同じ天秤にかけることはできないけれど、私は間違いなく前者だけでいい。もう充分に幸せ。
妊娠したことで訪れるすべての諦めは、私にとってこの上なく名誉なことだと気がついた。
女に生まれてよかった。
こんなふうに思うことがあると思わなかった。
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