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母になる父になるとは?① 別居婚夫婦のすれ違い

別居婚を考え始めた当初、私たち夫婦の背中を押したのは別居婚の先輩夫婦だった。仕事で長く付き合いのある、還暦はとうに過ぎたご夫婦である。

現役時代ふたりはともに研究者で、互いの求める仕事のため10年以上に渡って別居婚をしていた。旦那様が定年を迎え奥様の元へ移り住んでからは、同居の老後という第3の結婚生活を歩んでいる。

「無理しても月に2度は必ず会うこと」が長続きする秘訣。でもその先には「新たな夫婦の道が開けるわよ〜」と、なんだか楽しそうだった。
一緒に暮らさなくても、一緒に生きている。人生の伴侶にこの人を選んだという覚悟が新鮮みを保ち続ける。
そんな先輩の言葉が、私たち夫婦が別居婚へ踏み切る後押しをしてくれた。

それが去年の秋のこと。
あれから1年が経つ今年の秋には、3人目の家族が生まれようとしている。
私たちの別居婚は夫婦の問題だけではなくて、ベイビーの人生にも関わる問題になった。

夫に違和感を持ったのは胎動を感じ始めてしばらくした頃。日に一度の電話で、なんの疑いもなく子供の誕生を楽しみにしている夫の姿に、「待っていれば勝手に生まれてくるとでも思っているのか?」と疑問を抱いた。こっちはひとたび胎動を感じないだけで、心配で心配でたまらなくなるのに...。

彼の仕事が忙しく、待っていた電話をふいにされたり、月に2回の会う約束が流れたりすることも増えた。すると「育休とる!なんて宣言していたけど、それだって...」と不安になる。
その間、会話はないし当然顔を見ていないからなおさら「私は仕事を減らされているのに、我慢しているのに、向こうはなんだか楽しそう」と、考え過ぎの負のループに落ちていく。

夫としては最大限の気遣いだったであろう「お金振り込んでおこうか?(マタニティ服を買った報告の返事)」という言葉。これにすら「夫は子育てを『手伝う』と言う父親になるに違いない」「いつか俺の金で食わせてやってるとか言い出したらどうしよう」と思い始め...

先日ついに私は爆発した。

詳細はつづく...

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